ルイヴィトンのビジネスバッグ(タイガラインのモスコバ)です。
各部に損傷が見られますが今回はマチ底の復元強化加工をします。
持ち手を掴むたびに指や爪があたるのでカブセがスレスレ状態です。
外周もスレスレで表皮が剥がれ革の繊維が毛羽立った状態です。
カブセを開くたびに負担がかかる本体とカブセのつなぎ目は亀裂があります。
中身の出し入れ時にカブセを大きく開けすぎると傷みやすい部分ですね!
内張りもビジネスバッグらしく仕切りやポケットが多数あり便利に活用できる鞄です。
しかし、素材が合成皮革なので周囲は劣化して剥がれてきているようです。
手を入れられないほどのべた付きは無いようですが・・・・
後面にある大きなポケットの中も合成皮革です。
底角だけでなく外周全体がスレスレ状態。
ここまでは見た目や耐久性を気にしなければ使用は可能ですが・・・・
今回はマチ底4箇所の復元強化加工を施します。
4箇所あるマチ底は破れて底が抜けていたり亀裂があります。
底が抜けている状態ではバッグの使用は不可能ですねぇ~
こちらも同様に。。。。
こちらは他の3箇所と比べると軽傷ですが、すでに限界です。
マチ底を4箇所とも解体して内張りを剥がします。
4箇所の復元強化加工ですが、実際は底マチ部も強化しますので8箇所の加工です。
重傷です。
ここまで、よく頑張ってくれました。
負担がかかる部分ですので頑丈に仕上げたいのですが・・・・
長年酷使された革素材は柔軟性が低下しています。
直せるのでしょうか?
負担がかかる8箇所に強化芯材を入れ込みながら破れた部分を再生しました。
当社で加工した部分は、かなり頑丈になっていますので安心してご使用いただけます。
外周はあまりにもスレスレでしたので軽く補色しておきました。
底が抜けていた部分は頑丈になり少し補色しましたので見た目も少し改善し、
なんとか使用いただける状態になりました。
今回は底マチのみの加工でしたが、まだまだ心配な箇所が見られます。
ビジネスの道具としての役割が大きなバッグですが、
良い品ですので大切に長く愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索