グッチ長財布の外周テーピング交換

gucci la bagagerie (1)
グッチのキーケースとラ・バガジェリーの加工は既に掲載していますので、
今回はグッチの長財布の外周テーピング革の交換です。

 

 

 

 

gucci la bagagerie (2)
テーピング革は擦れ易い外周ですので損傷は避けられません。

テーピングは消耗部品と考えて本体にまで損傷が及ぶ前に定期的にメンテナンスすると、
財布全体が良い状態に保て長持ちします。

 

 

 

 

 

gucci la bagagerie (3)
折り曲げ部付近は本体の繊維が出てきていますので、そろそろ限界域ですね。

 

 

 

 

gucci la bagagerie (4)
ガマ口の小銭入れの中を見れば頻繁に愛用されていることがわかりますが、
全体的にはとても良い状態で丁寧に使用されていることがわかります。

今回は外周のテーピング革を擦れに強い牛革仕様で作成します。
しかし、ガマ口金具が付いていますので外さなければ縫製できませんねぇ~。

 

 

 

 

gucci la bagagerie (5)
口金金具を取り外して限界を迎えたテーピング革を取り外しました。

 

 

 

 

 

gucci la bagagerie (6)
元は豚革のテーピングですが牛革仕様に変更しています。

オートバイレーサーが着用する革ツナギのほとんどが牛革仕様で擦れに強く、
牛革に変更したメリットが理解いただけると思います。

ただ、この財布は外面にほかの革パーツがないので違和感がありませんが、
外面に豚革パーツが付いたモデルでは成立しない加工です。

 

 

 

 

 

gucci la bagagerie (7)
テーピング革が牛革仕様になったことでキーケースとの相性が良くなりました。

お預かりした3点ともスッキリしましたので気持ちよくご使用いただけます。
大切にご使用ください。

 

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gucci キーケースの修理

gucci key (1)
グッチのキーケースです。
角部や折り曲げ部に擦れ傷が見られます。

 

 

 

 

gucci key (2)
この程度なら補修加工で十分なんですが・・・・

 

 

 

 

gucci key (3)
内側から見ると外周のテーピング革を内側に折り返した部分が破れています。
負担がかかる折り曲げ部ですし鍵が擦れる部分ですので少し厚みのある革で交換します。

ホルダー金具のフックが抜け落ちるトラブルが一番多いのがこのモデルです。
内側ですし見た目より強度重視で当社では安心して使用できる金具に交換しています。

 

 

 

 

gucci key (4)
テーピング革やホルダー金具を取り外し新品の革で作成します。

 

 

 

 

gucci key (5)
テーピング革とホルダー金具交換の完了です。

 

 

 

 

gucci key (6)
小物類の中で最も傷みやすいキーケースですが、
鍵を少なくしたり、頻繁に使用する鍵は6箇所あるフックを定期的に変更して、
ローテーションすることで長く愛用することが可能です。

大切にご使用ください。

 

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la bagagerieのリニューアルリペア加工

la bagagerie (1)
la bagagerieのキーリング金具付きのケースです。
上質な革で作成された珍しい品ですが全体に薄汚れて傷もあります。

 

 

 

 

la bagagerie (2)
マーク金具はホック金具と一体式ですので開閉の度に負担がかかります。
緩みが出ていて回転する状態でゴールドメッキも剥がれています。
圧入式で固定されていますので通常は取り外しや再利用は不可能な金具です。

 

 

 

 

la bagagerie (3)
キーリングも錆びていますが本体に固定されたドーナツ型のアイレット金具も
変色して錆びています。

 

 

 

 

la bagagerie (4)
内張りもなく2枚の皮をU字に縫い合わせたシンプルな構造ですが、
解体して最高級仕様にリニューアルリペアします。

 

 

 

 

 

la bagagerie (5)
金具を取り外してステッチをすべて取り除きました。

 

 

 

 

 

la bagagerie (6)
内側の様子です。

金具の付け根やカブセの付け根など負担がかかる部分にも、
薄い一枚革の構造ですので補強はありません。

負担がかかる部分に強化加工を施し内側に本革を貼り合わせます。

 

 

 

 

la bagagerie (7)
外面の補修補色加工も完了して内側に上質な本革を貼り合わせました。

これから縫い合わせる部分ですが既にU字型にステッチ穴が空いています。???
ミシンで縫い付ければ早いですが今回はエルメス仕様で手縫い仕上げします。

 

 

 

 

la bagagerie (8)
リニューアルリペア加工の完了です。
完成すると手縫いもミシンも大差を感じませんが耐久性に差が出ます。

 

 

 

 

 

la bagagerie (9)
黒ずんだ汚れや傷も無くなり、マーク金具はゴールドに復活しました。

何より各部の強化加工と内側が本革仕様になったことで、
高級感と丈夫さがアップしています。
少しやりすぎ感もありますが・・・・

小さくシンプルなアイテムですが新品時より高品質で丈夫になっています。
大切にご使用ください。

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Marni ガマ口バッグの口金金具のツマミ折れ修理

marni gama (1)
イタリー製のMARNI社の大きなガマ口バッグです。
ガマ口のツマミが折れています。

 

 

 

 

marni gama (2)
シンプルなバッグに見えますが天部周りにパイピングや天マチ部材があります。
口金金具が内側に入り込むような凝った作りのデザインです。

 

 

 

 

marni gama (3)
内張りは本革仕様で高品質。

 

 

 

 

marni gama (4)
ツマミ部は透明な樹脂ですので、この部分も解体しなければ・・・・
ロー付け加工は高温になりますのでツマミの樹脂は簡単に溶けてしまいます。

 

 

 

 

 

marni gama (5)
折れたツマミを再生するには口金金具を本体から外す必要があります。
内張りが剥がれた部分がありますので、折れていない側も取り外します。

 

 

 

 

marni gama (6)
バラバラ。

 

 

 

 

marni gama (7)
悪戦苦闘の末、口金金具の再生完了です。

 

 

 

 

marni gama (8)
元のデザインを変更することなく加工しています。

 

 

 

 

marni gama (9)
ガマ口バッグはポワ~ンとしたフォルムが可愛いです。
大きく口を開けますので使いやすさも優れていますね!

口金金具の負担はツマミに集中しますので丁寧な開閉を心がけて、
大切に長く愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

昨日バック2点確かに受け取りました。
とても綺麗に修理して頂きまして感謝しております。
ありがとうございました。

 

愛知県 K 様

大きな口金金具ですし特殊なツマミですので、
丁寧な開閉を心がけながら使用されるのが最善です。

グラグラしていた蝶番部分のシャフトも交換して丈夫になっていますし、
口金金具全体を特殊なメッキ加工で仕上げ直しています。
元通り過ぎて、金具の傷や汚れがなくなっていることに、
気がつかないものですが・・・

ありがとうございました。

GUCCI ショルダー持ち手の強度アップ加工

gu sinkoukan (1)
グッチの2本手セミショルダーバッグです。
グッチらしいクールなデザインで全体的には綺麗な状態ですが・・・

 

 

 

 

gu sinkoukan (2)
ショルダーの革が剥がれて芯材も外れています。

 

 

 

 

gu sinkoukan (3)
この辺りも同様に。。。

 

 

 

 

gu sinkoukan (4)
ボール紙のような芯材を革に挟み込んで接着しただけの構造ですから、
このままでは長くは愛用できません。

芯材を丈夫なものに入れ替えてステッチを入れて安心して長く使える仕様にします。

 

 

 

 

 

gu sinkoukan (5)
負担がかかるショルダーの付け根部分には黒い補強芯が貼り合わせてありましたが、
途中で切れていて強化芯の役割をしていません。

 

 

 

 

gu sinkoukan (6)
この部分は大きく芯材が離れています。

4箇所の付け根のうち3箇所は強化芯材が途切れた状態でした。
詳しくは解説しませんが大量生産品ですので・・・・

 

 

 

 

gu sinkoukan (7)
丈夫な芯材に入れ替えて両サイドにステッチを施しました。
コバ仕上げ直しも完了し強度だけでなく高級感もアップしています。

 

 

 

 

 

gu sinkoukan (8)
ショルダーの付け根付近も完璧に強化していますので安心して長く愛用できます。

大切にご使用ください。

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カービング加工バッグの修理

carving bag (1)
白い革にカービング加工を施したハンドバッグです。

カービング加工(彫刻)できる革ですから厚みのある革なんですが、
カブセに取り付けられた持ち手の付け根革に損傷が見られます。

 

 

 

 

carving bag (2)
負担がかかる付け根革は限界を迎えています。

 

 

 

 

 

carving bag (3)
こちら側も同様に。。。

このように悪化する前に強化加工を施しておけば良い状態を保てたのですが・・・
付け根革にもカービング加工が施されて本体にマッチしていますが、さすがに・・・

 

 

 

 

carving bag (4)
持ち手の傷も気になりますねぇ~

 

 

 

 

carving bag (5)
持ち手のコバ面には黒い塗料があっあはずなんですが・・・

 

 

 

 

carving bag (6)
本体のコバもハゲハゲです。

 

 

 

 

carving bag (7)
カブセ周りも同様に。。。。

 

 

 

 

carving bag (8)
カブセの裏面はコバ塗料だけでなく白い革までハゲハゲです。

 

 

 

 

carving bag (9)
カブセを開いた本体天部もスレスレのハゲハゲです。

 

 

 

 

carving bag (10)
センターのヒネリロック金具は取り付けが甘いようでグラグラしています。
カブセを開閉する度に指先などが擦れるのでロック金具の下も色ハゲがあります。

 

 

 

 

carving bag (11)
バッグの雰囲気に合った感じのチープ感がグッドな底ビョウ金具ですがグラグラです。

 

 

 

 

carving bag (12)
付け根革やロック金具などを内張りやカブセを解体して取り外しました。

 

 

 

 

carving bag (13)
本体の内側から底鋲やロック金具の取り付け部を強化加工して頑丈に固定します。

 

 

 

 

carving bag (14)
グラグラしていたロック金具もガッチリ固定され色ハゲ部も補色しました。

 

 

 

 

carving bag (15)
底鋲金具も革に吸い付くように頑丈に固定しています。

 

 

 

 

carving bag (16)
持ち手の傷も補修してコバ面を仕上げ直しています。

 

 

 

 

carving bag (17)
白いバッグですのでコバを仕上げなおすとスッキリします。

 

 

 

 

carving bag (18)
カブセ周りも同様に。。。

 

 

 

 

carving bag (19)
本体のマチも同様に。。。

 

 

 

 

carving bag (20)
限界を超えていた付け根革はカービング柄がありますので、
元のパーツを強化しながら復活させています。

ここで拍手しないと、そろそろ終わりです。。。。

 

 

 

 

carving bag (21)
このバッグはオーダーメードで作られた品でしょうか?
画像にはありませんが後面までカービング加工で装飾されています。

大切に長く愛用したいバッグや財布は早め早めのメンテナンスが最善です。
限界を超えてからの加工は出来る限り良い状態に戻すだけの作業になり、
最善の修理タイミングとは大きく異なります。

特に近年のブランドアイテムを購入された方は損傷が出る前に強化加工をしておくのが
安心ですし、もしかしたら最善のタイミングかもしれません。

特殊なバッグですので交換パーツは存在しません。
大切に使用しながら大きな損傷になる前にメンテナンスしてください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

レザークリエーション様

本日手元に届きました。
ドキドキしながら対面しましたが、完璧な仕上がりに感激しました。
ほんとうにありがとうございました。

白のカービングバックは祖母の形見で随分古いものですが、
20年間大切に使っていました。

限界を感じてからも、放棄することができず2年ほど悩みながら修理先を探していましたが
レザークリエーションさんに出会い、ここならば復活できると思い、お願いしました。

あらためて画像を見て、状態の悪さを認識しましたが
全体はもちろん、付け根皮が新品同様に復活して驚いています。

この先はメンテナンスしながら死ぬまで使うつもりですが、その後は、
また、誰かに形見として託したいです(^^♪

フェラガモのサイフもお陰様で復活し、手触りも前より柔らかくなりました。

あんなにボロボロでも、使っている本人はあまり気にならないものですが、
周りから見ると、随分色あせたサイフだったようですね(-_-;)
仰るとおり、、パンパンに詰めていたので痛みも早かったのでしょう。

これからは見た目もよく使っていきたいです。

重ね重ねありがとうございました。

愛知県 O 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
今回は付け根革の復元強化加工とコバ仕上げ直しに底鋲固定だけでしたが、
持ち手やカブセなども負担がかかる部分です。
様子を見ながら使用され重症化する前にメンテナンスされる方が安心して長く使用できます。

また、フェラガモの財布は現在では購入出来ない品質の素材が使用された良い財布です。
大切に長く愛用ください。

ありがとうございました。