カルティエ財布の修理

Cartier (1)
製造から25年以上経過したカルティエ長財布です。
全体的に黒い汚れが染み込んだ状態で擦れや修理歴もある財布です。

 

 

 

 

 

 

Cartier (2)
コーナー金具はメッキの剥がれが見られます。

擦れて傷みやすい角部をガードしてくれるコーナー金具は、
デザインのアクセントになっていますので再メッキで高級感を復活させます。

 

 

 

 

 

Cartier (3)
折り曲げ部は擦り切れて破れた部分に0.3㎜ほどの薄い革を張り付けて、
擦り切れ穴を目隠しする修理加工を施した跡が見られます。

部分的に塗装もしているようで少し残念な状態です。

 

 

 

 

 

Cartier (4)
こちら側の折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

Cartier (5)
カブセの天部は革がひび割れてサクサク状態で黒い汚れも染み込んでいます。

長年のご使用と経年劣化で硬化した革が新品に戻ることはありませんが、
このままでは急激に悪化しますので出来る限り改善させたいと思います。

 

 

 

 

 

 

Cartier (6)
擦れやすいカブセの外周も同様に。。。。

カブセ全体の色合いがワインカラーとは思えないほど黒ずんでいます。

 

 

 

 

 

Cartier (7)
後面の外周もスレスレ。

 

 

 

 

 

Cartier (8)
内側を見ると長年大切に活用されてきたことがわかります。
擦れや傷や汚れは各部に見られますが使用年数を考えると良好ですね。

 

 

 

 

 

Cartier (9)
今回はリニューアルリペアですので内側部材の傷や擦れだけでなく、
各部に強化加工も施し強度アップさせます。

 

 

 

 

 

Cartier (11)
他店様の修理で張り合わせてあった革を取り外したところです。

 

 

 

 

 

Cartier (12)
同じように外面に薄い革を張り合わせて縫製するだけなら楽なんですが、
擦り切れ穴を目隠しすることができても強度アップさせることができません。

 

 

 

 

 

Cartier (13)
大きく解体してみましたが折り曲げ部に芯材などは入れられていませんでした。
この部分に強化芯材を入れ込んで擦り切れ穴を塞ぎながら縫製します。

 

 

 

 

 

Cartier (14)
外面全体の汚れを出来る限り取り除いたところです。

 

 

 

 

 

Cartier (15)
エンボス加工で出っ張ったカルティエのマークは擦れやすいので、
汚れを取り除くと現状の姿が鮮明です。

 

 

 

 

 

Cartier (16)
この辺りもスレスレ。

 

 

 

 

 

Cartier (17)
折り曲げ部も現状の状態がハッキリしました。

 

 

 

 

 

 

Cartier (18)
こちら側も同様に。。。。

強化加工は施されていない折り曲げ部の修理歴ですが、
高い技術で加工されていましたので本体に致命的なダメージはありません。

 

 

 

 

 

Cartier (19)
札入れポケットなども内張りを剥がして強化芯材を入れ込み縫製します。

 

 

 

 

Cartier (20)
汚れや擦れなどを改善させながら各部に強化加工をほ施し、
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

Cartier (21)
コーナー金具も新品時より厚い本メッキでピカピカです。

 

 

 

 

 

Cartier (22)
革の劣化でガサガサだった天部も出来る限り改善させながら、
全体を本来のワインカラーに復活させています。

 

 

 

 

 

Cartier (23)
各部の強化加工や補修補色加工で気持ちよくご愛用いただける状態です。
しかし、長年活用してきた古い財布であることに変わりありませんので、
出来る限り丁寧に使用しながら大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

ブログを拝見させて頂きました。

今まで大切にしてきましたが
普段使いのモノでしたので丁寧には
扱っておりませんでした。

分解写真を見て
相当に痛めていたと痛感しました。

完了写真を見て
20年前の感激した気持ちを
思い出しました。
丁寧に大切にしていきます。
有難う御座います。

 

大阪府 Y 様

財布やバッグを大切に長く活用することは、
簡単なようで難しいことです。

また、手放したくないと思える品に出会うことは、
もっと難しいです。

出来る限り長くご愛用いただけるように、
加工していますので、引き続き大切にご愛用ください。

イヴサンローラン財布の修理

ysl (1)
イブサンローランのジッピーウォレットです。

 

 

 

 

 

 

ysl (2)
手紙をデザインした外面は表面が波打って変形しています。

 

 

 

 

 

ysl (3)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

ysl (4)
後面も波打ちが見られますがプリントがないので画像ではわかりにくいです。

 

 

 

 

ysl (5)
変形を補正するとなると解体して内側の芯材を取り除く必要が・・・・

 

 

 

 

 

ysl (6)
今回は加工しませんが折り曲げ部に軽微な擦れが見られます。

 

 

 

 

 

ysl (7)
収納力が高く便利に使えるのがジッピーウォレットの利点。
柔らかな革で作成された内部材は擦れや色褪せが見られます。

 

 

 

 

 

ysl (8)
擦れやすい各部材の天部は表皮が剥がれています。

 

 

 

 

ysl (9)
表皮が剥がれた部分が目立ちますが全体に色褪せも見られます。

 

 

 

 

ysl (10)
同様に。。。。

カード類など中身の出し入れですれてしまうので、
使用していれば避けようのない損傷です。

内側ですので気にしなければ機能的には問題ありませんが、
今回は芯材交換で解体しますので内部材の補修補色加工も施します。

 

 

 

 

 

ysl (11)
内部材を取り外すと外面部材には数種類の芯材が入れられていました。

 

 

 

 

 

ysl (12)
全ての芯材を取り除いたところです。

強化芯材に入れ替えながら波打ち変形を補正して組み立て直します。

 

 

 

 

 

ysl (13)
内部材の革パーツを補修補色加工しました。
加工前の画像と見比べなくても黒味がアップしていることがわかります。

 

 

 

 

 

ysl (14)
スレスレだった各パーツの天部も同様に。。。。

 

 

 

 

ysl (15)
小銭入れの引手革は丈夫に新品作成しています。

 

 

 

 

ysl (16)
芯材交換が完了し波打ちで読みづらかった文字も変形が無くなりスッキリ!
しかし、最大のメリットは構造的に丈夫になっていることだと思います。
今回は芯材を4層構造で作成していますので構造上は頑丈です。

丁寧に使用されていますが外面素材や内部材の革は、
とてもデリケートな素材です。

出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

 

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ブルックリン財布の修理

brooklyn (1)
ブルックリンの二つ折り財布です。

オイル(脂分)をコードバン革に浸透させた素材で作成された財布なんですが、
すでに革からはオイル分が抜けて革が乾燥している状態です。

 

 

 

 

 

brooklyn (2)
折り曲げ部がV字型に欠損しています。

周囲の状態から擦り切れて欠損したのではなく革が乾燥して、
サクサク状態になっていることが要因の一つだと思われます。

 

 

 

 

 

brooklyn (3)
この辺りの亀裂も革が乾燥してサクサク状態なのが原因です。

 

 

 

 

 

brooklyn (4)
縫製糸の絞まりで革が切れてしまいステッチが見えない部分があります。

革の乾燥が激しいために縫製糸で革が切れてしまった症状ですね。
ステッチはホツレていませんので革の中でつながっています。

 

 

 

 

 

brooklyn (5)
角部も革がステッチで切れています。

内部材の厚みが変わる部分ですので慎重に縫製する部分ですが、
生産時の縫製に問題があったようで縫い幅が極端に狭くなっています。

このようなステッチでは革の乾燥に関係なく針穴で切断されたようなものです。

 

 

 

 

 

 

brooklyn (6)
内側を見ても丁寧に活用されている印象です。

 

 

 

 

 

brooklyn (7)
札入れの仕切りとカードポケットの2段目は革が欠損しています。

 

 

 

 

 

brooklyn (8)
小銭入れのマチもステッチのラインで切れています。

 

 

 

 

 

brooklyn (9)
反対側のマチも切れています。

 

 

 

 

 

 

brooklyn (10)
革の乾燥で亀裂や欠損が各部に見られますので、
各パーツに強化加工して丈夫にするリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 

brooklyn (11)
札入れの仕切りパーツを剥がして裏側から見てみると・・・・

 

 

 

 

 

brooklyn (12)
片面は本革で糸が飛び出た黒い方は合成皮革です。

合成皮革素材はベタ付き劣化の心配がありますので本革で作成し組み立てます。

 

 

 

 

brooklyn (13)
合成皮革部材は本革仕様になり、リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

brooklyn (14)
折り曲げ部の欠損は復元強化加工で再生しながら強度アップしています。

 

 

 

 

 

brooklyn (15)
反対側の折り曲げ部も強化して外周はコバ仕上げ直しでスッキリです。

 

 

 

 

 

brooklyn (16)
ポケットの欠損部も復元しながら各パーツには強化加工を施しています。

 

 

 

 

 

brooklyn (17)
使い込んだ風合いを楽しむ財布ですので、あえて補色加工はせずに仕上げました。
化粧加工していませんので見た目に大きな変化は感じませんが、
財布を手にするだけで強度アップしていることがわかると思います。

小銭入れのマチだけでなく、カブセの折り曲げ部などまで強化していますので、
構造的には新品時より頑丈になっています。

しかし、乾燥した革には保湿クリームなどでメンテナンスしながら、
少しでも良い状態に改善させて活用されることをお勧めします。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

 

(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション 担当者様

本日、財布の方が届きました。
10年使ってボロボロでしたが、復元強化の名前通り
持ってすぐに前よりがっしりとしてるのが分かる仕上がりで、
お願いして良かったです。
ブログも拝見しました。
御指摘された通り、10年ほぼノーメンテナンスでしたので、
次の10年は定期的にケアしながら大切に使わせていただきます。
10年後、
まだ買い替えたい財布が見つかってなかった時はよろしくお願いします。
ありがとうございました。

 

広島県 S 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
長く使い続けたいと思える財布やバッグに出会えることは、
多くありませんので、これまで以上に丁寧に活用しながら、
大切に長くご愛用ください。

プラダ バッグの修理

prada messenger (1)
プラダのメッセンジャーショルダーバッグです。

 

 

 

 

 

prada messenger (2)
両サイドにはファスナーとカブセが付いたセキュリティ万全のポケットがあります。

 

 

 

 

 

prada messenger (3)
カブセはマグネットでロックするタイプですが、
こちら側のポケットはバックル金具を紛失されていてマグネットロックできません。

 

 

 

 

 

prada messenger (4)
カブセを開くとファスナーも裂けていますので要交換です。

 

 

 

 

 

prada messenger (5)
反対側のポケットも同様に。。。。。

 

 

 

 

 

prada messenger (6)
本体天部のファスナーも開閉不可能状態ですので要交換。

頻繁に使用するファスナーは消耗しますので避けようのない損傷ですね。

 

 

 

 

 

 

prada messenger (7)
前面の大きなカブセの2本のベルトですが右側ベルトに損傷が見られます。

 

 

 

 

 

prada messenger (8)
裏側から見ると革の欠損も見られ重症です。

 

 

 

 

 

prada messenger (9)
ショルダーベルトの付け根革にも損傷が見られます。

 

 

 

 

 

prada messenger (10)
芯材もボロボロで欠損しています。

 

 

 

 

 

prada messenger (11)
内張りのヤブレはプラダの定番トラブルです。

 

 

 

 

 

prada messenger (12)
ボロボロになった芯材を取り外して強化します。

 

 

 

 

prada messenger (13)
交換するファスナー3か所と内張りを取り外したところです。

 

 

 

 

 

prada messenger (14)
今回は内張りの縫い合わせ部は全体的に強化します。
内張りを全体的に強化することでバッグ全体の耐久性がアップします。

大きなバッグには有効な加工で安心して活用いただけるようになります。

 

 

 

 

prada messenger (15)
ファスナー交換と内張り全体強化加工の完了です。

 

 

 

 

 

prada messenger (16)
付け根革も芯材を交換して組み立て完了です。

 

 

 

 

 

prada messenger (17)
両サイドのファスナー交換も完了。

 

 

 

 

 

prada messenger (18)
カブセのマグネットロックもパーツ作成で使用可能になりました。

 

 

 

 

 

prada messenger (19)
切れていた右側のベルトも復元強化加工で復活しました。
加工していない左側のベルトより丈夫になっています。

 

 

 

 

 

prada messenger (20)
裏側から見ても復活しています。

 

 

 

 

prada messenger (21)
各部に損傷が出るまで使い込まれたバッグですが、
内張りの全体強化加工や損傷部のメンテナンスで復活しました。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

 

(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション 御中

お世話になりました、〇〇〇です。
お礼が遅くなりましたが、ありがとうございました!
ブログも読みました。
おかげさまで、向こう10年間はまた使えそうです。
自分にとっては使い勝手のいい鞄であり、
かつ気にいっているものなので、本当に助かりました。
10年後辺りにまた依頼できればと思っております。
天候の優れない日々が続きますが、どうぞご自愛くださいませ。
レザークリエーションの皆様の益々のご健勝を心よりお祈りしております。

千葉県 I 様
お受け取りのご連絡ありがとうございました。
便利に使えるだけでなくお洒落な良いバッグです。
内張りの全体補強は長く愛用いただくためには有効な加工で、
安心して長く活用することができる状態です。
大切に長くご愛用ください。

セリーヌ財布の色褪せ

celine (1)
セリーヌの長財布です。

 

 

 

 

 

 

celine (2)
外面全体に色落ちが見られます。

この革素材は色落ちや色褪せしやすい革のようで、
ベロ革で隠れて擦れることが少なく紫外線も当たり難い
凸ホックの周囲は元の色が残っています。

 

 

 

 

 

celine (3)
外面と比較すると内側は綺麗な状態ですが新品時よりは色褪せています。

 

 

 

 

 

celine (4)
ベロ革は金具の出っ張りで擦れにくい先端部は色落ちが少なく、
ベロ革の折り曲げ部は革色がわからないほどです。

 

 

 

 

 

celine (5)
色落ちが軽傷なベロ革の先端部も内側部材と比較すると、
同じ財布とは思えないほど変色しています。

外面全体の色落ちが激しく使用しづらい状態ですので、
補修補色加工で外観を整える加工を施します。

 

 

 

 

 

celine (6)
ベロ革と内部材を比較しても違和感がないように補修補色加工で復活です。

内部材も小傷や擦れを補修しておきました。

 

 

 

 

celine (8)
後面も色褪せや色むらがなくなりスッキリです。

 

 

 

 

 

celine (9)
色褪せや色落ちしやすい革であることに変わりはありませんが、
コーティング加工も施すなど紫外線の対策を施しています。

デリケートな素材ですので綺麗な状態を保ち続けるのは難しい素材ですが、
構造的には丈夫で長く愛用できる財布です。

大切に長くご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

 

(お手紙紹介です)

昨夜、財布を確認しました。
ブログも見ました。

すっかり綺麗になって見違えました。
コーティングもありがとうございます。
ずっと使っていきたいので
工夫してもらえて嬉しいです。

あと〇〇〇〇〇までありがとうございました。
早速使わせてもらっています。

またメンテナンスするときは是非お願いしたいです。
ありがとうございました。

和歌山県 K 様

お受け取りのご連絡ありがとうございました。
デリケート素材であることに変わりがありませんが、
構造的には頑丈に仕上げられた良い品です。
大切に長くご愛用ください。

ゴルチェ財布の修理

Jean Paul GAULTIER (1)
Jean-Paul-GAULTIER(ジャン ポール ゴルチェ)の財布です。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (2)
折り曲げ部は革が擦り切れて穴が空いた状態です。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (3)
こちら側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (4)
折り曲げ部と同様に擦れやすい角部も革が擦り切れて穴が空いた状態です。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (5)
こちらの底角も同様に。。。。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (6)
カブセの角も同様に。。。。。

両側の折り曲げ部は負担が掛かる部分ですので復元強化加工を施し、
角部6か所は補修補色加工で見た目を整えます。

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (7)
折り曲げ部の復元強化加工の完了です。

擦り切れて破れたテーピング革は部分的に作成交換しながら強化しています。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (8)
折り曲げ部を内側から見たところです。

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (10)
角部は擦り切れヤブレを補修して表面を整えた後、補色加工しています。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (11)
財布ですので折り曲げ部や角部の損傷は避けることができませんが、
その辺りに注意を払いながら良い状態を保てれば、
長く愛用することができます。

大切に長くご愛用ください。

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