オータクロア雨シミ

natural leather hermes (1)
塗装されていないナチュラルレザーのエルメス オータクロアです。
最近のオータクロアはバーキンと同じ金具で少し縦長なだけです。

 

 

 

 

 

natural leather hermes (2)
日焼けで変色して汚れも染み込みやすい素材です。

良い状態を保つための取り扱いが難しいナチュラルレザーは革好きな方が、
新品時から頻繁にお手入れを繰り返しながら革を育て上げる上級者向けの素材です。

 

 

 

 

 

natural leather hermes (3)
塗装などの化粧加工が施されていない革は脂分が抜けやすく、
柔軟性が低下して、ひび割れも発生しやすいです。

 

 

 

 

natural leather hermes (4)
劣化した革の柔軟性が戻ることはありませんが、
表皮が擦れて白くなった部分やひび割れ部は、
出来る限り表皮を整えなければ補色することができません。

 

 

 

 

natural leather hermes (5)
底角など外周には擦れや汚れが多数見られます。

 

 

 

 

natural leather hermes (6)
バッグ全体には雨シミがあり持ち歩きにくい状態です。

 

 

 

 

natural leather hermes (7)
カブセも全体的にシミがあります。

 

 

 

 

natural leather hermes (8)
擦れや汚れが多数見られ、全体に雨シミがありますので、
汚れを出来る限り取り除いたあと擦れ部を補修して外面を補色加工します。

 

 

 

 

natural leather hermes (9)
持ち手に染み込んだ手垢汚れや脂汚れを取り除いてみると、
傷みやすい持ち手の擦れ具合が鮮明になりました。

 

 

 

 

natural leather hermes (10)
底角付近も同様に。。。。

 

 

 

 

natural leather hermes (11)
表皮が剥がれた部分は白くなり革の繊維が露出していますので、
補修してから補色加工を施します。

 

 

 

 

 

 

natural leather hermes (12)
汚れを取り除いても日焼けによる変色や雨シミは取り除けません。

 

 

 

 

 

natural leather hermes (13)
同様に。。。。

 

 

 

 

natural leather hermes (14)
ナチュラルレザー色で外面の補修補色加工を施し雨シミや擦れを消しました。

 

 

 

 

natural leather hermes (15)
同様に。。。。

 

 

 

 

natural leather hermes (16)
薄い色の革ですが出来る限り塗膜を薄く仕上げています。

 

 

 

 

 

natural leather hermes (17)
持ち手などコバ面も仕上げ直してスッキリ。

 

 

 

 

natural leather hermes (18)
雨シミも目立たなくなり活用いただける状態に改善していますが、
劣化した革が新品に戻ったわけではありません。

ナチュラルレザーは汚れや雨などが染み込んでシミになりやすく、
塗装されていないので擦れてしまうと表皮が剥がれやすい素材ですが、
今回の加工で汚れが染み込みにくくなり扱いやすくなっています。

 

 

 

 

 

natural leather hermes (19)
持ち歩きにくい状態でしたが見た目が改善して、
再び活躍してくれる状態に復活しました。

丁寧に取り扱えば、まだまだ活躍してくれますので、
大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
レザークリエーション 御中

この度は本当にありがとうございました。
先ほどブログを拝見させていただきました。
こんなに色々な所がひどい状態だったんだと、改めて思いました。
そんな状態から、とても綺麗な状態にしていただき、本当にありがとうございました。
これから長く使えるように、大切に使いたいと思います。
そして、傷みが目立つようになりましたら、早めに修理をお願いしたいと思っております。
その際はどうぞよろしくお願い致します。

本当にありがとうございました。

広島県 T 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
少し残念な状態のバッグたちでしたが、
丁寧に取り扱うことで、しばらくは頑張ってくれると思います。
一度は活用不可能な状態になったバッグであることを考慮しながら、
出来る限り良い状態を保てるようにご愛用ください。

型崩れバーキン

birkin (1)
カブセを閉じても前に倒れてしまう状態のエルメス バーキンです。

折れ癖を解消させるため
前面を解体して芯材を入れ込み、しっかりと自立するようにします。

 

 

 

 

birkin (2)
底角など各部に擦れが見られます。

 

 

 

 

birkin (3)
こちらの底角もスレスレ。

 

 

 

 

birkin (4)
持ち手はコバの塗料が剥がれただけでなく芯材が剥離しています。

 

 

 

 

birkin (5)
クローシュの革紐もコバ塗料が剥がれて革が剥がれています。

 

 

 

 

birkin (6)
センターのロック金具のヒネリ部が緩くなりグラグラしています。

 

 

 

 

 

birkin (7)
土台の金具とアンテナ部に隙間ができるとグラツキが出て緩くなります。
抜け落ちて紛失する前に加工しておくことが賢明です。

 

 

 

 

 

birkin (8)
天然の革にエンボス加工した革ですので折れ部の小ジワまでは取れませんが、
マチ部材にまで悪影響が出ている大きな変形は改善したいと思います。

内縫いタイプのバーキンは全体の柔らかな雰囲気も重要ですので、
入れ込む芯材も柔軟性のある芯を選択してパキパキにならないようにします。

 

 

 

 

birkin (9)
前面の内張りを解体したところです。

 

 

 

 

birkin (10)
擦れ部に染み込んだ汚れを取り除きました。
革の表皮が剥がれて繊維が毛羽立った状態ですので補修加工が必要です。

 

 

 

 

birkin (11)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

birkin (12)
底面の外周もスレスレ。

 

 

 

 

 

birkin (13)
マチ部材まで変形していましたが前面の強化加工で、
カブセを開いた不安定な状態でも自立するようになりました。

 

 

 

 

birkin (14)
クローシュの革紐はステッチがない両側の先端を一度剥がして接着し直します。

 

 

 

 

birkin (15)
補修補色加工やコバ面の仕上げ直しも施しました。

 

 

 

 

birkin (16)
ロック金具のグラつきもなくなり再生加工の完了です。

カブセを開いたまま使用して先端に重たいカデナ(南京錠)をぶらさげていると、
ヒネリ部の付け根に負担が掛かり緩みやグラツキが出やすいです。

 

 

 

birkin (17)
底角や底面外周の擦れも補修補色加工の完了です。

 

 

 

 

 

birkin (18)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

birkin (19)
持ち手や天部のコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 

 

birkin (20)
保管時にバスタオルなどで詰め物をしておくと型崩れ防止になります。

クタァ~とした印象のバーキンでしたが自立するようになると、
やっぱりカッコいい鞄だと思います。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
レザークリエーション 御中

この度は大変お世話になっております。
先ほどバッグを受け取りました。
大変素晴らしく修理をしていただき、ありがとうございました。
使えないような状態だったバッグを、
とても綺麗に素敵に加工修理をしていただき、
大変感激しております。
これからは、丁寧に扱い、保管にも気をつけて、
大切に大切にそしてどんどん使いたいと思っております。
また〇〇〇〇〇の〇〇〇〇〇、ありがとうございます。
大切に使わせていただきます。
今まで、メールでの迅速で丁寧なご対応ありがとうございました。
大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。

広島県 T 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
少し残念な状態のバッグたちでしたが、
丁寧に取り扱うことで、しばらくは頑張ってくれると思います。
一度は活用不可能な状態になったバッグであることを考慮しながら、
出来る限り良い状態を保てるようにご愛用ください。

クロコ革のケリー

hermes crocodile (1)
エルメス クロコダイル革のケリーバッグです。
30年以上前のバッグですがピカピカしています。

 

 

 

 

 

hermes crocodile (2)
後面もピカピカ。。。

 

 

 

 

 

hermes crocodile (3)
ピカピカして綺麗な外面ですが持ち手の付け根が切れています。

 

 

 

 

hermes crocodile (4)
バッグの重さが集中するロック金具のヒネリもグラグラ。
長く活用したケリーバッグやバーキンでは定番の損傷です。

ヒネリ金具が緩んでいる方は抜け落ちて紛失しないように、
早めの対策が肝心です。

 

 

 

 

 

hermes crocodile (5)
古い品だけに付属パーツも損傷が見られます。

 

 

 

 

 

hermes crocodile (6)
革紐の両側の先端が切れて使用不可能な状態です。

今回、ご依頼いただきました
持ち手の付け根切れやロック金具のぐらつきやクローシュの革紐の切れは、
外面全体のピカピカした状態とは対照的に、
年代を感じさせる通常使用の損傷が見られます。

 

 

 

 

hermes crocodile (7)
持ち手は大きくフ割れした部分を補色した上から、
全体的に透明の樹脂塗料を塗っているようです。

 

 

 

 

 

 

hermes crocodile (8)
この辺りも同様に。。。。

 

 

 

 

hermes crocodile (9)
底角の擦れやコバ面も加工した形跡があります。

ご依頼者も譲り受けられたバッグとのことで、
ご報告はありませんでしたが他店様にて加工済みのバッグのようです。

 

 

 

 

 

hermes crocodile (10)
30年使用したバッグですので各部にホツレを縫い直した形跡が見られますが、
底面だけは大きく本体の解体が必要になりますので縫い直しされていません。

 

 

 

 

hermes crocodile (11)
この辺りも同様に。。。。

底面の縫い直し加工は大がかりになりますので、
大きく解体が必要になった時に、しっかりと縫い直すのが、
費用対効果を考えると最善のタイミングです。

ただ、このバッグの場合は縫製糸に樹脂が染み込んでいますので、
解体が困難な状態です。

 

 

 

 

hermes crocodile (13)
傷みが出やすいカブセの付け根も縫い直しされているようです。

塗装で見た目は改善させていますが、
当社での修理のような強化加工は施されていませんので、
長年使用した強度のままです。

 

 

 

 

hermes crocodile (14)
負担が掛かる持ち手の付け根を復元強化加工するために解体。

 

 

 

 

hermes crocodile (15)
樹脂で固まった糸を取り除くのに苦労しましたが、
これで、芯材交換が可能です。

 

 

 

 

hermes crocodile (16)
クロコ革の欠損も見られます。

 

 

 

 

hermes crocodile (17)
欠損部や切れ部を再生しながら、強化芯材を入れ込んで組み立て直します。

 

 

 

 

 

hermes crocodile (18)
内張りを剥がしてロック金具の取り付け部を内側から見たところです。
古き良き時代のエルメスであることが本革の芯材からもわかります。

 

 

 

 

hermes crocodile (19)
取り外したクローシュの革紐と持ち手の両側付け根の傷んだ芯材です。

*画像の黒いテープのようなものは他店様で塗られたコバの塗料です。
テープを剥がすようにコバの塗料が剥がれてしまいますので、
外周などコバ面が擦れないように注意が必要です。

 

 

 

 

hermes crocodile (20)
丈夫な芯材を入れ込み復元強化加工の完了です。

 

 

 

 

hermes crocodile (21)
負担が掛かる持ち手の付け根は新品時より丈夫に復活です。

 

 

 

 

hermes crocodile (22)
使用していれば緩みが出るヒネリ金具は少し硬いめに再生して、
グラつきがない状態に再生しています。

クローシュも使用できるようになり、
持ち手の付け根同様に強度を上げながら再生しています。

当社で加工した部分は新品時より丈夫に仕上げていますが、
古い品ですので労わりながら大切にご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
レザークリエーション様

お世話様です。
本日、無事に受け取りました。
ありがとうございました。
また、HPも拝見し、衝撃!の事実もわかり、
今では知ることのできないバックの歴史を紐解いていただきました。
ハンドルは強化されたということで、安心して、大事に使っていきたいと思います。
修理履歴で、かなりご苦労されたとのことですが、
このバックに何かあれば、御社しか頼れないと思いますので、
その際は是非是非、よろしくお願いします。
ありがとうございました。

東京都 O 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
バッグの状態を把握することで、
その辺りを考慮しながら使用することができます。
良い時代に作成された最高品質時代のバッグですので、
大切に長くご愛用ください。

エルメス財布の修理

lizard bearn Three fold (1)
エルメス三つ折りのベアンとリザード革のベアンです。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (2)
素材に関係なくベアンではベロ革が傷みやすい個所になります。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (3)
折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (4)
全体的に色褪せてグレーのように見えます。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (5)
古い品ですので内部材にも擦れや色褪せがあります。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (6)
シールを剥がしたような跡も・・・

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (7)
小銭入れの中は全体的にコインの汚れが付着しています。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (8)
三つ折りベアンも損傷が激しく持ち歩きにくい状態です。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (9)
表皮が剥がれて革の繊維が露出した部分に汚れが染み込んでいます。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (10)
同様に。。。。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (11)
外面が酷い状態ですので内部材が綺麗に見えてしまいますが、
内部材も全体的に擦れや汚れが見られます。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (12)
小銭入れの中も同様に。。。。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (13)
中折れタイプのマチは損傷が出にくい部分なんですが、
ボールペン汚れや擦れなどが見られます。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (14)
財布の折り曲げ部は傷みやすい部分で避けられない損傷です。

今回はどちらの財布も重傷ですので解体してリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (15)
リザード革のベアンから解体。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (16)
ポケットの中にはセロテープ。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (17)
リザード革には芯材とし高価なボックスカーフが張り合わせてあります。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (18)
汚れを取り除いてみると内部材もスレスレ状態であることが鮮明です。
外面のリザード革も黒とは呼べない状態です。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (19)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (20)
ベロ革も解体。
リザード革に欠損も見られ古き良き時代の良品だけに残念です。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (21)
三つ折りベアンもバラバラ。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (22)
こちらの財布には芯材が使用されていません。

折り曲げ部だけでなくH金具の取り付け部やベロ革の取り付け部も、
強化加工を施しておきます。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (23)
全体の汚れを取り除いたところです。

最近のベアンですが高価な品だけに、
もっと早い段階でメンテナンススしていればと・・・残念な状態です。

擦れ部を補修して整えた後、各部に強化加工を施して組み立て直します。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (24)
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (25)
小銭入れの中も綺麗になり気持ちよく使用いただけます。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (26)
マチ部材のボールペン汚れや擦れも消えました。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (27)
外面も擦れや汚れが目立たなくなっています。

しかし、折り曲げ部などの強化加工で耐久性がアップしていることが、
リニューアルリペア加工の最大のメリットです。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (28)
リザード革のベアンもリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (29)
傷みが激しかったベロ革も強化しながら組み立てています。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (30)
内部材の擦れもなくなり小銭入れの中も綺麗に復活させています。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (31)
折り曲げ部も強化しながらコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (32)
黒革リザードのベアンとしてエルメスらしさが復活して、
各部の強化加工で耐久性ももアップしています。

 

 

 

 

 

lizard bearn Three fold (33)
残念すぎる状態のベアンでしたが、引き続きご愛用いただける状態に復活しました。

しかし、重症化するまで使い続けるよりも早めのメンテナンスを施す方が、
財布やバッグは良い状態を保ちながら長く使用することができます。

出来る限り丁寧に取り扱いながら大切に長くご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション
ご担当者様

お世話になっております昨日、復活したベアンを受け取りました!
ありがとうございます!

あんなに汚れてボロボロだった黄色のベアンが、ここまで復活するとは、
信じられない位綺麗に新品のようになって帰って来てくれて、
正直びっくりしております。

また、黒のリザードは20年以上前に父からのプレゼントされた物でしたので、
当時のように綺麗になって戻ってきてくれて、本当に嬉しいです。
メンテナンスでここまで復活するならば、
他の皮製品もお願いしたいと思いますので、
またその際にはご連絡させて頂きたいと存じます。

また、可愛らしい〇〇〇〇〇もありがとうございます。 
早速使わせて頂きたいと思います。

一つ質問させて頂きたいのですが、
エルメスのケリーバッグの外縫いを内縫いにする事は可能なのでしょうか?
どうぞよろしくお願い申し上げます。

東京都 I 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
どちらの財布もエルメスですので良い品ですが、
とくに、リザード革のベアンは古い品だけに、
素材も良く、腕の良い職人が作成した最高品質時代の品です。

大切に長くご愛用ください。

*ケリーバッグを内縫いにすることは可能ですが、
サイズが変わりますので全体のフォルムに違和感が出る可能性があります。
外縫いの方が高価ですし耐久性も高いので、
全体の雰囲気を崩してまで内縫いにすることはお勧めしません。

ボリード染め直し

bolide (1)
本来は最高品質時代のエルメスのボリードです。

 

 

 

 

bolide (2)
付属品も綺麗に見えますが・・・・

 

 

 

 

 

bolide (3)
持ち手は、ひび割れや表皮の剥離欠損が見られます。
しかし、他店様で塗装されているため亀裂に塗料が浸透しているようです。

持ち手や各パーツのコバ面も表皮と同一の塗料で塗装されているだけのようです。

 

 

 

 

 

bolide (4)
バッグを傷つけずに使用するのは不可能ですので各部に小傷が見られます。

塗装された紺色の塗料が剥がれ、反対色の白っぽい色が露出していますので、
小さな傷でも目立ってしまいます。

 

 

 

 

bolide (5)
ファスナーステッチの外周も擦れて反対色が露出して目立ちます。

同系色での染め直しなら傷が付いても目立ちませんので、
小傷程度なら気にせずに愛用することができます。
しかし、反対色にしてしまうと小さな傷でも目立ってしまいます。

当社ホームページに「色変えはしないで!」と記載しているのは、
この辺りが理由です。

 

 

 

 

bolide (6)
ファスナーの布地も塗装されているようです。

色変えするとベージュ系のファスナーでは似合わなかったために、
ファスナーの布地まで塗装したようです。
元の革色と同系色で塗装していれば必要なかった加工ですね。

 

 

 

 

bolide (7)
擦れやすい底面付近も元色が露出。

 

 

 

 

 

bolide (8)
底角も同様に。。。。

塗装されてからの使用回数も少ないようで小さな傷ばかりですが、
あちらこちらに小傷が発生してくると元色が露出して傷が目立ち、
使用するのが嫌になってしまいます。

 

 

 

 

 

bolide (9)
残念ながら当社では他店様でどのような加工が施されているのか?
どのような塗料や染料が使用されているのか?
何より加工前のバッグは、どのような状態だったのか?

すべてがわからない状況です。

 

 

 

 

 

 

 

bolide (10)
ファスナーは内側からも塗装したようですが・・・・

 

 

 

 

bolide (11)
内張りの天部付近には粘着テープを剥がした跡が鮮明です。

 

 

 

 

bolide (12)
ファスナーを塗装するときに内張りを汚さないように、
粘着テープでカバーして加工したようですが革の表皮が剥がれてしまい、
逆効果だったようです。

 

 

 

 

bolide (13)
今回はファスナー交換と外面の補修補色加工を承りましたので、
他店様の塗装を取り除いてみることからスタートです。

 

 

 

 

bolide (14)
傷や毛穴などに染み込んだ塗料は完全に取り除くことは不可能ですが、
出来る限り塗料を取り除いてみました。

 

 

 

 

bolide (15)
後面や付属パーツも同様に。。。。
塗装されて汚れたファスナーが目立ちます。

 

 

 

 

 

bolide (16)
表皮には傷や亀裂などが多数見られ他店様の塗料が入り込んでいます。

製造年代から考えても長年酷使されたバッグのようで、
塗装修理したくなった気持ちがわかります。

 

 

 

bolide (17)
この辺りも亀裂には塗料が入り込んでいます。

底角は擦れて革の繊維が毛羽立って表皮が存在しないほど重症です。
でも、逆に他店様の塗料は取り除きやすかったです。

本当は表皮がある方が良いですが・・・・

 

 

 

 

 

 

bolide (18)
こちらの底角も同様に。。。。

表皮の亀裂や毛穴などに濃い色の塗料が染み込んでいることが悔やまれます。

 

 

 

 

 

 

bolide (19)
同様に。。。。

表皮が剥がれ革の繊維が毛羽立った部分は補修して表面を整えなければ、
補色することができません。

 

 

 

 

 

bolide (20)
ファスナーの引手革は元色も剥がれて手の脂分が染み込んでいます。

傷みやすい部分で亀裂も見られ丁寧な取り扱いが必要な状態です。
新品時から金具部分を摘まんでファスナーを開閉するようにするのが、
革の引手を必要以上に傷めずに良い状態を保つ秘訣です。

 

 

 

 

 

bolide (21)
持ち手も擦れが重傷です。

 

 

 

 

 

bolide (22)
残念な持ち手ですがステッチ付近は擦れにくいので元の色が残っています。
この辺りの色合いを参考に補色加工を施します。

 

 

 

 

bolide (23)
他店塗料の取り除きと外面の補修補色加工の完了です。

 

 

 

 

 

bolide (24)
底角などの擦れ部やひび割れ部は補修加工を施してから塗装しています。

 

 

 

 

bolide (25)
持ち手も同様に。。。。

 

 

 

 

 

bolide (26)
ファスナー交換で開閉もスムーズですが引手革を長持ちさせるためにも、
金具部分を摘まんで開閉してください。

 

 

 

 

bolide (27)
付属パーツも補修補色してコバ面も仕上げ直しました。

 

 

 

 

 

bolide (28)
他店様の塗料を取り除くと予想を遥かに超える傷み具合に驚きました。
今回は元色と同系色で補色していますので傷が付いても反対色が露出することなく、
扱いやすくなっています。

丁寧に活用しながら次回のメンテナンスのタイミングで、
各部の強化や縫い直し加工など構造面もメンテナンスするのが良いと考えます。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

ブランドリペア職人様

こんにちは。以前こちらのバッグをお願いしたものです。
実家の方に送っていただいたため、実物を見るのが遅くなり、
御礼が遅れましたこと申し訳ありません。
やっと拝見しました。
感激しました!
また、ブログの記事を読み、
このように心を込めて修理をしていただいた事も大変嬉しく思います。

往年の鞄に戻ったと、母も喜んでおりました。
他にも色々と古い物があります。注文受注開始を心待ちにしております。
よろしくお願いいたします。

香港 E 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
傷みが激しい状態から反対色に色変えされたバッグでしたが、
本来の色と同系色に戻しましたので、
小傷なら目立たずに愛用いただけると思います。

見た目は改善していますが長年使用されたバッグであることに、
変わりはありませんので丁寧に取り扱いながら、
大切に長くご愛用ください。

革のガーデンパーティ修理

garden party   leather (1) 
本革仕様のエルメスのガーデンパーティです。
全体に損傷が激しく、とても残念な状態です。

 

 

 

 

garden party   leather  (2)
全体に色褪せが見られますが出っ張った帯革は特に擦れやすいので、
縫製糸までスレスレです。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (3)
こちらの帯革も同様に。。。。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (4)
持ち手の付け根も擦れやすい部分ですが重症です。

 

 

 

 

garden party   leather  (5)
持ち手の外面革が伸びていて芯材が抜けているようです。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (6)
擦り切れて穴が空いた部分も見られます。

厚みがある上質な革が使用されたエルメスのガーデンパーティですが、
ここまで酷使すると基本的には手遅れ状態です。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (7)
底角も擦り切れて大きな穴が空いています。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (8)
同様に。。。。

 

 

 

 

garden party   leather  (9)
残念すぎる状態まで酷使され基本的には手遅れとも言える状態ですが、
外面にリニューアルリペア加工を施して活用いただける状態に復活させます。

 

 

 

 

garden party   leather  (10)
持ち手は芯材交換が必要ですがコバ塗料も剥がれて、
手垢汚れも染み込んでいます。

 

 

 

 

garden party   leather  (11)
シンプルな構造が便利で使用頻度が高くなる良いバッグです。

今回は外面のみの加工ですが内底の波打ちからも、
突然の雨などで濡れた経歴があるようです。

画像には映りにくい程度ですが表皮の赤い色が内布に滲み出た部分もあり、
汚れも見られますが人目に触れない内側ですし構造的には問題ありません。

 

 

 

 

garden party   leather  (12)
底角などにホコリが溜まっていましたので裏返して清掃しておきました。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (13)
染み込んでいた汚れを取り除いてみると擦れ具合が鮮明です。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (14)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (15)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (16)
持ち手は重症すぎます。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (17)
底周りのパイピング革もスレスレ。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (18)
天部テーピング革も同様に。。。。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (19)
底角は解体して内側から強化芯材を入れて穴を塞ぎます。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (20)
持ち手も解体。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (21)
短い持ち手を無理やり肩に通して使用すると持ち手が伸びてしまい、
芯材の寸法が足らなくなります。

 

 

 

 

garden party   leather  (22)
擦れた部分は革の繊維が毛羽立っていますので表面補修して整えた後、
補色加工を施します。

 

 

 

 

garden party   leather  (23)
外面のリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (24)
擦り切れて穴が空いた部分も部分的に復元強化加工を施して再生しています。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (26)
穴が空いた持ち手の付け根も同様に。。。。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (27)
帯革の擦れや色褪せも目立たなくなりホツレも縫い直し完了。

 

 

 

 

 

garden party   leather  (28)
持ち歩けないほど重症で直営店などでも対応不可能なガーデンパーティでしたが、
なんとか活用いただける状態に改善しています。

革製品はお手入れやメンテナンスを繰り返しながら愛用するアイテムですので、
早めのメンテナンスを繰り返しながら良い状態を保つのが最善策です。

一度は手遅れな状態まで酷使したバッグであることを踏まえながら、
出来る限り良い状態を保てるように大切にご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索