エルメス ベアン長財布のリニューアルリペア加工

hermes old beant (1)
エルメスのベアンですが有名人のサインが大きく書かれています。

サインした人の事もありますのでサインの全体像は掲載できませんが、
取り除くとなると汚れでしかありません。
油性マジックインキで故意に書かれて数年経過していますので、
インクが革に染み込んで汚れと考えると最悪な状態です。

 

 

 

 

hermes old beant (2)
外面は手垢汚れや色あせや擦れ傷もあり、サインがなくても重症です。

 

 

 

 

hermes old beant (3)
ベロ革は糸がすり切れ付け根のループも切れる寸前です。
本体は元の色がわからないほど汚れていてエルメスとは呼べない状態ですねぇ~

 

 

 

 

hermes old beant (4)
折り曲げ部は素人加工で縫い直しされています。
縫い穴が広がったり増えたりしてサイン汚れ同様、人為的な損傷は修復が困難です。

今回は全体を解体してリニューアルリペアで各部を強化し組み立て直します。

 

 

 

 

 

hermes old beant (5)
いつものように解体からスタート。

 

 

 

 

hermes old beant (6)
革の色が抜けるほどの加工を施してもサイン汚れは完全に取れません。
ボールペンやマジックの汚れの難易度が理解いただけると思います。

 

 

 

 

hermes old beant (7)
ベロ革を縫い付けていた部分が本来の色のようです。
汚れや擦れの状態の酷さがわかります。

 

 

 

 

hermes old beant (8)
内部材と比べても同じ革には見えません。

 

 

 

 

hermes old beant (9)
各ポケットは0.2ミリ程度しかない薄い革の内張りを破らないように剥がします。
この工程が簡単でリスクがなければ、どこの修理屋でも同じ加工が可能なはずです・・・

 

 

 

 

hermes old beant (10)
危険を承知で内張りを剥がすのは強化芯材を入れ強化するためです。

各部を強化しながら美観も整えて組み立て直す、
究極の修理が「リニューアルリペア加工」です。

 

 

 

 

hermes old beant (11)
サイン汚れも消えリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

hermes old beant (12)
小銭入れの中までピカピカ。

 

 

 

 

hermes old beant (13)
ベロ革も芯材交換でスッキリ!
切れかけていたループ革も復元強化加工で安心です。

 

 

 

 

hermes old beant (14)
他人なら触るのも戸惑うほどの状態でエルメスとは呼べない状態でしたが、
見た目も整い各部も強化されて丈夫になって復活しています。

お気に入りの財布は使用頻度が高く、日増しに損傷が増えてしまいます。
しかし、使い慣れた財布は手放せなくてメンテナンスが遅れてしまいがちです。

全体の補修補色加工・コバの仕上げ直し・各部の強化加工・全体の縫い直しなど、
出来る限りの加工を施すリニューアルリペア加工ですが、
状態が悪化してから施すよりも早めの加工が最善で良い状態を保てます。

どんな修理でも早めにメンテナンスすることが大切です。

 

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エルメス小物類のクリーニング加工

hermes cleaning (4)
HERMESの小物たちですが、全ての品に大きくサインが入っていました。
当然、油性のマジックインキで書かれたサインは時間経過もあり、
革の繊維まで染み込んでいますので革色まで抜き取るように取り除いています。

 

 

 

 

hermes cleaning (2)
ペンケースにはボールペン汚れも数箇所に見られます。

 

 

 

 

hermes cleaning (3)
こちらも、同様に。。。。
常識的には僅かなボールペン汚れだけでも革クリーニングは困難です。

 

 

 

 

hermes cleaning (4)
油性マジックのサインを取り除くと革を染めた色まで抜き取る位の加工が必要です。

大きなサインが書かれた状態では使用するのが困難ですが、
色が抜けた状態でも使用はできませんので、
それぞれの素材や色に合わせて染め直します。

 

 

 

 

hermes cleaning (5)
大きなサインと同時に汚れや擦れ傷も綺麗になりました。

当社では汚れなど(今回はサインが主)を取り除き下地を整えて染め直し加工ていますが、
下処理加工は省略して汚れの上から塗料を塗り、汚れを見えなくするだけの修理店が多いです。
一時的には綺麗に見えますが薄い塗膜の下には汚れが全て残っていますので・・・。

 

 

 

 

hermes cleaning (6)
サインだけでなくボールペン汚れが多数あったペンケースですが、
角部の擦れ傷も含めて綺麗に復活しています。

一枚目の画像にあるオータクロアやベアンの加工は、後日紹介する予定ですが、
加工箇所であるサインを撮影できないので掲載は難しいかなぁ~

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エルメス ベアンスフレのリニューアルリペア加工

he b (1)
エルメス長財布で札入れにマチがありますのでベアンスフレです。

丁寧に使用されていますが全体的に薄汚れが見られ少し疲れた感じです。
今回は全体を解体してリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 

he b (2)
縫製がほつれた部分でなくても糸が擦り切れる寸前だったり、
糸の色が抜けて白くなった部分も全体に見られます。

 

 

 

 

he b (3)
外面の折り曲げ部は革の表皮が擦り切れて繊維が露出しています。
財布では一番傷みやすい部分ですので芯材を入れ強化しながら表皮を補修します。

 

 

 

 

he b (4)
ベアンと言えばベロ革の損傷ですが例に漏れず重傷です。

 

 

 

 

he b (5)
芯材も剥がれています。

 

 

 

 

he b (6)
糸が擦り切れているのは角だけですが全体的に縫製糸はスレスレです。

 

 

 

 

he b (7)
小銭入れの中は金属のコインを入れるので擦れや汚れが発生し易い部分です。

 

 

 

 

he b (8)
ベロ革を通すループの役割もしているH金具です。
何故か金具の周囲のステッチだけは綺麗です????

 

 

 

 

he b (9)
金具のすぐ近くまでは糸の色が抜けてスレスレ状態ですので、
修理歴があるようです。(聞いてないよぉ~

 

 

 

 

he b (10)
糸が綺麗な状態だったH金具部をほどいてみると、
HERMESでは使用されていない接着剤が使用されています。

 

 

 

 

he b (11)
とても薄い内張りの革を無理やり剥がしたのか?
破いてしまった跡も見られます・・・

 

 

 

 

he b (12)
内張りを破らないように剥がしてH金具の台座を見てみると、
右手前のビスが歪んだままネジ込まれていて最後まで入りきっていません。

何故か周囲には接着剤が???

 

 

 

 

he b (13)
すべての縫製糸を抜き取りました。

最近の品ですので手抜き出来るところは簡単に縫製されている商品も目立つ昨今ですが、
この財布はマジメに丁寧な作業が施されていました。

 

 

 

 

he b (14)
ほどき作業も大変ですが糸を抜き取ると縫い穴だけが残ります。
この穴に一目一目糸を通しながら縫製し直します。

 

 

 

 

he b (15)
ベロ革を取り外した部分です。
ベロ革で隠れていた部分と本体の色を比べると汚れ具合がわかります。

 

 

 

 

he b (16)
ベアンスフレの特徴であるマチ部材やポケットなど各部の内張りを剥がして、
強化芯材を挟み込んで組み立て直します。

0.2ミリくらいの厚みしかない革ですので破らないように剥がすには、
細心の注意だけでは不可能で修理技術の中でも難しい作業です。

 

 

 

 

he b (17)
H金具を取り外し革に染み込んだ汚れを取り除いたところです。

 

 

 

 

he b (18)
H金具のネジ山を再生して取り付け部の補強加工をした後、しっかり固定します。
内側で見えない部分ですが接着剤の汚れが汚いですねぇ~

 

 

 

 

he b (19)
手垢汚れなどでカモフラージュされていた外面ですが汚れを取り除きましたので、
全体を補修補色加工したあと組み立て直します。

 

 

 

 

he b (20)
各部に強化加工を施し組み立て直しリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

he b (21)
小銭入れの中もビューティフル!

 

 

 

 

he b (22)
マチ部材やファスナーなどパーツが重なり厚みが増す部分ですので、
擦れなどの痛みが出やすい部分ですが、この辺りもスッキリです!

 

 

 

 

he b (24)
角部もコバ面も同様に。。。。

 

 

 

 

 

he b (25)
加工前の一番初めの画像と比べていただけるとスッキリ感がわかりますが、
外面からは見えない部分に多数の強化加工を施していることが要因です。
財布は毎日のように活用するアイテムですので少しづつ傷んでしまいます。
各部に強化加工を施し丈夫に仕上がっていますので大きな損傷が出ることはありませんが、
良い状態を保ち続けるには丁寧なご使用と定期的な正しいメンテナンスが重要です。

大切にご使用ください。

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エルメス キーケースのクリーニング加工

he key (1)
エルメスのキーケースです。
外面全体に擦れ傷や汚れや色落ちが見られます。

 

 

 

 

he key (2)
外面が重症ですので内面は黄色の発色が綺麗に見えます。

 

 

 

 

 

he key (3)
折り曲げ部は傷みやすいので擦れていますがホツレは無いようです。

 

 

 

 

he key (4)
汚れを取り除いて表皮が剥がれた部分を補修します。

 

 

 

 

he key (5)
芯材が使用されていないエルメスは内側のホルダー金具の型通りに汚れます。

 

 

 

 

he key (6)
汚れを取り除いてみると表皮の擦り切れ具合がよくわかります。
擦り切れて革の繊維が毛羽立った部分を補修して補色します。

 

 

 

 

he key (7)
外面だけの予定でしたが・・・・
内側やコバ面も仕上げ直しました。

 

 

 

 

he key (8)
小物アイテムの中でもキーケースは一番傷みやすい品です。

良い状態を保ちながら長く使い続けるのは困難な品ですので、
少しでも良い状態を保つ工夫が必要です。

鍵を取り付けないのが一番ですが・・・・
キーケースですから、そうもいきませんねぇ~。

手の脂分や汚れが革の中に浸透しないコーティング加工も施していますが、
大切に使用するしか良い状態をキープすることはできません。

大切にご使用ください。

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HERMES GardenpartyとKellyWalletの修理

garden party Kelly Wallet (1)
エルメスのガーデンパーティとケリーウォレットです。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (2)
ガーデンパーティは底角が4箇所とも擦れて表皮が剥がれています。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (3)
こちらの角はパイピング革まで・・・・

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (4)
ケリーウォレットは川に長期間水没していたものを数年前に他店で修復されています。
波打ち変形は見られますが塗装されていますので正確な状態を把握するのが困難です。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (5)
水没した事や修理歴などを正確にお伝えいただいていますので、
解体して各部に強化加工を施し安心して長く使用できる状態にします。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (6)
ベルトの付け根付近は負担が掛かり傷みやすい部分ですので、
解体して強化芯材を入れます。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (7)
最高品質の金具が使用されていますので水没しても綺麗?

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (8)
他店様で加工後も数年経過していますので折り曲げ部はスレスレです。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (9)
カブセの付け根辺りに汚れシミが見られますが丁寧に活用されています。
高価な良い品を正しく丁寧に使われる方だけに水没が悔やまれます。。。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (10)
ベルトを取り外し外周などステッチを取り除きました。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (11)
ベルトも分解して芯材を交換します。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (12)
本体を解体してみると革の裏面の状態から水没していたことが理解できました。

 

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (13)
ヒネリ金具の裏側もサビが出ています。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (14)
汚れや他店様の塗装を取り除くと水没時に付いた傷の状態もハッキリ!

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (15)
汚れや塗料を取り除いているところです。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (16)
話が変わって、ガーデンパーティの底角の補修補色加工の完了です。
革の繊維が露出した状態でしたが下地を整えて補色加工しています。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (17)
こちらの角も同様に。。。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (18)
底角の擦れ傷は使用しているご自身では目につかない部分ですが、
他人から見ると底角スレスレのバッグは残念な状態に見えて目立ちます。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (19)
エルメスのバッグらしくお洒落にご使用いただけそうですね!

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (20)
水没や他店加工後から数年経過していますので悪戦苦闘しましたが、
波打ち変形もそれなりに改善して全体的にスッキリ感を取り戻すことができました。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (21)
何より折り曲げ部やベルトなど各部に強化加工を施していますので、
安心して長く愛用いただけます。

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (22)
折り曲げ部の擦れ傷なども回復しコバ面も仕上げ直していますのでスッキリです。

 

 

 

 

 

garden party Kelly Wallet (24)
川から引き上げられた時点でご依頼いただいていれば・・・・と。。。

何か特別な縁で結ばれた財布のようですので、
長く大切にご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
レザークリエーション 御中

徳島の○○です。昨日の夜に荷物受け取りました。
大変お世話になりました。

先にブログも拝見し、「えぇっ…」と驚くやらハラハラやら…。
最終的には「凄い!プロフェッショナル!」と感動していました。
また、届いた現物を手にした時には、ひとり小踊りしてしまった次第で…
レザークリエーション様にお願いして良かったと、本当にありがとうございました。

色んな出来事を経験したこの財布・バッグと、これからまた人生を歩んで行けることに感謝し大切に使っていきます。

すぐに連絡しなければならないのに遅くなりましたが、乱文をお許しいただきながら、お礼申し上げます。

徳島県 A 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。

加工している当社も他店様での加工内容がわからずハラハラしながらの作業でしたが、
長く愛用いただけるようにと強度アップには最善を尽くしました。

財布やバッグは使用していれば傷んでしまいますが、
丁寧に取り扱うだけで良い状態を長く保つことが可能です。

大切に長く愛用ください。

HERMES Dogon 長財布の全体修理

Dogon (1)
HERMES Dogon 長財布です。
両サイドからマチ部材が飛び出して型崩れし、ボールペン汚れも見られます。

 

 

 

 

Dogon (2)
折り曲げ部は糸が擦り切れて革の表皮も擦り切れて繊維が露出しています。

 

 

 

 

Dogon (3)
傷みが出やすいベロ革はステッチが擦り切れて口が空いています。
ベロ革の外周からは芯材の繊維が飛び出して毛が生えたようです。

 

 

 

 

 

Dogon (4)
全体に色あせや汚れが見られますが、
特にボールペン汚れは染料ですので革が染められてしまいます。

時間が経過したものは取り除くのが困難です。

 

 

 

 

Dogon (5)
よく見ると他にもボールペン汚れが数箇所に見られます。

汚れも残念ですが本体から、はみ出たマチが残念ですねぇ~。

 

 

 

 

Dogon (6)
財布の形状に合うように中身を入れなければ型崩れは避けられません。

本体に芯材が使用されていないドゴンは型くずれさせないように使用するのが、
良い状態を保ち続けるコツなんです。

 

 

 

 

Dogon (7)
反対側のマチもしっかりと型崩れしてしまいます。

 

 

 

 

Dogon (8)
カブセ裏や内張りは外面とは違う素材ですが、こちらにもボールペン汚れが・・・

今回はリニューアルリペア加工ですので各部に強化加工を施し、
全体の見た目も改善させながら型くずれしたマチも補正します。

 

 

 

 

Dogon (9)
折り曲げ部・各ポケット・マチ部などしっかりと張り合わされた薄い革を
破らないように慎重に剥がして強化芯材を挟み込みます。

 

 

 

 

Dogon (10)
こちらは付属の小銭入れです。
外観は綺麗な状態ですが小銭を入れる内側は汚れが目立ちます。

小銭を入れると直ぐに汚れますがクリーニングしておきます。

 

 

 

 

Dogon (11)
HERMES Dogonのリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

Dogon (12)
小銭入れの中もクリーニング完了。

 

 

 

 

Dogon (13)
カブセ裏のボールペン汚れや傷なども綺麗になりました。

 

 

 

 

Dogon (14)
折り曲げ部は強化芯材を入れ込み擦れ傷もなくなっています。

 

 

 

 

Dogon (15)
各ポケットも強化芯材を入れて縫製していますが、
各ポケットの縫い合わせ部は負担が掛かる部分ですので2重に縫製しています。

 

 

 

 

Dogon (16)
毛が生えたベロ革もスッキリです。

 

 

 

 

Dogon (17)
型崩れして飛び出していたマチ部材も、しっかりと本体に収まっています。

 

 

 

 

Dogon (18)
外面のボールペン汚れや小傷や色あせ汚れも改善しましたので、
エルメスらしさが復活しました。

良い状態を保ちながら使用出来れば高級感がありお洒落な財布です。
しかし、型崩れやボールペン汚れなどがあると
HERMES Dogonも残念な財布に見えてしまいます。

擦れ傷や色あせなど避けられない損傷もありますが、
型崩れやボールペン汚れは対策を施せます。

高品質で格好良い財布ですのでエルメスらしさを維持しながらご使用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索