CHANELリュックの修理と補修補色

chanel rucksack (1)
17年前のシャネルのマトラッセリュックです。

17年前の品ですので各部に損傷が見られますが、
補修はしないまま他店様で染め直し加工されています。

色落ちして服に色が移るので使用できない状態です。

 

 

 

 

 

chanel rucksack (2)
他店様で黒く塗装していますので遠目には綺麗に見えます。

しかし・・・・

 

 

 

 

chanel rucksack (3)
ショルダーストラップをアップにすると全体に亀裂がありガサガサです。
こんな状態で塗装すると色落ちしますし残念すぎます。

 

 

 

 

chanel rucksack (4)
ファスナーエンドのベロ革部も同様の状態です。
ファスナーに塗装した塗料が残っていますねぇ~

 

 

 

 

chanel rucksack (5)
ショルダー下側の付け根革は体に擦れる部分ですので傷みやすいです。

 

 

 

 

chanel rucksack (6)
チェーンの中革もスレスレです。
これらのパーツは限界を超えていますので新品作成して取り替えます。

 

 

 

 

chanel rucksack (7)
古い品ですしデリケートな素材ですので仕方ないのですが、
カブセの両サイドも革に亀裂が沢山あります。

亀裂は革が硬化して柔軟性がなくなっている証です。
触ってみても硬く、亀裂がある部分は塗料を吸い込んでしまいますので、
このままでは染めることができません。

亀裂があるまま塗装すると革の硬化が進む上に、
亀裂部分は染まりもしないのですが・・・・

 

 

 

 

chanel rucksack (8)
新品作成するパーツやロック金具などを取外ことからスタートです。

 

 

 

 

chanel rucksack (10)
他店様で使用した塗料の種類はわかりませんので取り除いてみました。

長年のご使用が原因か染め直したことが原因かは定かではありませんが、
亀裂や硬化した革が新品になることはありません。

しかし、このままでは染め直すこともできませんので、
亀裂を補修して染め直します。

 

 

 

 

chanel rucksack (9)
こんな感じで元の塗料を取り除き革と塗料の密着を高めます。

 

 

 

 

chanel rucksack (11)
新品作成したパーツと取り外したパーツの比較です。

 

 

 

 

 

chanel rucksack (12)
本体の染め直しも完了してショルダーストラップも新品です。

 

 

 

 

chanel rucksack (13)
チェーンの中革も新品で一度取り外した金具類は洗浄機でピカピカに。

 

 

 

 

chanel rucksack (14)
本当はカブセも新品作成するのがベストですがカブセと本体背面は一体構造です。

技術的には交換可能ですが費用対効果を考えると今回は補修が最善策。
亀裂部分を補修して染め直していますのでひび割れは目立たなくなりました。

色落ちしない天然革は存在しませんが、
全体をコーティングしていますので安心してご使用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索