シルバー色のつや消し加工された金具類が使用されていますが、
ピカッとツヤのある金具に仕上げたいとご依頼を頂きました。
「ロック金具や手管金具などすべての金具を取り外して加工したあと付け直す。」
言葉にすれば簡単ですが取り外すだけでも不可能な修理店が多いのでは?
この手管金具を取り外すためには持ち手の解体と付け根革の解体が必要です。
それだけではなく、付け根革の解体には本体のカブセを解体して鉄芯を・・・・
後半に続く・・・・
変色しているパーツやアンテナ部に深い傷も見られるロック金具ですが、
解体しなければ加工することができません。
金具で隠れていた部分です。
優雅なケリーバッグからは想像できない状態でしょ!
持ち手の付け根革を取り外した部分には丸い金具が出てきました。
カブセを解体すればわかりますが鉄芯を固定しているカシメ金具です。
当然、カシメ金具を取り除き鉄芯も取り外さなければ付け根革の縫製はできません。
小さな手管金具を脱着するだけでも多くの加工を必要とします。
取り外した金具の裏側は青錆が発生していました。
ある意味、最善のタイミングでの金具加工だったかも?
つや消し仕上げされた金具は傷が目立たないメリットがありますが、
今回はご依頼通りピカッと鏡面仕上げに加工します。
取り外したすべての金具をピカピカに仕上げました。
これらの金具を元通りに組み付けて金具のピカピカ加工の完了です。
これからの組立の方が数倍苦労しますが・・・・
画像を見てアンテナ管を解体してることに気がつかれた修理屋さんはいますか?
最近の金具ですのでアンテナの付け根に白い樹脂が埋め込まれていて、
土台金具とアンテナの摩耗を軽減しているHERMESらしい金具構造ですねぇ~。
つや消しもいいけどピカッとしてる方がHERMESらしいかな?
サビや傷をガードするためにクリヤーコーティングを施していますが、
鏡面仕上げは傷が目立ちやすいので要注意です。
付け根革を縫い直したあとカブセの中の鉄心をカシメ金具で固定しています。
カブセの内側に何枚も本革の芯材が見られるのはエルメスの上級モデルならでは。
付け根革と持ち手を組み立て直しカブセを縫製して小さな金具の加工完了。
凛とした佇まいは他のバッグでは醸し出せない雰囲気です。
バーキンをカジュアルに使用する方は多いですが、
ケリーバッグを使用するときは、どんな女性も背筋が伸びるのではないでしょうか?
息を止めて加工する場面の連続でしたがピカピカ金具に変身しました。
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索