HERMES Birkinといえば数十年間にわたり人気が衰えることなく、
常にプレミア価格で取引されるバッグです。
高価すぎるバッグだけに欲しくても我慢されている方も多い憧れの品です。
憧れのバーキンですが、底マチ付近の型崩れで自立させることも困難な状態。
全体に色あせ、擦れ傷や汚れもあります。
本体天部は持ち手を掴む度に指先が擦れるので表皮が剥がれてガサガサ。
持ち手も悲惨な状態です。
憧れのバーキンの持ち手です。
レストランには連れて行けないですね~
この時点でバーキンどころかバッグとしての役割も果たせない状態ですが、
まだまだ続きます・・・・
底角はパイピング革が擦り切れてマチや本体に大きな穴が空いています。
もはやHERMESとは・・・・
幾多の戦火をくぐり抜けてきた軍事用バッグのような雰囲気です。
しかし、まだまだ続きます。
マチ部材の天部が前後とも大きく裂けて中央天部も擦り切れています。
もはやバーキンとは・・・・
現品診断しながら「エ~っ!」「ありゃ~っ!」「は~ぁ~」「ほぇーっ!」の擬音連発。
反対側のマチも糸は擦り切れ、革はスレスレ縫い合わせ部も破れています。
現状はバッグとしても機能しない状態ですから、
最高級ブランドHERMESの誰もが羨むバーキンとは対極の状態です。
損傷部が多すぎて全部は紹介できませんが・・・・
しかし、まだまだ続きます。。。。
内張りはスレスレ状態で汚れも目立ち、ポケットも破れが見られます。
上質な本革の内張りは縫い合わせ部付近で大きく裂けて破れています。
大きく変形していた理由は、この辺りの損傷も要因です。
もはやバッグとは・・・・
丁寧に愛用すれば良い状態のまま、何十年も活躍してくれる品質のバッグです。
ここまで重傷になると直営店をはじめ、多くの修理業者は対応しないと思いますが、
高品質時代に作成された良い品ですのでリニューアルリペアを施します。
すべての縫製糸を取り除き解体からスタートです。
最高品質な素材で丁寧に作成された良い時代のバッグです。
両サイドのベルトは先端の金具を脱着できなければ縫製することができません。
エルメスのバーキンならではの特殊な作業で本来の姿がバーキンであると認識。
底角部の染み込んだ汚れを取り除いたところです。
白く革の繊維が露出して毛羽立っていますが大きな穴を塞ぐことが先ですね。
取り外して解体した持ち手。
芯材まで本革なのは憧れのバーキンの証です。
内張りも綺麗になり、各部には強化加工を施し強度もアップしています。
長年の間、酷使されたバッグが新品に戻る事はありませんが、
この状態なら高級レストランにも連れ出せるのではないでしょうか?
迷彩服が似合いそうな状態でしたが憧れのバーキンの復活です。
お洒落して連れ出してあげてください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
レザークリエーション様
受け取りが遅くなり、大変申し訳ありませんでした。
手元にバッグが届きました。
まさに軍事用バッグという言葉がぴったりだったものが、ピカピカになって戻ってきました。
素人の私が分かるくらいしっかりとした手触りになり、見た目だけではない価格以上のお修理をして下さったことが伺えます。
初めてのリニューアルリペアでしたが、お願いして本当に良かったです。
母の日に間に合い、嬉しいです。
大切にします。ありがとうございました。
北海道 K 様