M61207の修理


ルイヴィトンのモノグラム財布(M61207)です。

 

 

 

 

 


1998年に製造された丈夫な高品質時代の財布であることも要因ですが、
丁寧に使用されている印象です。

高品質な素材が使用されていますので余計な補色加工は最低限に留めながら、
耐久性が増すように強化加工など構造面を中心にリニューアルリペア加工します。

 

 

 

 

 


付属のパスケースは折り曲げ部を解体して強化芯材を入れ込みます。

 

 

 

 

 


丁寧に使用された高品質時代の財布ですが20年近く経過した品ですので、
折り曲げ部はモノグラム地が擦り切れて欠損しています。

 

 

 

 

 


擦れやすい角部はコバの塗料も剥がれて芯材もヨレヨレです。

 

 

 

 


こちらも同様に。。。。
ファスナーの金属エレメントも茶色く変色しています。

 

 

 

 


本体の折り曲げ部だけでなくベロ革の折り曲げ部も傷みやすい部分です。

 

 

 

 


合成皮革が使用された内張りは劣化していますので本革仕様にします。

 

 

 

 


ステッチ穴が切り取り線のようにポケットに破れも見られます。
古い品ですので破れていない部分も含めて縫い合わせ部は強化加工が必要です。

 

 

 

 


小銭入れマチの山折りになった部分に表皮の剥がれがありますが、
コインケースの中も良好で丁寧に使用されています。

 

 

 

 


モノグラム地まで解体しなければ加工できない構造ですので、
財布のファスナー交換の中では一番手間が掛かるタイプです。

この財布のファスナー交換を断られる修理店も多いはずです。
しかし、消耗パーツですのでファスナーも取り外して交換します。

 

 

 

 


バラバラ。

 

 

 

 

 


劣化した合成皮革は対面の革に色移りしています。

 

 

 

 


こちらも同様に全体的に色移りしています。
内張りを張替交換するよりも対面の汚れを取り除く方が苦労します。

 

 

 

 

 


各部を強化しながら内張りを本革仕様で張替てリニューアルリペアの完了です。

 

 

 

 

 


パスケースの折り曲げ部は強化したあと、外周の擦れ部も補修補色しました。

 

 

 

 

 


ファスナー交換も完了です。

 

 

 

 


ポケットの破れも復元強化加工で丈夫に復活。

 

 

 

 


ヨレヨレだった角部も丈夫になりファスナーの金属エレメントもピカピカです。

 

 

 

 

 


ファスナーの金具がピカピカになりましたのでホックも磨いておきました。

 

 

 

 


丁寧に活用された良い素材で作成された高品質時代の財布ですので、
補色加工は最低限に留めながら構造面は新品時より丈夫に強化して、
組み立て直す方向でリニューアルリペア加工を施しています。

合成皮革の内張りが本革になりベタ付き劣化の心配もなくなりましたので、
大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
レザークリエーション様

お世話になります。
昨日届きました。
早速開封し、確認させて頂きました。

最初にご連絡いただいていたように、全体の強化がしっかりされており、
また長く使用できるようになったと実感しております。
メーカーに断られたときは半分あきらめていました。
今回の件をお引き受けいただきまして、本当にありがとうございました。

またお心添えもあり、感謝いたします。
またお世話になる時がありましたら、宜しくお願い致します。

広島県 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
最高品質時代の良い財布ですので、
出来る限り良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。