ロエベ マルケトリ


ロエベのショルダーバッグです。

青、オレンジ、黒、白、モスグリーン5色の革を切り出してつなぎ合わせた、
マルケトリ技法で作成された絵柄で革にプリント印刷されたものではありません。
芯材にパズルのようにパーツを張り合わせて絵柄を作っています。

 

 

 

 


モスグリーン色の革に擦れが見られます。
画像には写りにくいのですが現物は広範囲に白くなった部分があります。

 

 

 

 


直営店で擦れ部にクリームを塗り込んだようで画像に写っている以上に、
現品は広範囲に白くなった部分があります。

擦れて表皮が無くなった部分にクリームなどを塗り込むと表皮だけでなく、
革の繊維の中に染み込んでしまいます。

 

 

 

 


出来る限り直営店で塗り込まれたクリームを取り除いてみました。

擦れキズは表皮や塗装の厚みよりも深いことが鮮明になりました。
これほど深い傷をクリームで改善させることは不可能であることは明白です。

 

 

 

 


擦れた部分にクリームを塗り込んだことで色が濃くなった部分が全体に見られます。
表皮のクリームは取り除けても革の繊維にまで浸透したクリームは取り除けません。

角部にも擦れが見られますがクリームは塗り込まれていないようです。

 

 

 


反対側の底角にも擦れが見られます。

 

 

 

 


革に染み込んだクリームが悪影響を与えることは確実でしたので、
ノークレーム加工でお引き受けしましたがクリームによる変色よりも、
キズを気にされていましたので深い傷を改善させることはできています。

 

 

 

 


モスグリーン色の部分は全体的に均一な補色加工を施していますが・・・・

 

 

 

 


見る角度によっては染み込んだクリームの影響があります。

 

 

 


4回ほど改善させる加工をやり直しましたがクリームの影響は消えませんでした。

 

 

 

 


汚れや脂分が浸透しやすいロエベの上質な革でなければ、
直営店での加工は大きく影響しなかったと思われるので、
当社としては残念です。

 

 

 

 


擦れ傷が目立たなくなりクリームで白くなっていた部分もなくなりましたので、
活用していると手の脂分や汚れなどで馴染んでくるかとも考えています。

大切に長くご愛用ください。

 

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メタルクローシュ


数ミリしかない細い革ひもが切れたエルメスのメタルクローシュです。
革を張り合わせただけの構造で芯材などは入っていません。

 

 

 

 


切れた部分を解体して復元強化加工を施します。

 

 

 

 


切れた部分をつなぎ合わせて復元強化加工の完了です。
挟み込んだ芯材の厚み分だけ革を薄く取り除いて強化加工しています。

 

 

 

 


芯材を入れた部分だけの厚みが増すことなく元の厚みのままで強度アップです。

細い革ひもに切り込みを入れた部分は芯材やステッチもなく、
物理的に丈夫とは言えない構造のパーツです。

良い状態を保つには大きな負担を掛けないように工夫するしか対策はありません。
大切に長くご愛用ください。

 

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ヴィトン長財布


1995年に製造されたルイヴィトンの長財布です。

 

 

 

 


折り曲げ部は糸が擦り切れて口が空いています。

24年前の古い品ですが最高品質時代の財布ですので、
リニューアルリペア加工などで各部を強化しておくのが理想ですが、
今回はホツレを縫い直してコバ面を仕上げなおします。

 

 

 


底の折り曲げ部も糸が擦り切れています。

 

 

 

 


革も良い素材が使用されていますがマチの擦れが目立ちますので改善させます。

 

 

 

 


反対側のマチも擦れて表皮が無くなっています。

 

 

 

 


補修補色加工で改善。

 

 

 

 


こちら側も同様に。。。。
外周のコバ面やホツレも修理完了です。

 

 

 

 


今回はホツレ部を縫い直してコバやマチの擦れ部の美観を整えた加工ですので、
耐久性や構造は製造から24年が経過した古い財布のままです。

二度と新品購入できない品質の良い財布ですので、
出来る限り良い状態を保ちながらご愛用ください。

 

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(お手紙紹介です)

本日、午前中に財布届きました。
綺麗に仕上げていただき嬉しいです!
そして、お心遣いまで頂きありがとうございす!
大切に使わせて頂きます。

広島県 I 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
良い時代に作成された財布ですので、
大切に長くご愛用ください。

ダミエ財布の欠損


両面にカブセのあるダミエのコンパクト財布です。

 

 

 

 


折り曲げ部はダミエ地が欠損していて縫い直すこともできません。

修理する部分が擦り切れて無くなっていますので基本的には手遅れ状態です。
しかし、再び活用いただけるように強化しながら修復します。

 

 

 

 


反対側の折り曲げ部も同様に。。。

 

 

 

 


折り曲げ部は多くの部材が重なり合っていますので縫製が困難です。
欠損や変形があると新品を縫製すようなスピードで組み立て直せません。

 

 

 

 

 


傷みやすい折り曲げ部は使用していると縫製糸が擦れてホツレが発生したり、
コバ塗料が剥がれたりしてきます。
その程度の損傷でメンテナンスするのがベストなタイミングで、
良い状態を保ちやすくなります。

メンテナンスせずに使い続けると次は部材の接着が剥がれて口が空きます。
口が空いても放置したまま使用していると欠損や亀裂が発生します。
それでも放置したまま使い続けると、
縮み変形が発生して内部材が外面より飛び出したようになります。
サイズが違う状態のものを元通りに縫製することはできなくなります。

メンテナンスは早い方が改善度合いも高くなり良い状態を保てますが、
今回は最終段階まで悪化した状態の折り曲げ部です。

 

 

 

 


カブセの折り曲げ部にも欠損が見られます。
加工の御提案はしましたが今回はコバ仕上げだけを施します。

 

 

 

 


こちら側も同様に。。。。

 

 

 

 


本体の折り曲げ部は大きく開いて強化芯材を入れ込み縫製できるようにします。

 

 

 

 


反対側も同様に。。。。

 

 

 

 


内部材とサイズが合わなくなっていますので強化した後の組み立てが至難です。

 

 

 

 


折り曲げ部の復元強化加工と外周コバ面の仕上げ直しの完了です。

 

 

 

 


縫製できる状態になり再び活用いただけます。

 

 

 

 


一度は手遅れ状態になるまで活躍してくれた財布ですので、
今後は丁寧に取り扱いながら一日でも長く活用ください。

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リザードベアン


リザード(トカゲ革)の長財布エルメスのベアンです。

 

 

 

 


ベロ革は表皮が擦れた部分に汚れが染み込んで黒くなった部分が見られ、
外周のコバ塗料が剥がれて白い芯材が露出しています。

 

 

 

 


全体に黒ずみや色褪せが見られます。

 

 

 

 


ベロ革の下で隠れている部分と比較すると汚れ具合が鮮明です。

 

 

 

 


黒く見えるシミ汚れもあります。

 

 

 

 


折り曲げ部には他店様か素人修理か判断できない縫い直しが見られます。

 

 

 

 


内側から見ると糸が切れています。

 

 

 

 


予定外ですが糸を取り除いて縫い直します。

 

 

 

 


内部材を見ると丁寧に活用されていることがわかります。

ベアンの中では丈夫なリザード革の財布ですし丁寧に使用されていますので、
全体を解体するリニューアルリペア加工は次回以降で良いと判断しました。

 

 

 

 


小銭入れ部は使用されていないのか良好です。

 

 

 

 


外面の汚れを出来る限り取り除くとループ革の擦れが鮮明です。

 

 

 

 


外面のクリーニングと補修補色加工の完了です。
折り曲げ部も縫い直してコバ面も仕上げなおしています。

使用すれば財布の外面は汚れや色褪せは避けることはできませんが、
丁寧に取り扱うことで良い状態を保ちやすくなります。

大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)
レザークリエーション様

べアンの財布受け取りました。
ここまで綺麗にして頂き、誠にありがとうございます。
これからも大事に使っていこうと思います。

岐阜県 K 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
使用すれば財布の擦れや汚れは避けられないものですが、
とても丈夫で良い財布ですので、
引き続き丁寧に取り扱いながらご愛用ください。

ファスナー交換


ジッピーウォレットのファスナーが開いてしまうとのことで交換の御依頼です。

 

 

 

 


開閉の度に負担がかかるファスナーは摩耗してメッキが剥がれています。
ジッピーウォレットのファスナー交換は内部材を取り外す必要があります。

 

 

 

 


内部材には劣化も見られます。

 

 

 


最高品質のファスナーを使用して交換完了。

 

 

 

 


引手金具は元通りに取付けしています。

ファスナーは消耗パーツですが最高品質のファスナーを使用していますので、
丁寧に開閉すれば長く活用いただけます。

大切に長くご愛用ください。

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