現品診断

11月9日の受付再開で本日AM10時に第一陣のご依頼品が到着しました。
その後、夕方までに2倍以上が到着しましたので、本日だけで100件超えです。

一度に5本以上同梱される方もいますので修理本数は、もっと多いです。
ひと箱ひと箱、開梱してバッグや財布の状態を確認して、
ベストな修理方法を構築します。

修理方法が決まれば納期や価格も正確に算出でき加工完了までに変更はありません。
しかし、とても時間がかかる作業でメールでお伝えするにも時間が必要。
見積もり期間中は作業せずに現品診断していますが、
1日に12~15件の見積もりが限界です。

お待たせしますがよろしくお願いします。

 

*現在15日PM6時(13日到着分が半分くらい現品診断完了です)
14日以降に到着した品も初日到着分以上の本数ですが・・・・

受付済みでこれからの発送を予定されている方は次の機会にされるのも一考です。

 

*今は16日PM9時15分(まだ、初日の13日到着分の現品診断中です。)

明日には初日到着分だけでも見積もりを完了させる予定。
ちょっと、残るかも。。。。

土曜日に休日返上してでも初日到着分は現品診断するつもりですが・・・・
14日以降に到着した品は月曜から現品診断します。

 

17日現在21時35分

通常通り、宅配便でお送りいただいた初日の13日到着分の現品診断が完了しました。
まだまだ、全体の半分以下ですが月曜日から14日到着分を現品診断します。
くたくたですので、休みます。

 

18日土曜日 19時40分

本日も休日出勤で14日到着分の見積もり開始しました。

 

20日月曜日 21時18分

土日も現品診断したので、あと3日くらいで14日到着分の見積もりが完了する予定。
すでに13日と14日到着分で、かなり納期が長くなっています。

到着した順番で見積もりしていますので16日とか17日着でゆっくり発送した方は、
現品診断できるのは来月になる予定です。

修理作業はしないで一日中現品診断していますので、
もうしばらく、お待ちください。

今月は修理作業できませんので赤字になりそうです。

 

11月22日 16時

通常通り、お送りいただいたご依頼品の初日13日到着分と14日到着分の
現品診断が完了しました。

今から、15日到着分の現品診断を開始します。(全体の半分くらいは診断完了です)

11月23日 19時
勤労感謝をしながら本日も現品診断しました。

11月24日 金曜日 18時40分
休日返上で現品診断してきましたので、
なんとか、今月中に見積もり完了できそうな見通しです。

11月25日 土曜日 16時45分
本日も休日返上で現品診断しました。
明日の日曜日はお休みを頂戴します。
今月中には全ての現品診断が完了予定です。

多くのご依頼ありがとうございました。

しかし、修理方法やお見積りを決めるだけでは・・・・
実際の加工の方が遥かに時間も手間も掛かります。
ご依頼いただいた品は一生懸命に作業させていただきますので、
加工完了まで首を長~くしてお待ちください。

よろしくお願いします。

11月29日 水曜日
ご依頼いただきました全ての品の現品診断が完了いたしました。

ご依頼いただきましたメールに返信形式で送信していますが、
現品診断結果が確認できない方はご連絡ください。

LVのベタ付き劣化


1995年製造のモノグラムと1997年製造のエピのビジネスバッグです。
最高品質時代に作成された20年以上前の古い品ですが、
奇跡とも思えるほど状態の良い品です。

 

 

 

 

 


モノグラム地だけでなく革部材も良好です。

 

 

 

 


型崩れもありません。

 

 

 

 


使用されていますので擦れやすい底角はコバ面が剥がれています。

 

 

 

 


同様に。。。。

 

 

 

 

 


カブセの開閉で負担が掛かるカブセ付け根も傷みやすい部分。

 

 

 

 

 


古い品ですので内ポケットの中の合成皮革はベタベタに劣化しています。
今回は劣化した合成皮革素材の張替交換のご依頼です。

 

 

 

 

 


内張り交換のためには大きく本体の解体が必要。

 

 

 

 


エピも底角はスレスレ。

 

 

 

 

 


内ポケットはベタベタに劣化して対面の革にまで色移りしています。

 

 

 

 

 


ファスナーポケットの中も同様に。。。。。

 

 

 

 

 


劣化した合成皮革の張替だけでなく対面の色移りの除去作業も必要です。

 

 

 

 

 


同様に。。。。

 

 

 

 


劣化してからの放置期間が長かったようです。

 

 

 

 

 


ロック金具の取り外しやマチ部材の解体など大がかりな加工になります。

 

 

 

 

 


モノグラムのモンソーの内張り交換の完了です。
ベタ付き劣化した合成皮革は贅沢にも本革仕様にしていますので安心です。

 

 

 

 


エピも本革仕様で張替交換の完了です。

 

 

 

 


外周コバ面も仕上げ直しました。

 

 

 

 


とても良い状態を保っているバッグですので、
合成皮革の内張りが本革になったことで安心して長く使用できます。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

クロコ革ケリー修理


他店様にて塗装など加工歴のあるエルメスのケリーバッグです。

その後、当社で持ち手の付け根を強化加工したことのある品です。

前回のご依頼時にも各部のホツレや亀裂が気になっていました。
今回はリニューアルリペア加工のご依頼です。

 

 

 

 

 


カブセに亀裂が見られます。

 

 

 

 


内側から見ても同様に。。。。

大きく裂けてしまう前に解体して強化加工が必要です。

 

 

 

 

 


負担が掛かるマチの縫い合わせ部も亀裂があります。

 

 

 

 


カブセの開閉で負担が掛かるカブセ付け根にも亀裂があります。

 

 

 

 


反対側のカブセ付け根も同様に。。。。

 

 

 

 

 


底面は縫製糸が擦り切れてホツレが見られます。

塗料剥がれも見られますが安心して使用するためには縫製の方が重要です。

 

 

 

 


底面はホツレ部が大きく、接着だけで耐えているような状態です。

 

 

 

 

 


外面は他店様の塗料の樹脂が縫製糸に染み込んで硬化していますので、
糸を取り除くことができるかどうか不安があります。

解体することで厚塗りされた塗料が剥がれてくる可能性もあり難易度が高いです。
当然ながら直営店では断られてしまう状態です。

 

 

 

 

 


塗料で固められた縫製糸を一目一目取り除いて解体。

解体に通常の10倍以上の時間がかかりました。

 

 

 

 


内張りには多数の傷や汚れが見られます。

 

 

 

 

 


マチの天部は復元強化加工が必要です。

 

 

 

 

 


亀裂が見られるマチの天部は内張りを剥がして全体に強化芯材を入れます。

 

 

 

 


ミシン目が切り取り線のようになり革が切れた部分も数か所に見られます。
他店様の塗料で隠れていましたので解体しなければわからない損傷です。

 

 

 

 

 

 


解体することで想定外の損傷が出てきて手間が増えていきますが、
ミシン目が切れたままでは縫製することができませんので、
内張りを剥がして強化加工を施します。

 

 

 

 


本体の内張りを剥がすと年季の入った芯材が露出。
ここまで解体しなければ底面のホツレを縫い直すことができません。

 

 

 

 


底板のボール紙の芯材はひび割れや亀裂があり限界を超えています。
底面のホツレだけでなく芯材の状態からもリニューアルリペア加工の選択は正解。

 

 

 

 

 


底板に新しい芯材を入れ底角4か所も強化。

 

 

 

 

 


カブセも解体して亀裂部やカブセ付け根を強化します。

 

 

 

 


反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 


組み立て直す前に内張りの傷や汚れも改善させました。

 

 

 

 


金具は他店様の塗料で錆びついたような雰囲気です。
塗装した後、少しは拭き取ったようですが・・・・

 

 

 

 


比較のため片側のベルト先端金具は未加工のまま撮影。
研磨加工することで他店の塗料汚れが消えて真鍮色が復活です。

 

 

 

 


底面の縫製も完了。

爬虫類革の特殊素材ですので他店様の塗料を剥がし取るには、
リスクが高すぎますので今回は外面の補修補色加工は辞退しました。

でも、塗装剥がれが目立っていた部分は少しだけ補色しました。

 

 

 

 

 


擦り切れ欠損も見られた底角4角も強化されて安心です。

 

 

 

 


塗料でコテコテになっていた縫製糸も改善してホツレや亀裂もなくなり、
コバ面も仕上げ直したことで美観も整いました。

しかし、塗装など美観を整える加工よりも、
安心して長く使用するためには各部に施した強化加工が有効です。

丁寧に取り扱いながら大切に長くご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

お世話さまです。
昨日、受け取りました。また、ブログも拝見しました。
かなり大変な作業になったようですが、今回思いきって、
リニューアルリペアをお願いして良かったです。
ガタがかなりきていたしたね(笑)
大切に使われてきたと思われるケリー、これからも大切に使いたいと思います。
ありがとうございました。

東京都 O 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
塗装加工が少し残念ですが、
各部の強化加工や縫い直しで構造的には耐久性が増しています。
古い品だけに最高品質の素材を使用しながら、
腕の良い職人が丁寧に作成したバッグですので、
大切に長くご愛用ください。

他店加工のバーキン


他店様で塗装されたエルメスのバーキンです。

 

 

 

 

 


キズや汚れの上から塗装されています。

 

 

 

 


全体を塗装した塗料と種類や色が違う塗料も使用されています。

 

 

 

 


この辺りも汚れの上から塗装されているようです。

 

 

 

 

 


他店様で塗装された状態ですので本来の状態がわからない当社ですが、
擦り切れヤブレや革の劣化などがあるように思われます。

 

 

 

 


汚れだけでなく各部のホツレも放置したまま塗装されているようです。

 

 

 

 

 


犬に噛まれた損傷もあるようです。

 

 

 

 

 


この部分も犬に噛まれた損傷を修理したようです。
何かを貼り付けて塗料を塗っているようですがステッチがありません。

 

 

 

 


同様に。。。

 

 

 

 


ボールペン汚れも数か所に見られます。
これは塗装加工後に持ち主が付けた汚れです。

 

 

 

 


内側も同様に。。。。

 

 

 

 

 


同様に。。。。
ボールペン汚れは他にも数か所あります。

 

 

 

 


内部材も擦れ傷が多数見られます。

 

 

 

 


この辺りも表皮が剥がれて革の繊維が露出して毛羽立っています。

 

 

 

 


内ポケットもホツレ。

 

 

 

 


外面のホツレも放置したままですので解体が必要な内部材は当然ながら放置。

 

 

 

 

 


この辺りも糸が擦り切れてホツレています。

内部材の縫製糸が擦り切れてなくなるほど活用されたバーキンです。
その上、犬に噛まれた損傷や他店様で加工された人為的な損傷もあり、
重傷です。

 

 

 

 

 


他店様の塗料を部分的に取り除いてみました。

 

 

 

 


かなり濃い色で塗装されていたことがわかります。

 

 

 

 


他店様の塗料を取り除くと底角の擦れや穴あきがわかります。

 

 

 

 

 


こちらも擦り切れて革に穴が空いた状態です。

 

 

 

 

 


黒いシミ汚れを消すために塗装されたようです。

 

 

 

 


各部に多数のシミ汚れが見られます。

 

 

 

 


出来る限り他店様の塗料を取り除くことで、持ち手や底角など擦れ具合や、
各部に見られる黒いシミ汚れが鮮明になりました。

しかし、革に染み込んだ塗料や塗装の影響もあり染み込んだ汚れは、
完全に取り除くことが不可能です。

 

 

 

 


持ち手には手の脂分や汚れも染み込んでいます。

 

 

 

 


犬に噛まれた部分には茶色い床革のような素材を貼り付けて塗装していたようです。

漉き破った状態の革を貼り付けてあり素人加工のようです。
もしかしたら、この部分はご自身で加工されたのでしょうか?

 

 

 

 


両側のマチは負担が掛かる部分ですので解体して強化して組み立てます。

 

 

 

 


内ポケットのホツレを縫い直すために本体も解体します。

 

 

 

 

 


内部材の擦れやボールペン汚れは改善しました。

 

 

 

 

 


ホツレもなくなりコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 

 

 


両側のマチ天部は強化され丈夫になりました。
犬に噛まれてボロボロだった部分も改善しています。

 

 

 

 

 


汚れや擦り切れを放置したまま塗装していた底角も改善しています。

 

 

 

 

 


同様に。。。。

 

 

 

 

 


持ち手も手垢汚れが改善してスッキリ。

 

 

 

 


出来る限り本来の色に近い色に戻しながら、
他店様の塗料の下から出てきた黒いシミや擦れを消しています。

ホツレや穴あきなども改善していますのでボールペン汚れなどに注意しながら、
大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

オーストのベアン


エルメスの長財布ベアンです。

オレンジ色のオーストリッチ革ですが手の脂分や汚れが革に染み込んで、
ベロ革部は元の色がわからない状態です。

 

 

 

 


後面も汚れで変色した部分が大半です。

 

 

 

 


手で触れないベロ革の下に隠れている部分には汚れが染み込んでいません。

 

 

 

 


見た目だけでも重症ですが糸が擦り切れて口が空いた部分も見られます。
コバの塗料も剥がれて芯材もヨレヨレですので強化加工が必要です。

 

 

 

 


財布では傷みやすい部分ですが、
折り曲げ部も糸が擦り切れて大きく口が空いています。

メンテナンスのタイミングとしては遅すぎるほどで、
見た目の改善よりも機能的な部分を優先して構造面の改善が先決です。

 

 

 

 

 


内部材にも擦れや汚れは見られますが外面が重症すぎて綺麗に見えます。

 

 

 

 

 


汚れた小銭を入れますので小銭入れの中の擦れや汚れは避けることができません。

 

 

 

 

 


今回はリニューアルリペア加工ですので弱った縫製糸をすべて抜き取り解体です。

 

 

 

 

 


H金具を取り外した部分と比較すると外面よりは綺麗に見える内部材も、
薄黄色っぽくなり全体的に色褪せていることがわかります。

 

 

 

 

 


出来る限り汚れを取り除いてみると表皮が剥がれた部分が鮮明になりました。

折り曲げ部や底面やベロ革の周囲など擦れやすい部分が、
傷みやすいことが、わかります。

表皮の剥がれ欠損も見られる折り曲げ部や底角部は強化加工が必要です。

 

 

 

 

 


ループ革も外面に出ている部分は表皮が残っていない状態。
ベロ革も表面はスレスレでボロボロです。

手垢汚れでカモフラージュされていましたが構造的にも限界の状態でした。
全体的に少し手遅れとも言える状態ですが、
各部に強化加工を施しながら機能面を改善させ見た目も整えます。

 

 

 

 

 


リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 


小銭入れの中も綺麗になりました。

 

 

 

 


折り曲げ部などに強化芯材を入れ込んで縫製しています。

 

 

 

 


ベロ革もループ革も強化しながら本体と同色に。

 

 

 

 


疲れ果てた状態でしたがリニューアルリペア加工でシャキッとしました。

長くは愛用できない状態でしたが構造面のメンテナンスで、
耐久性が改善したことが見た目の改善よりも重要です。

丁寧取り扱いながら大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

シャネルの擦れ汚れ


シャネルのハンドバッグです。

丁寧に使用されている印象ですが汚れが目立つ革色で、
綺麗な状態を保つのが難しいバッグです。

 

 

 

 

 


持ち手の外周は擦れて表皮が剥がれています。

 

 

 

 

 


表皮が剥がれた部分には手の脂分や汚れが染み込んで変色しています。

 

 

 

 

 


底角も擦れやすい部分で革の繊維が露出して毛羽立っています。

 

 

 

 


こちらの底角も同様に。。。。。

生産時のボンド汚れも数か所に見られます。

 

 

 

 


接着で仕上げられた引手革もボンド汚れや擦れが見られます。

 

 

 

 


全体的には薄汚れが・・・・

 

 

 

 


同様に。。。。

 

 

 

 


同様に。。。。

 

 

 

 


赤い汚れの付着も数か所に見られます。
汚れを取り除くクリーニング加工のあと、擦れ部を整える補修を施して補色します。

 

 

 

 


クリーニングと補修補色加工の完了です。

 

 

 

 


ボンド汚れも改善しています。

 

 

 

 


スレスレだった持ち手の付け根も綺麗になりました。

 

 

 

 


持ち手も同様に。。。。

 

 

 

 


薄汚れや赤い汚れも改善しています。

 

 

 

 


使用すれば汚れや擦れは避けようがありませんが、
丁寧な取り扱いと早めのメンテナンスで良い状態を保つことができます。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索