Wカブセ財布

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2001年2月にフランスの工房で作成されたヴィトンのコンパクト財布です。
本体の両側の折り曲げ部とコバ面の仕上げ直しのご依頼をいただきました。

 

 

 

 

 

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本体の折り曲げ部は糸がホツレ、コバ面の塗料も剥がれて口が空いています。
この状態で使用するとモノグラム地に亀裂が発生します。

 

 

 

 

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こちら側はモノグラム地が欠損しています。
ここまで悪化させると修理不可能と断られるケースが多くなります。

 

 

 

 

 

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同じように屈曲させるカブセの折り曲げ部も擦れやホツレが見られます。
強化しておくのが最善ですが今回はコバ面のみ仕上げ直します。

 

 

 

 

 

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こちら側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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本体の折り曲げ部を解体すると黒い芯材が入れ込まれていました。

最近のモデルでは珍しい一手間ですがモノグラム地が欠損していないのは、
芯材が入れてあったためと考えられます。

 

 

 

 

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こちら側には芯材はありませんでした。

 

 

 

 

 

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強化芯材を入れ込んで亀裂や欠損が悪化しないように組み立て直します。

 

 

 

 

 

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外周のコバ面を仕上げ直して加工完了です。

 

 

 

 

 

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同様に。。。。。

 

 

 

 

 

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変色していた金具を右側半分だけ磨いてみました。
真鍮ですので変色しやすい金具ですが磨いておきます。

 

 

 

 

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製造から15年以上経過した財布ですがメンテナンスすることで、
まだまだ、活躍してくれます。

丁寧に作成された良い財布ですので大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

財布届きました。
無事直って嬉しいです。
また機会がありましたら頼みたいと思いますので宜しくお願いします。

茨城県 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
現行品とは比べ物にならないほど良い品ですので、
大切に長くご愛用ください。

マヌルの修理

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ルイヴィトンの Marne(マルヌ M51369)です。
1989年10月にフランスの工房で作成された最高品質時代のバッグです。

 

 

 

 

 

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最高品質のヌメ革が使用されているバッグですが、
外周のテーピング革が現行の革で交換されています。

 

 

 

 

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付け根革が切れて使用不可能な状態です。

古い品ですのでパーツがないと直営店に断られて、
当社にご依頼いただきました。

 

 

 

 

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ヌメ革の油脂分が抜けて硬化してサクサク状態です。

 

 

 

 

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反対側も限界を迎えています。

 

 

 

 

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内張りがあり硬い芯材が入れ込まれたマチ部材は大きく解体しなければ、
パーツ交換することができません。

 

 

 

 

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刻印入りカシメ金具を取り除いてマチ部材を解体。

 

 

 

 

 

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厚みがある硬いボール紙が芯材に使用されています。

 

 

 

 

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付け根革は一枚の革を折り曲げただけの構造です。

 

 

 

 

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付け根革の作成交換と組み立て直しの完了です。

 

 

 

 

 

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付け根革は強化芯材を入れ込んで内側にもヌメ革を重ねて作成しています。
材料費だけでなく難易度もアップしますが新品時より丈夫になっています。

 

 

 

 

 

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負担が掛かる付け根革が丈夫になりましたので安心して使用いただけます。
日本では数少ないモデルですので大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

レザークリエーション 御中

こんにちわ。今 届きました〜
綺麗に修理されてて見とれてます…笑
肌色の新品から、途中修理された部分と二十五年以上の時を経て
すっかり飴色になったヌメ革の色が三段階になって、面白い…
そんなツギハギされてまた元気を取り戻してる感じが、自分の人生みたいです

可愛い〇〇〇〇〇も 出て来て 感激
私ガラケー愛好者なので早速付けようと思います
本当に有り難うございました

大事に使ってまた修理が必要になった時に、ぜひお世話になりたいと思っていますので、
くれぐれもお元気にご活躍下さいね(もちろん 受付待ちは覚悟しております)

この度のご縁に感謝しております
有り難うございました

愛知県 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
当社で作成したパーツは外周のテーピング革よりも、
当時の素材に近い革ですので、使用していると同系色に馴染んできます。
大切に長くご愛用ください。

ホワイトハウス財布修理

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ホワイトハウスコックスの二つ折り財布です。

変形・擦れ・ヤブレ・劣化・硬化・色落ち・ひび割れ・汚れなどフルコースで、
損傷が見られます。

 

 

 

 

 

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劣化した革は柔軟性がなくひび割れが見られます。

素材自体が変質して革としての機能を発揮しない状態ですので、
傷みが激しい部分は作成交換が必要です。

 

 

 

 

 

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折り曲げ部は擦り切れて無くなり、大きな穴も空いた部分があります。

 

 

 

 

 

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同様に。。。。

 

 

 

 

 

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反対側の折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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ここまで悪化すると素材が変質していますので、
見た目を改善させても長くは愛用いただけません。

ここまで残念な状態の財布は多くありませんが、
革製品は早めのメンテナンスを施さなければ良い状態を保つのは困難です。
 

 

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内部材も重傷です。

 

 

 

 

 

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小銭入れの内張りは革が無くなるほど酷使されています。

 

 

 

 

 

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バラバラに解体して素材を見極めて長く愛用いただけるように組み立て直します。

 

 

 

 

 

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多くのパーツを諦めるしかありませんでしたが、
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

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新しい素材で復活です。

 

 

 

 

 

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内部材も復活。

 

 

 

 

 

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薄らと残るロゴマーク刻印部は交換せずに仕上げています。

 

 

 

 

 

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各部に強化芯材を入れ込みながら内張りも張替交換して組み立て直しています。

天然素材の皮革製品はメンテナンスしながら丁寧に使用することで、
良い状態を保ちやすくなり長く愛用することができます。

大切に長くご愛用ください。

 

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ダミエ財布の修理

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ルイヴィトン ダミエ長財布です。

 

 

 

 

 

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折り曲げ部が欠損しています。

傷みやすい折り曲げ部ですが、ここまで悪化させると基本的には手遅れで、
直営店でも縫い直す事すらできないと断られてしまいます。

 

 

 

 

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反対側も同様に。。。。

購入時に見極めることは難しいのですが、
ダミエの裏地に赤い布を張り合わせたモデルがあります。

外周のコバ塗料が剥がれてくると周囲に赤い色が目立ってしまいますし、
この財布のようにダミエ地が切れて欠損してしまうと残念すぎる状態になります。

 

 

 

 

 

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内側の様子から乱雑に使用されていた印象はありません。
丁寧に使用できる方だけに、もっと早い段階でメンテナンスしていればと・・・・

 

 

 

 

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小さな擦れが数か所に見られますので補修補色加工します。

 

 

 

 

 

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折り曲げ部は内部材の革も欠損していてミシン目がありません。

 

 

 

 

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内部材のダブつき変形も見られます。

 

 

 

 

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反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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ポケットの中も大きなダブつき変形が見られます。

使い方の問題ではなく外面のダミエ地が縮んでしまったことが原因で、
内部材が余ってしまい大きなシワになっています。
お札の出し入れでも引っかかりますので修正が必要です。

 

 

 

 

 

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小銭入れの内張りは合成皮革素材が劣化しています。
2007年5月に製造された品ですので使い方の問題よりも経年劣化と判断できます。

 

 

 

 

 

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バラバラに解体。

合成皮革部は本革で作成交換して縫製すらできない折り曲げ部は、
復元強化加工で復活させながら丈夫に組み立て直します。

 

 

 

 

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欠損していた折り曲げ部を復元強化加工で縫製できる状態に復活。

 

 

 

 

 

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こちら側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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欠損していた内部材も復活してダブつき変形もスッキリさせました。

 

 

 

 

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コバ面も仕上げ直して赤い色が見えなくなっています。

 

 

 

 

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擦れ傷も目立たなくなっています。

 

 

 

 

 

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こちら側のカードポケットも同様に。。。。

 

 

 

 

 

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2007年以降の品ですので不安があるダミエ地全体に強化加工を施して、
これ以上縮んでしまわないように頑丈に組み立てています。

しばらくは固さを感じると思いますが合成皮革部は本革仕様になり、
各部の強化で長く愛用いただける状態ですので、
使い込みながら少しづつ馴染ませながら大切に長くご愛用ください。

 

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ロッティ財布のホック

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ジャンフランコ ロッティの財布です。

 

 

 

 

 

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カブセを開ける度に擦れてしまう部分には擦れが見られます。
今回はメッキが剥がれたイタリーホックを交換します。

 

 

 

 

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三つ折り財布で小銭入れも完備。

 

 

 

 

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小銭入れもホック交換します。

 

 

 

 

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凹側ホックのバネが折れて無くなっています。

 

 

 

 

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三つ折り財布ですので傷みやすい折り曲げ部は4か所になります。
擦れも見られ復元強化加工が理想ですが今回はホツレの縫い直しのみのご依頼です。

 

 

 

 

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元と同じ金具で小銭入れのホック交換完了です。

 

 

 

 

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本体のホック交換も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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折り曲げ部の3か所にホツレが見られましたが、
擦れやすい部分ですので4か所とも縫い直しておきました。

壊れたホックの交換やホツレの縫い直しで構造的には問題ない状態ですが、
強度アップなど耐久性の上がる加工はしていませんので、
丁寧に取り扱いながらご使用ください。

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Dior擦れ傷

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クリスチャンディオールのDIORAMAです。

 

 

 

 

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このバッグのメインモチーフのDiorのロゴマークですが「D」の文字が欠損しています。

 

 

 

 

 

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全体に色褪せていますが底角付近や凸部分は擦れて表皮が剥がれています。

 

 

 

 

 

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同様に。。。。

 

 

 

 

 

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天部の角も擦れやすい部分です。

 

 

 

 

 

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全体に色褪せして黒味が白っぽくなっていますが、
特にキルティング加工された部分が出っ張っていて擦れてしまいますので・・・・

 

 

 

 

 

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キルティング加工の出っ張った部分は擦れやすく表皮が剥がれています。

 

 

 

 

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表皮が剥がれると白くなってしまう革ですので擦れが目立ってしまいます。

塗料を厚塗りすれば擦れや傷は見えなくなりますが、
革の表面が塗料になりますので革の風合いを損ないます。

出来る限り厚塗り塗装しなくてよいように表皮が剥がれた部分を整えてから
補色加工を施します。

 

 

 

 

 

 

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外面の補修補色加工の完了です。

底角や出っ張り部の白くなった擦れ傷だけでなく全体的に色褪せていた革の
黒味が改善しています。

 

 

 

 

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天部の角も同様に。。。。

 

 

 

 

 

 

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持ち手も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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真鍮の無垢板から「D」の文字を作成してメッキ加工を施します。

 

 

 

 

 

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ロゴマークも復活しました。

 

 

 

 

 

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柔らかく擦れに弱い革で底角だけでなくキルティング加工の凸部分があり、
擦れが避けられない構造のバッグです。

革の繊維まで染め込まれた革なら多少の擦れは目立たないのですが、
表皮が剥がれると擦れ部が白く目立ってしまいます。

少しでも耐久性を上げるためにコーティング加工を施していますが、
良い状態を保つためには丁寧に取り扱うしか方法がありません。

お洒落でカッコいいバッグですので出来るだけ良い状態が保てるように、
工夫しながら大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション御中

御世話になっております。
開封したところ綺麗に蘇っていて感動しております。

これは1年ほどしか使用してませんが、デザイン上、すり傷がつきやすいのだなと
ブログを拝見して思いました。

早めにメンテナンスして良かったとつくづく思いました。
こちらのチャームのイニシャルも修理に出すまで取れていたと気が付きませんでしたが
レディディオールと同様にきれいに仕上げていただきありがとうございました。

修理をお願いして気づきましたが、大切に扱う、お手入れをする、早めにメンテナンスをする!
今後はこれらに気を付けて大事に使っていきたいと思います。

蘇らせていただきありがとうございます。
またなにかありましたらお願いいたします。

この度は本当にありがとうございました。
段々と寒さが増して参りますのでご自愛のほどを。

東京都 K 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
丁寧に取り扱いながら大切に長くご愛用ください。