エルメスの巾着はショルダー絞り紐の交換をしましたが、それ以外のバッグは内張りの劣化部の交換です。
高級ブランドのシャネルやヴィトンでも合成皮革部分は劣化してベタツキが出てしまいます。
内張り交換は何度もブログで取り上げていますので、珍しい内容ではありませんが、
バニティの内張り交換はブログでは初めてのタイプですのでご紹介します。
ほとんど新品状態の綺麗なバニティバッグです。
未使用ですが古い物ですので表面のキャビアスキン素材は現行品とは比べ物にならない良質革です。
しかし、内側は何年も使い古したように劣化しています。
少し触れるだけでも黒い合成皮革が手にこびり付いてきます。
内側の合成皮革とベタ付き汚れがこびり付いたファスナーを取り外しました。
手が真っ黒になったのは言うまでもありません。
内側が空っぽになったバニティです。
こんな姿はブランド愛好家や鑑定士でもあまり見れないはず・・・
最高品質だった頃のバッグですから本革で内張りを作成しました。
合成皮革の様なベタ付き劣化の心配は無くなり高級感もアップです。
シャネルのギャランティカードには数字が刻印されています。
この数字は内張りにも特殊なシールで記載されています。
かなり汚れていましたがギャランティシールも内張りに元通り付け直しました。
最高級ファスナーに付け替えましたので開閉もスムーズです。完成!
モノグラムのバッグは劣化してべた付いた内ファスナーポケットを本革で交換しました。
合成皮革部分がバッグから無くなりましたので安心して長~くご使用いただけます。
内張りを交換できるとこまで解体して組み上げた後、バッグ全体のコバ(切り目)の仕上げ直しをしました。
塗料を塗り重ねては磨き込む作業を繰り返してコバが仕上がります。
一見、コバ部に塗料を塗るだけの簡単な作業と思いがちですが、かなり手間暇が掛かる作業なんです。
エルメスのバーキンなどはコバ仕上げが必要な外縫いタイプとコバ仕上げのない内縫いタイプとでは
何万円も価格が違う(5万円ぐらい?)は有名な話です。
本体同様に付属のショルダーベルトもコバ仕上げし直してあります。
ベタ付き劣化しない塗料を使用していますので安心です。
エピレザーのセカンドバッグも内ポケットと背面ポケットのベタ付き劣化のため本革で交換しました!
エピレザーや本革部分にもベタ付き汚れが付着していて大変苦労しましたが、
合成皮革部分がバッグから無くなりましたので2度と劣化の心配はありません。
シャネルの小さなポーチでしたがチェーンショルダーを作成しました。
ベタ付き劣化していた内張りはご依頼どおり同系色の本革で交換しています。カワイイ!
左マチには素人修理された跡など大きな損傷がありましたが問題なく仕上がっています。
全体にあった黒い汚れも補修していますので綺麗な状態です。
ショルダーの取り外しが可能ですので使用頻度がアップしそうです。
今回は、すべて一人のお客様からのご依頼でした。
同時にお預かりしているエルメスバーキンやドゴンの修理などもブログで紹介する予定です。
かなり、苦戦しそうなエルメスの修理ですので、お時間頂戴しますがお楽しみに!
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brad-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索