2000年製造の旧タイプのHERMES Beant 長財布です。
リニューアルリペア加工を承りましたので各部のチェックからスタートです。
黒いシミ汚れも気になるところで・・・・
部分的に革が硬化していて嫌な予感がします。
ベロ革もステッチが擦り切れてコバの塗料も剥がれて白い芯材が露出しています。
旧タイプのH金具ですが角はメッキが剥がれて真鍮が露出して腐食も進行してます。
ファスナー周りのステッチは色が抜けて白く見えます。
反対面に入れるカードが擦れるので革の表皮もスレスレ状態ですねぇ~。
旧タイプですのでビニールコイルのファスナーが使用されていますが、
金属エレメントのファスナーで交換します。
ステッチが擦り切れて縫製されなくなると口が空きポケットなども剥がれます。
こうなると使用は困難でご自身で素人修理したくなります。
このブログでも瞬間接着剤の使用例は何度も掲載していますが、
革が硬化してしまい縫製が不可能になることも・・・・
小銭入れのファスナーも解体してベロ革は芯材を取り外しています。
各部に強化加工を施しながら組み立て直します。
丈夫な芯材に入れ替えたベロ革と綺麗になった小銭入れの内側です。
折り曲げ部も強化芯材を入れて縫製完了!
瞬間接着剤の黒いシミもなくなりました。
ベロ革付け根ループも取り付け完了です。
ベロ革の外周コバも仕上げ直してスッキリしました。
縫製糸の色抜けが各部に見られましたので、すべて縫い直しています。
ご親戚から譲り受けられた財布で瞬間接着剤のご使用だけは残念でしたが、
リニューアルリペア加工で新品時より丈夫に仕上がっています。
長く愛用いただける状態に復活しましたので大切に長くご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索