1988年1月にフランスの工房で作成されたルイヴィトンのモンソーです。
しっかりと作りこまれたバッグですが26年前の品ですので、
リニューアルリペア加工で丈夫に仕上げます。
底は前後のモノグラム地が変形してバッグが自立しない状態です。
コバの塗料は剥がれていませんが芯材などの剥がれで割れが見られます。
カブセの開閉の度に負担が掛かり傷みやすい部分ですし、
モノグラム地の欠損や亀裂も発生していますので復元強化加工が必要です。
持ち手の表皮にも小傷が多数見られますが年代物としては良い状態です。
ロック金具は機能的には良い状態ですが変色が見られ、
ツマミやビスなど出っ張り部は擦れやすく傷が深いです。
カブセの内側の状態です。
上質な革が使用されていますが・・・・汚れ、傷、色あせのフルコースです。
内ポケットの合成皮革は劣化していて当然ですね。
長く愛用いただけるように本革で内張りを作成します。
マチ底の縫い合わせ部を内側から見たところです。
内張りの剥がれも見られますし解体して強化加工を施します。
カブセのモノグラム地に張り合わされた芯材はパキパキに劣化しています。
カブセ内張りの革に張り合わされた芯材も同様に。。。。
内側の芯材でも古くなると変色するんです。
マチ革も解体して内張りも剥がしましたが芯材は使用されていないようです。
強化芯材を挟み込んで組み立て直します。
右は汚れを取り除いて擦れ傷を補修して表皮を整えたたところで、
左は強化芯材を貼り合わせて補色加工したものです。
表皮を整えてから補色しないと均一に仕上げることはできません。
ロック金具も取り外して解体しました。
ここまで金具を解体して修理するのは・・・・やりすぎですね!
通常は解体不可能なパーツまでバラバラにして、
すべての金具を磨き込みました。
内ポケットのファスナーは新品交換して内張りは本革仕様。
すべての芯材を取り替えながら各部に強化加工も施しました。
持ち手も小キズが消えてコバ面も仕上げ直しています。
金具もピカピカです。
変形していた底部も真っ直ぐになりコバ面も綺麗になりました。
これならテーブルの上にバッグを置いても自立します。
古き良き時代に作成された丈夫なバッグがより頑丈に復活しました。
大切に愛用しながら長く活用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索