擦れや色あせが目立つコーチのバッグと手遅れ状態のエピ財布です。
コーチのバッグは全体の色あせに加えて表皮が剥がれた擦れが多数あります。
不思議な模様のスレキズは自転車のカゴで擦れたのでしょうか?
引き手革や本体上部の擦れは使い込んだ擦れと色あせで自然です。
全体に表皮が剥がれて白く目立つ擦れがあり持ち歩きにくい状態です。
色落ちする変化を楽しめる素材ですので画像の部分のように、
均一に綺麗に色落ちしてくると使い込んだ風合いが増すのですが、
各部に擦れ傷が多数あり丁寧な取り扱いが必要です。
パープルのコーチも同じように活用されていますのでスレスレです。
同様に。。。
表皮が剥がれると汚れや湿気を吸い込みやすくなり、
革の柔軟性が低下して劣化が早まります。
全体的に色落ちしています。
両側の持ち手も同様に。。。
折れ込んだ部分で外面ほど擦れない部分も擦れや色あせが目立ちます。
表面だけを着色した革ですので擦れると革の繊維が露出して白くなります。
こちらのバッグも持ち歩きにくい状態ですので茶色のバッグ同様に、
クリーニングと外面の補修補色加工を施します。
ルイヴィトン エピ二つ折り財布ですが、
財布の機能を果たせないほど損傷が見られる状態ですので、
もはや財布ではなく元財布です。
エピ革は劣化してひび割れ、折り曲げ部は擦り切れて無くなっています。
擦り切れて欠損した部分は存在しません。
存在しない部分は修理できませんし、
ひび割れ劣化して朽ちた革が新品時に戻ることはありません。
反対側も折り曲げ部が無くなっています。
よく見ると角部や外周も擦り切れて無くなっています。
折り曲げ部だけでなく外周全体が無くなるまで活用された財布ですが、
製造からは20年ですので不思議に思えるほど早い損傷です。
エピ革は内側に折り返したヘリ返し構造のはずですが、
外周は全て擦り切れて欠損していますので外周全体が破れた状態です。
大きく破れたように見える部分もありますが、
革が磨り減って無くなりステッチから外れたようです。
内側部材も擦り切れ欠損が見られます。
エピ革だけでなく内部材も擦り切れて欠損しています。
他にも損傷部は多数あり財布とは呼べない手遅れ状態ですが、
リニューアルリペア加工で財布として活用できる状態に戻します。
汚れを取除くと擦れが鮮明になります。
天部も同様に。。。
ショルダーもスレスレ。
パープルのバッグも汚れを取除き擦れ部を整える補修加工のあと、
補色します。
バラバラに解体。
この財布を修理するのは特別な思い入れがあるからだと思われます。
傷んだパーツを全て取り替えると別の財布になってしまいますので、
出来る限りパーツ交換しないで財布として使用できる状態にします。
小銭入れのカブセも擦切れ破れや劣化が見られ朽ちた状態です。
内側に強化芯材を入れ込むことで劣化した部分の強度を補います。
財布の形状とは違う形になった本体も欠損部を部分作成しながら、
全体を強化して財布の形状に戻します。
スレスレで傷だらけだったコーチのバッグの、
クリーニングと外面の補修補色加工の完了です。
引き手革や天部も同様に。。。
ショルダーもスレスレでしたが復活。
パープルのコーチも全体に擦れや色あせが見られましたが、
クリーニングと補修補色加工で改善。
スレスレだった底角も改善。
色あせや擦れや汚れが見られた天部やマチも改善。
エピの二つ折り財布も財布として機能する状態に復活です。
折り曲げ部の欠損は部分作成して財布の形状に戻しています。
内側の折り曲げ部も同様に。。。
内張りの合成皮革は本革で作成交換しましたので、
ベタツキ劣化の心配は無くなっています。
外周は新品時と同じ構造でヘリ返しが復活しています。
小銭入れの中も綺麗になりました。
出来る限り元の素材のままで組み立て直していますが、
財布として機能するようになっただけでなく、
各部に施した強化加工で全体の強度もアップさせています。
どのような加工を施すよりも丁寧な取り扱いが財布やバッグを
良い状態のまま長持ちさせてくれます。
出来る限り良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
有限会社レザークリエーション様
お世話になります。
本日、財布、バッグ届きました。
丁寧に、綺麗に仕上げて頂きましてありがとうございました。
ブログの方にも掲載頂きありがとうございます。
特に財布が蘇り、有難いです。
予想以上に早い仕上がりでしたので、
持ち主に渡すのをいつにしようか迷うところなのですが、
サプライズで返却したいので、
また、この財布のストーリーは、ちょっと先になりますが、
改めてご連絡させて頂きます。
鞄の方ですが、茶色の方の不思議な模様は、自転車のカゴでもなく、
(自転車乗らないので)どうやって付いたのかも覚えがなく、
傷みがひどくなって時々使う程度でしたが、
保存状態がよくなかったのかもしれないです。
パープルの方も、角の傷みがひどくなってから、
持ち歩けないな~と思ったまま、外に出していたので、
色褪せがさらに全体的に進んでしまったのだと思います。
出来る限り丁寧に扱いながら、長く愛用していきます。
また、修理が必要な時はよろしくお願い致します。
本当にありがとうございました。
兵庫県 K 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
出来る限り改善させましたので、
良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。