大きなトートですので持ち手の付け根に負担がかかります。
後ろ側の壁に持ち手をもたれかけないと前後に持ち手が倒れてしまう状態です。
出先でテーブルなどにバッグを置いたとき、持ち手がクタ~と倒れるトートは残念ですし、
沢山の荷物を入れ込んでも安心して使用できるように補強加工します。
アップで見ると本体全体のキャンバス地のコーティングに劣化があります。
全体のコーティングがポロポロと剥がれおちてくる状態で、まだ剥がれていない様に見える部分も
キャンバス地との定着が弱く浮いたような状態です。
画像では伝わりにくいですが、日焼けで背中の皮がめくれるような感じです。
「ポロポロと剥がれおちるコーティングを停める事が出来ればOK!」と、ご了解いただいていますが・・・・
うろこ状に剥がれたコーティングを定着させポロポロと剥がれてくることは無くなりましたが・・・・
すでにコーティングが剥がれて無くなっていた部分が多数あり、シミ汚れの様に見えてしまいます。
こちら側も、うろこ状に剥がれかけたコーティングは定着させましたが・・・・・
コーティングが剥がれて無くなっていた部分も大きく、巨大なシミの様です。
画像では伝わりにくいかもしれませんが、色やツヤ感・質感などコーティングのある部分と無い部分では
違和感がかなりあります。
「直営店などでは不可能ですがポロポロと剥がれてくるコーティングはキャンバス地に定着させます。」
「剥がれ落ちて無くなってしまったコーティングは存在しませんので無い物を定着させることはできません。」と、
お伝えして、ご了解いただいた加工なんですが・・・・モヤモヤします。
商売としては「これでOK!」なんですが・・・・
持ち手は全体的に色剥がれしています。
革の表面を補修したあと補色加工が必要です。
キャンパス地が白色系なのでこのような部分は補修補色も苦労します。
持ち手は取り外して解体し付け根の強化加工を施します。
本革パーツの補修補色や持ち手付け根の強化加工など全て完了し、
コーティングの剥がれも定着させ一度は完成したのですが・・・・バラバラです
持ち手付け根の強化を施したあと本体に取り付けています。
持ち手はクタ~と倒れることなく頑丈です。
天部口周りの擦れキズや内側に多数あった引っかき傷も補修しました!
一目瞭然ですがキャンバス地の半分だけコーティング加工してみました。
キャンバス地にコーティングがないと水分や汚れを吸い込んでしまいます。
コーティング加工した部分は水分や油汚れも防ぐ効果があり白系のキャンバス素材には有効です。
最近のコーティングは劣化して剥がれてくる心配もありません。
予定外の大仕事でしたが完成です。
全バラしましたので革パーツの補修補色だけでなく、コバ(厚み部分)の仕上げも完璧です!
型崩れもなくなり、持ち手も自立してカッコイイです!
丈夫に仕上げていますし、表面の劣化の心配もなくなりましたので、安心してご使用いただけます。
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索