全体的に汚れやシミがあり酷使された様子のシャネルのバッグです。
使い込んだ汚れだけでなく何かが付着したシミ汚れも全体に見られます。
後面は全体的にスレスレ状態で表皮が剥がれた部分に青っぽい染料が
染み込んでいます。
体に触れる側ですのでジーンズの染料かと想像しています。
底角は擦れて繊維が毛羽立っていますが、
パイピングは代用の革を使用し他店で補修した形跡があります。
手が触れる部分は手垢汚れで脂分が染み込んで茶色く汚れています。
外面に綺麗な部分は残っていないほど汚れが目立ち持ち歩きにくい状態ですが、
出来る限り汚れを取り除き出来る限り復活させます。
汚れを取り除いてみると表皮が擦れて剥がれた部分は白く繊維が露出します。
汚れをと取り除かずに塗装してしまえば下地と整える加工もなくなり楽ですが、
塗料の密着が悪くなり汚れが浮き出てくる可能性も考えられます。
しかし、手間がかかり過ぎるので汚れの上から塗装してしまう、
「必殺!臭い物には蓋をしろ加工」が横行します。
繊維が露出して毛羽立った部分は補修加工で表面を整えて補色します。
他店で修理したパイピングも同色になり目立たなくなっています。
汚れ・色褪せ・ボールペン汚れ・シミ汚れ・擦れ・色移りなど、
すべての汚れを一つのバッグに凝縮したような残念すぎる状態でしたが、
悪戦苦闘の末、なんとか活用いただける状態に復活しました。
使用すれば自然な汚れは避けられませんが、
少しの気遣いで汚れの進行は激減します。
大切に活用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索