先端のナスカン金具の部分も加工されていると思いますが
どちらもご報告はありませんでした。
防犯対策のベロ革カブセだと思いますが、
ナスカン金具が邪魔とのことでホックで留められるように改造部の改造をします。
前面のポケットに加え本体は天部がWファスナーの2ポケット構造です。
安全ピンを外すとベルト通しと本体のバランスが悪く、
本体の傾きが大きくなるようです。
安定感も悪く使いづらいので仕方なく安全ピンで固定して使用されていたようです。
前面にある大きなポケットは愛用されているスマホが収まるサイズ加工します。
本体に対して限界に近いサイズのポケットですが、
縦のサイズを20ミリ長くなるようにとご依頼いただきました。
カブセを移設して大きなスマホが収まるサイズにしようと思うのですが、
マグネット金具の位置関係もあり簡単には加工できません。
Wファスナーの本体ポケットは、どちらも同じサイズのマチ幅ですが、
後側のポケットのみマチ幅を20ミリに大きくする加工も依頼がありました。
バラバラに解体する加工になりそうです。
問題のポケットの長さを20ミリ長くする工程ですが、
元の縫い付け部には針穴がありますし、
すぐ上にはファスナーポケットの部材がありますので、
狭い範囲でのせめぎ合いで配置しなければ・・・・
仮にカブセを20ミリ移設すると、こんな感じになります。
こんな感じではマグネット金具も留まらないし、
マグネットを取り外して移設してもマグネットの取り付け穴が空いています。
どーしたものでしょう・・・・
マチ幅を大きくする加工は大工事ですがポケット部のような悩みはなく、
作業を進めるだけです。
できることからコツコツと仕上げます。
ループ革の先端についていたナスカンを取り外しホック留めに仕様変更しました。
こんな感じで留まりますのでナスカンよりスッキリで軽くなりました。
安全ピンが必要ないように元のホック取り付け穴を利用して、
ループ革をカシメで固定しておきました。
問題の前ポケットも20ミリ長く仕上がっています。
カブセもポケット部も外観は元の革のままです。
当然ながら上部のファスナーポケットも問題なく使用できます。
カブセを20ミリ移動させたことがわからないように、
カブセの裏側は新しい革で作成して元の針穴を隠すように縫製しています。
マグネットの移設のためにポケットの前側にはカブセと同じ形状で革パーツを
取り付けてあります。
カブセを閉じると外観からは見えない様に工夫している他に、
マグネット取り付け部やポケット天部の強化にも一役買っています。
実はカブセ裏の革だったパーツをポケットの本体側に移設したものです。
代用の革ではありませんので違和感がありません。
改造したような違和感なくご希望のサイズに変身しましたので、
大切に長くご愛用ください。
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