ルイヴィトン モノグラム財布です。
両面にカブセがあるコンパクトな財布で人気の定番財布でした。
1999年製造の古い品だけに経年劣化や擦れが重症です。
本体と両面のカブセに傷みやすい折り曲げ部がある構造ですので油断禁物。
状態を見る限り、かなり油断したまま活用されていたようです。
カブセの折り曲げ部も同様に。。。。
折り曲げ部は? どこ?。。。
「USA VUITTONであることが使い続けたい理由の一つ」と、
お聞かせいただいていますが・・・
尻ポケットに入れて活用されていたようです。
アメリカで購入されてから20年以上経過していますので、
合成皮革の内張は劣化しています。
他にも損傷は多数ありますがキリがないのでバラバラに解体します。
既に廃盤商品で買い替えることもできない財布です。
ここまでボロボロになると手に負えない事もありますが、
修理依頼されても冗談だと思われる修理店も多いと思います。
しかし、「買い替えできないほど愛着がある大切な財布」でなければ、
これほどの状態まで使い続けることはありません。
状態が悪く手遅れと言える財布ですが出来る限りの加工を施し、
引き続き活用いただけるように出来る限り改善させます。
擦り切れ破れや欠損は折り曲げ部だけではない状態です。
この辺りの外周もボロボロ。
指先で裂けるほどペラペラの薄い革を貼り合わせたマチ部材。
強化芯材を挟み込んで組み立てなおします。
リニューアルリペア加工の完了です。
数えきれないほどの補強や再生加工を施しています。
20年以上、メンテナンスやお手入れをしなかったボロボロの財布も、
リニューアルリペアするとお手入れしたくなる方が多いです。
お手入れは新品時から小まめにするのが有効ですし、
良い状態を保つ最善策は詰め込みすぎに注意し尻ポケットに入れないことです。
財布やバッグは丁寧に取り扱うだけで良い状態を保ちやすくなります。
無くなっていた折り曲げ部も縫製できる状態に復活。
小銭入れの中も綺麗になりマチ部材は新品時より丈夫に復活です。
高額加工ですがビジネスとしては成立しないのがリニューアルリペア。
ファスナー交換の修理を10本する方が簡単ですし時間も手間もかかりません。
当然ながら利益もファスナー交換10本の方が確保できます。
いつまで続けられるかわかりませんが、
買い替えることができない愛着のある「大切なバッグや財布」のために、
出来る限り頑張りたいと思います。
購入されたオレゴンでの思い出や長く活用してきた愛着をとめることなく、
引き続き活用いただけるようになりましたので、
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
レザークリエーション様
お世話になっております。
本日無事届きました。
レザークリエーション様にお願いして本当に良かったと思っております。
ブログも拝見させていただきました。
コメントが心に染みました。
死にかけた(既に死んでた?)財布を完璧に復活させていただいた御社に
感謝しながら今後は大切に使っていこうと思います。
返却いただいた既存の布も思い出にとっておきます。
これからもブログは楽しみに拝見させていただきます。
ありがとうございました。
東京都 T 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
出来る限り良い状態を保てるように、
詰め込みすぎや取り扱いに注意しながら、
大切に長くご愛用ください。