ルイヴィトン モノグラム・ミニ サックマリーケイト48h (M42342)です。
コレクションモデルとして限定発売された大きな書類バッグですね。
前ポケットのデザインも凝った作りで格好良いです。
見た目だけでなく構造上も好感の持てる作り込みでgoodです。
底角などテーピング革には擦れ傷が多数見られますので早めの対策が必要です。
前面中央天部のモノグラム・ミニのキャンバス地が破れています。
今回はこの部分を修理するのですが・・・・
縫製する部分はキャンバス地の織りがほどけて縦糸だけになっているようです。
縦糸だけの布地を縫製しても縫い留める事ができませんし、
モノグラム柄のことも考慮する必要が有りますので・・・・むずかしすぃ~
内張りを解体して内側から見てみるとキャンバス地の横糸だけが・・・・
内側の白い布はモノグラム・ミニのキャンバス地に張り合わされて、
キャンバス地の織りがほどけたり型崩れしないように芯材の役割をしているのですが・・・
芯材の白い布とモノグラム・ミニのキャンバス地の接着が剥がれています。
この状態では芯材は強度を保つ役割は果たせていませんので、
キャンバス地だけに負担が掛かります。
雨に濡れたり構造を考慮しないクリーニング加工をすると
表面上ではわからない芯材などの部分に損傷を与えるケースがあります。
キャンバス地の縫い代は2ミリ程度で僅かしかありません。
しっかりと張り合わされているはずの芯材の重要性がよくわかります。
破れた部分を復元強化加工で修復完了です。
今回、修理した部分は新品時より強度アップさせていますので頑丈です。
モノグラム模様の問題で余計な縫いこみは出来ないのが難しいところですが、
両サイドのラインと比べても違和感なく仕上げることができました。
今回、破れた部分だけの芯材が突発的に剥がれたのなら問題ありませんが、
雨に濡れたりクリーニング加工をしている場合は
他の箇所も芯材が剥がれてキャンバス地だけに負担が掛かっている事も予想され心配です。
その場合は重たくなる荷物は避けてファスナーの開閉を丁寧にすることが必要です。
何より大きな破れになる前に軽症な段階で修理することが最善策です。
貴重なコレクションモデルですし良いバッグですので、
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索