
LOUIS VUITTON OLD Danube( 旧型ダヌーブ)です。
1983年3月製造の30年前のバッグですが現役で使用されています。

後面はポケットもなくシンプル。

外周パイピング革には擦り切れが多数見られます。

底角も同様の状態です。
この程度の損傷なら部分的な修理でも対応できるのですが・・・・

革素材の脂分が抜けて繊維がボソボソになっています。
流石に古すぎて直営店では対応してくれませんので、
新品のヌメ革で前後面のパイピング革を交換します。

前ポケットの内張りです。
やはり革がボソボソに変質していて革の欠損も見られます。![]()

長年、頑張ってくれましたがファスナーの開閉も困難な状態です。

モノグラム地には多数の亀裂があり解体して組み立て直すにはリスクが高くなります。
古いものですから解体すると外観からは見えない部分の損傷が出てきそうな予感がします。

解体してバラバラです。![]()

負担が掛かるマチ部材です。

ファスナーやショルダー付け根革を取り外すとモノグラム地が裂けていました。![]()

反対側も同様の状態です。
この他にも予定外の損傷が多数発見されましたが、このままでは組み立てできません。![]()

縫い込まれて見えなくなる部分ですが成型強化加工して組み立てます。

ショルダーの付け根革も布芯がボロボロです。
負担が掛かる部分ですので強化して組み立て直します。

前ポケットの内張りも天部が欠損しステッチがかからない状態でしたので交換します。

ポケット天部の縫い合わせ部分は針穴で蜂の巣状態です。

反対側も・・・
この部分も負担が掛かるので強化加工が必要です。
ステッチがほどけないように3~4目縫い返しているため蜂の巣になるのですが、
素材自体の強度が低下してしまいます。
昔ながらの縫製で衣料などでは当たり前の工法ですがステッチもスッキリさせます。

最高品質のヌメ革を使用してパイピング革を作成交換しました。![]()

ショルダー付け根革やマチの破れも頑丈になっています。

外観からはパイピング革とファスナーが新品になっただけですが、
長く愛用いただけるように仕上げています。

しばらく解体が必要ないように前ポケットの内張りも交換済みです。
古いものでは100年を超えるバッグも現存していますが博物館の中です。
実用使用しながら良い状態を保つのがバッグ本来の活かし方です。
引き続き大切に長く愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
レザークリエーション様
昨日バッグを受け取りました。思っていた以上の出来上がりでした!綺麗にしていただき、嬉しく思っております。
可愛いらしい○○○○○もありがとうございました。お任せして本当によかったと思っています。
また機会がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします。
大阪府 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
丁寧にご使用になれば、まだまだ現役で頑張ってくれるバッグです。
大切にご使用ください。
ありがとうございました。