ルイヴィトンのコインケースです。
こちらはアメリカで生産された、がま口の小銭入れ。
とてもシンプルな小銭入れで日本では珍しい品です。
口金金具はメッキが剥がれてシルバーに見えますので再メッキします。
底角は代用の革を張り付けた様な加工跡が見られます。
表側はパテか接着剤か塗料かはわかりませんが、
ステッチもかけれなくなるほど大盛りに仕上げられています。
貴重な良い品だけに、このような加工をされてしまう前に、
ご依頼をいただいていればと・・・・
反対側は未加工ですが擦れやすい部分ですので糸が擦り切れています。
とても古い品ですのでシルバーになった口金表面にプツプツした腐食も見られますが、
金メッキを施すことでゴールドに戻り腐食の進行も抑えることができます。
他店様での加工ですので本来の状態は当社ではわかりません。
少しづつ取り除いて本来の状態に戻します。
革の破片を張り付けて塗料を盛り付けていたようです。
瞬間接着剤も多量に使用されていてガチガチに硬化しています。
解体や強化や縫い直しなどはせずに、革の破片を瞬間接着剤で張り合わせて、
塗料を山盛りにした加工ですからダメージしかありません。
継ぎ接ぎされた内部材も解体して復元強化加工を施します。
出来る限り他店様が加工した塗料や革や接着剤を取り除いてみました。
残念な傷みが発生していたことがわかります。
反対側もコバの塗料がひび割れてホツレもありますので強化加工を施します。
モノグラム地を剥がし強化芯材を入れ込んで縫製したあとコバ面を仕上げます。
こちらはホックタイプのコインケースです。
内部材の合成皮革が劣化しています。
コンパクトな小銭入れですがパーツ点数も多く、全バラ加工になります。
合成皮革部を本革仕様に変更して組み立て完了。
ベタ付き劣化の心配がなくなり安心して活用いただけます。
口金金具の再メッキでゴールドが復活。
底角の加工も完了です。
継ぎ接ぎされた部分も目立たなくなりました。
こちら側も強化してコバ面を仕上げ直しています。
他店様の加工跡や擦り切れ欠損など重症でしたがステッチも入り、
強化加工を施したことで問題なく活用いただけます。
何故?ステッチが消えてしまうような修理をしたのかは疑問ですが、
なんとか改善させることができて良かったです。
どちらの小銭入れも良い時代に生産された高品質なものです。
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
〇〇〇〇です。
たった今、修理依頼品が届きました。
〝感動〟の一言です。修理ブログも拝見いたしました。もの凄い技術ですね。素晴らしい・・・
今日からまた大切に使いたいと思います。〇〇〇〇〇ありがとうございました。
御足労、お掛けしました。
福島県 I 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
残念な加工が施されていて悪戦苦闘しましたが、
なんとか復活させることができました。
大切に長くご愛用ください。