
ルイヴィトン モノグラムのガマグチ財布(M61674)です。

ベロ革はコバ塗料が剥がれて芯材が露出しています。
厚み部分の塗料で面積は少なく放置しても問題なく思いがちですが、
湿気や汚れを吸い込んで芯材やモノグラム地が傷んでしまいます。

財布の折り曲げ部は一番傷みが出やすく重要度が高い部分です。
ホツレだけでなく亀裂や欠損があり重傷ですが加工は先送りされます。![]()

旧モデルは左側だけにカードポケットがありましたが、
このモデルは右側にもカードポケットが3段追加されています。

ガマグチ側にもカードポケットが追加されたことで、
固いコインとカードで負担が掛かり革が裂けています。![]()

カードポケットが増えて便利になったM61674モデルですが、
小銭入れとカードの入れすぎには注意が必要です。

裂けた部分を素人修理した痕跡があり悪化させています。
素人修理で増えてしまった亀裂や針穴は新品時に戻ることは無く、
ダメージを与えただけです。![]()

口金金具を取り外さなければ縫製できない部分です。![]()

ヤブレ部の芯材などを剥がして裏側から強化しながら再生します。
カードポケットを追加するなら生産時から強化してほしい部分です。

口金金具を付け直してヤブレ部の復元強化加工の完了です。

ベロ革や外周のコバ面も仕上げ直しました。
加工キャンセルの折り曲げ部も少し整えましたが、
丈夫になったわけではありませんので長くは保たないです。

折り曲げ部や角部にはモノグラム地の亀裂がありますので、
現行品品質の財布であることを考えると早めの修理をお勧めします。
財布の素材より固い小銭やカード類は詰め込み過ぎると、
財布側の負担が大きく傷みやすくなります。
出来る限り丁寧に取扱いながら大切にご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索