エルメス二つ折り財布

hermes galilee (1)
長年のご使用で傷みの激しいエルメスの二つ折り財布(galilee)です。

 

 

 

 

 

hermes galilee (2)
折り曲げ部は糸も革も擦り切れて欠損も見られます。

 

 

 

 

 

hermes galilee (3)
反対側の折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

hermes galilee (4)
外面の色褪せや擦れが重傷ですので内部材は綺麗に見えますが・・・・

 

 

 

 

 

hermes galilee (5)
革巻きホックは擦り切れて金具が露出しています。

 

 

 

 

hermes galilee (6)
小銭入れのカブセもスレスレ。

黒っぽく見える部分は表皮が剥がれた部分に汚れが染み込んだものです。

 

 

 

 

hermes galilee (7)
札入れ部にはボールペン汚れも見られます。

 

 

 

 

 

hermes galilee (8)
ホックを取り外して革を巻き替えます。

 

 

 

 

 

hermes galilee (9)
縫製糸を取り除いて折り曲げ部を解体して強化芯材を入れ込みます。

 

 

 

 

 

hermes galilee (10)
この辺りも同様に。。。。

 

 

 

 

 

hermes galilee (11)
折り曲げ部は革が擦り切れて欠損した部分を再生しなければ、
縫い直すこともできない状態です。

古い財布だけに革素材も作り込みも最高品質時代の品です。
2度と購入できない品質だけに重症化するまで使い続けたことが残念です。

 

 

 

 

hermes galilee (12)
擦れた部分に汚れが染み込んでいましたが、汚れを取り除いた見ました。

 

 

 

 

 

hermes galilee (13)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

hermes galilee (14)
表皮を整えて補色加工を施し組み立て直します。

全体の汚れや擦れが目立ちましたがコバ面の傷みが多数あり、
コバの仕上げ直しも苦労しそうですねぇ~

 

 

 

 

 

hermes galilee (15)
革巻きホックも巻き直してリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

hermes galilee (17)
小銭入れの中も綺麗になりました。

 

 

 

 

 

hermes galilee (18)
札入れポケットも同様に。。。。

 

 

 

 

hermes galilee (19)
カブセの擦れや汚れもなくなり外周のコバ面も整いました。

 

 

 

 

 

hermes galilee (20)
ボロボロだった折り曲げ部も復元強化加工で復活。

傷みやすい部分ですので見た目より強度アップしたことが最大のメリットです。

 

 

 

 

hermes galilee (21)
こちらの折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

hermes galilee (22)
残念な状態のgalileeでしたが引き続き活躍しくれるまでに復活しています。

財布の中でも二つ折り財布は傷みやすいアイテムですが、
折り曲げ部の強化加工で丈夫になっていますので、
大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

レザークリエーション 様

修理ありがとうございました。
届いた財布を見て、買った当時の事を思い出しました。

何も気にせず普段使いをしていたので、汚れや擦れにも気が
付いていなかった事を反省しています。

これからは、もっと丁寧に使っていこうと思います。
また、修理する時にはお願いします。

新潟県 T 様

お受け取りのご連絡ありがとうございました。
使用頻度の高い財布の汚れや擦れは避けることができませんが、
丁寧に活用すれば長く愛用できる良い品ですので、
大切に長くご愛用ください。

バーバリー定期入れ

burberry pass case (1)
BURBERRY(バーバリー)のパスケースです。

2003年からのご使用で全体的に損傷が見られます。
買い替えることができない大切な品とのことで、
リニューアルリペア加工を施して復活させます。

 

 

 

 

 

burberry pass case (2)
残念な後面です。

 

 

 

 

 

burberry pass case (3)
定期券を入れるポケットは裂けています。

 

 

 

 

 

burberry pass case (4)
反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

burberry pass case (5)
折り曲げ部はカジリ取られたような状態にまで革が擦り切れて欠損しています。
ここまで重症化すると縫い直す事すらできません。

折り曲げ部の以外も外周は革が擦り切れていますので、
解体するのが怖い状態です。

 

 

 

 

 

burberry pass case (6)
反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

burberry pass case (7)
内側の様子です。

外周は表面の革を内側に巻き込んだ(ヘリ返し)の構造ですが、
解体してみると・・・・

 

 

 

 

burberry pass case (9)
外周全体がスレスレで(ヘリ返し)の革がつながっているのは一部分だけです。

 

 

 

 

 

burberry pass case (8)
バラバラに全体解体。

 

 

 

 

 

burberry pass case (10)
ヘリ返し革は欠損もあり使用不可能で全て取り除きましたが、
外面にはバーバリーの刻印マークがあるので張替交換はできません。

外周全体のヘリ返し革を復元強化加工で復活させながら組み立て直します。

 

 

 

 

burberry pass case (11)
悪戦苦闘しましたがリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

burberry pass case (12)
後面のポケットの破れや外周のヘリ返し革も復活しています。

 

 

 

 

 

burberry pass case (13)
負担が掛かる部分には強化加工を施しながら組み立て直していますので、
見た目や構造の復活だけでなく強度もアップしています。

限界を超えるまで傷んでしまったパスケースでしたが、
引き続き愛用いただける状態に復活しました。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
レザークリエーション様

お世話になっております。
先程無事に受取りました。
あんなに綺麗にしていただいて本当にありがとうございました。
素敵な〇〇〇〇〇も有難うございます。
ただただ「凄い」の一言でした。
何度も何度も色々な角度から穴が開きそうなほど眺めてしまいました。
ブログも拝見させていただいて、
改めて最初の状態の酷さを思い出し反省するばかりでした。
それと同時に綺麗になった定期入れを見て、
プレゼントしてくれた時の母の笑顔を思い出しました。
今後は大切に綺麗に使っていきます。
本当にありがとうございました。

神奈川県 M 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
頻繁に使用する革小物は傷みやすいですが、
丁寧に活用することで良い状態を長く保つことができます。
大切に長くご愛用ください。

ドゴン全体修理

dogon renewal repair (1)
エルメスの財布(ドゴン)です。

損傷の程度に差はありますが、
どちらの財布も擦れや汚れやホツレなどが各部に見られ、
ベロ革はひび割れや欠損があり、ボールペン汚れや型崩れも見られ重症です。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (2)
外面だけでなく内側全体にも汚れや擦れが見られ全体的にヨレヨレです。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (3)
どちらの財布もマチ部材が変形しているのは詰め込み過ぎが原因です。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (5)
傷みやすいベロ革ですが糸がホツレて接着が剥がれ芯材が露出しています。
ここまでメンテナンスしないで活用すると革素材が傷んでしまいます。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (6)
折り曲げ部も糸が擦り切れて革の表皮も剥がれています。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (7)
反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (9)
こちらのドゴンも同様に擦り切れホツレや汚れが全体に見られます。
革の表皮が剥がれて繊維が露出した部分も大きく、とても残念な状態です。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (10)
見た目は気にせずに機能重視で使用されてきた様子ですが、
芯材が露出したまま長期間活用されていたため革が擦り切れて欠損しています。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (11)
カブセ内側にボールペン汚れが見られますが全体の汚れが重傷ですので・・・

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (12)
折り曲げ部も糸や革が擦り切れています。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (13)
後面も広範囲に擦れが見られ革の繊維が毛羽立った状態です。

エルメスの財布でなければ十分に活躍してくれたと、
お役御免になる状態ですがリニューアルリペア加工を施して、
引き続き愛用いただける状態に復活させます。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (14)
まずは、全ての糸を一目ずつ抜き取り解体して汚れを取り除きます。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (17)
こちらは付属の小銭入れですが右下に汚れが見られます。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (18)
瞬間接着剤を使用した痕跡です。
瞬間接着剤を使用すると革が硬化して変質してしまい元に戻すことは困難です。

とくに、ご報告もなく気にされていないかもしれませんが、
出来る限り修正してみようと思います。

 

 

 

 

dogon renewal repair (19)
解体してみるとポケットの中も表皮が擦れた部分に汚れが染み込んでいます。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (20)
ヨレヨレに変形したマチは内張りを剥がして強化芯材を入れ込みます。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (21)
ポケットの天部も内張りの革を剥がして強化芯材を入れ込みます。
内張りの革は柔らかく厚みも0.2㎜程度なので解体には細心の注意が必要。

 

 

 

 

dogon renewal repair (22)
こちらのドゴンも同様に。。。。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (23)
ポケット部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (24)
傷みが激しい折り曲げ部も強化加工を施す予定ですが・・・・

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (25)
今回は全体的にヨレヨレで変形も見られますので内張りを全体的に剥がしました。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (26)
外面と内側の革を比較すると汚れや傷み具合が鮮明です。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (27)
カブセと定規を合わせてみると大きく変形していて一直線でないことがわかります。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (28)
作成された年代が違うためかベロ革の芯材にも大きな違いが見られます。
どちらも劣化していますので芯材交換します。

 

 

 

 

dogon renewal repair (29)
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (30)
内側の汚れもなくなりヨレヨレだったマチ部材もスッキリしました。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (31)
手垢汚れなども改善していますが、
見た目ではわからない強度アップが最大のメリットです。

 

 

 

 

dogon renewal repair (32)
大きく変形していたカブセも一直線に復活です。

 

 

 

 

dogon renewal repair (33)
瞬間接着剤の損傷も改善しました。

 

 

 

 

 

dogon renewal repair (34)
汚れ・擦れ・変形・ホツレ・劣化などフルコースで損傷があり、
エルメスのドゴンとしてだけでなく財布としても使用不可能な状態でしたが、
活用いただける状態に復活しました。

高価なエルメスの財布でもボロボロの状態では残念すぎますので、
出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

 

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ソミュールの復元

saumur pm (1)
1991年10月にフランスの工房で作成された最高品質時代のソミュールです。

24年が経過したバッグですのでヌメ革パーツなどは限界を超えていますが、
出来る限り長く愛用していただきたい本来のルイヴィトン品質のバッグです。

 

 

 

 

 

saumur pm (2)
ショルダー付け根が切れてしまっていて使用不可能な状態です。

 

 

 

 

 

saumur pm (3)
こちら側も同様にボロボロ状態です。

 

 

 

 

 

saumur pm (4)
テーピング革などヌメ革パーツは劣化してパキパキに硬化しています。

 

 

 

 

 

saumur pm (5)
引き続きご愛用いただけるようにリニューアルリペア加工で復活させます。

 

 

 

 

 

saumur pm (6)
バラバラ。

 

 

 

 

 

saumur pm (7)
ヌメ革パーツは作成交換し、刻印入りカシメ金具などは再生します。

 

 

 

 

 

saumur pm (8)
金具類を磨いているところです。

 

 

 

 

 

saumur pm (9)
カシメ金具は再利用不可能な金具ですが、当社では再生して活用します。

 

 

 

 

 

saumur pm (10)
各部に強化加工を施しながらヌメ革パーツを作成交換して、
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

saumur pm (11)
当社では当時のルイヴィトン品質を維持するために、
最高級のヌメ革を使用してパーツ作成しています。

負担が掛かるパーツには強化芯材を入れ込んで作成していますので、
新品時より丈夫になっていることもリニューアルリペア加工の魅力です。

 

 

 

 

 

saumur pm (12)
サビサビだったカシメ金具も変更することなく元通りに付直しています。

 

 

 

 

 

saumur pm (13)
丈夫過ぎるくらい頑丈なモノグラム地が使用されていたころのバッグです。
最高品質のヌメ革を使用してパーツ作成して、
各部に強化加工も施しています。

羨ましく思える高品質時代のソミュールですので、
大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

こんばんは。
昨日受け取りましたが、
夜遅くになってしまっいましたのでお返事遅くなりまして、
すみませんでしたm(_ _)m
この度は大変お世話になりました。
新品のように生まれ変わって戻って来て、涙がでました。
とても大切な思入れのある品物ですので、
修理を依頼して本当によかったです、
ありがとうございました^ ^
娘と共に大切にしまいこまないで、
ガンガン活用させて頂きます。
ありがとうございました^ ^

埼玉県 I 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
新品のヌメ革は汚れが目立ちますので、
少し色やけするまで陰干しされてから使用する方が、
扱いやすいかもしれません。
しかし、汚れや傷も味になるバッグですので、
初めからガンガン使用するのも一考です。
羨ましく思えるほど良いバッグですので、
大切に長くご愛用ください。

グッチ全体修理

gucci sd (1)
長年愛用された様子のオールドグッチのショルダーバッグです。

 

 

 

 

 

gucci sd (2)
外周のテーピング革はスレスレで穴が空いた部分も多数見られます。

 

 

 

 

 

gucci sd (3)
古い品だけに丁寧な作り込みが施されていますが、
手の込んだ構造ですので解体や組み立ては苦労しそうです。

 

 

 

 

gucci sd (4)
擦れだけでなくホツレも各部に多数見られます。

 

 

 

 

gucci sd (5)
取り外し可能なショルダーベルトも同様に。。。。

 

 

 

 

 

gucci sd (6)
マチ部材も複雑な構造です。

 

 

 

 

gucci sd (7)
後面には大きなポケットがあり便利そうです。
中央のカブセ革にもホツレが見られます。

 

 

 

 

gucci sd (8)
オールドグッチらしいデザインの金具類もメッキが剥がれて傷だらけです。

 

 

 

 

 

gucci sd (9)
ショルダーのバックルも再メッキ加工します。

 

 

 

 

 

gucci sd (10)
合成皮革素材が使用された内張りは劣化しています。

 

 

 

 

gucci sd (11)
内張りと外周テーピングを交換するためにはバラバラに解体することが必要です。

予定外でしたがカブセ中央の革も裏面は合成皮革が使用されていましたので、
本革で張替交換します。

 

 

 

 

gucci sd (12)
デザインや構造を変えることなく本革で内張りを作成して組み立て直します。

 

 

 

 

 

gucci sd (13)
ショルダーベルトの芯材はボール紙ですがパキパキに硬化していました。
短く加工するショルダーベルトも芯材は新品交換して組み立てます。

 

 

 

 

gucci sd (14)
内張りが本革仕様になりリニューアルリペアの完了です。
今回は長いショルダーベルトを別作して元のショルダーは短めに加工しました。

 

 

 

 

 

gucci sd (17)
金具類も本メッキ加工でピカピカです。

 

 

 

 

gucci sd (18)
擦り切れて穴が空いた外周のテーピング革も綺麗になりました。

 

 

 

 

 

gucci sd (19)
内張りも本革仕様で安心です。

 

 

 

 

 

gucci sd (20)
各部に強化加工も施しながら組み立て直しましたので、
大切に活用すれば長く愛用いただける状態です。

傷みやすい外周や負担が掛かるショルダーベルトは消耗パーツですが、
内張りが本革になり本体各部に強化加工を施したことで、
安心して活用いただける状態です。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション様

こんばんは。
お世話になっております。兵庫の〇〇〇〇〇です。
本日商品受け取りました。
綺麗に生まれかわって戻ってきてくれて嬉しいです。
特にグッチショルダーは、譲っていただい時からクタっとした状態だったので
本来はこんなに張りのあるコロンとしたかわいらしい形だったのですね。
別作していただいた斜めかけベルトも長さピッタリ!
2通りの使い方を楽しみたいです。
ありがとうございました。

急に寒さが厳しくなりました。
お風邪など召されませぬようお気を付け下さい

 

兵庫県 K 様

どちらの品も高品質時代の貴重なものです。
とくにヴィトンのエピ財布は羨ましく思える品です。
グッチは強度アップさせながら見た目も改善させていますが、
古い品であることに変わりはありませんので、
出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

vintage HERMES

old hermes lizard (1)
エルメスのケリー28cmリザード革 フィセル色です。

おそらく1947年~1954年ころに製造されたケリーバッグです。
1956年からケリーバッグと呼ばれるようになりましたので、
「サック・ア・クロア」と呼ばれていたころの品かもしれません。

持ち手など各部に損傷が激しく大きなシミ汚れもあり、
新品のように復活することはない状態です。

しかし、全体を解体してパーツごとに加工を施しながら組み立て直すことで、
ヴィンテージバッグとして使用に耐えうる形に復活できるのではと・・・・

 

 

 

 

 

old hermes lizard (2)
持ち手は糸が擦り切れてホツレ、革が変色し、亀裂や欠損など重症です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (3)
持ち手を裏側から見ると中央部はバラバラに解体したような状態です。

裏面のリザード革も切れや欠損があり手垢汚れやシミなどで、
持ち手としての復活どころか縫い直すことも不可能な状態です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (4)
両サイドのベルトもコバ塗料が剥がれて芯材が露出しています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (5)
カブセの外周も同様に。。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (6)
各部にホツレや破れが見られシミや汚れも全体的に。。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (7)
底角4か所もスレスレでシミや汚れも。。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (8)
後面全体に色褪せや変色や汚れがあるのですが、
それらが気にならないほど大きなシミ汚れが目立ちます。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (9)
年季の入った古いシミ汚れが底面まで広範囲です。

ホツレや破れや革の欠損などフルコースで損傷があり、
直営店も含め修理不可能と判断されるのが通常です。

ご家族も廃棄される判断をされたようですが、
祖母様の遺品とのことで、引き継がれるようです。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (10)
綺麗に見える前面もカブセを開くと全体的な変色やシミ汚れが鮮明です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (11)
外面の損傷に圧倒されてしまいましたが内側も強烈な状態です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (12)
赤い染料の汚れが革に染み込んで擦れや汚れやシミも全体に見られます。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (13)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (14)
底面には得体にしれない物が、こびり付いて固まっています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (15)
ヴィンテージバッグと呼べる品だけに素材も作り込みも高品質なバッグですが、
内側の状態からも使い方は少し乱暴だった印象が各部に見られます。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (16)
各部に見られる赤い汚れはなんでしょう?
古すぎる汚れのためか取り除くことができません。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (17)
持ち手だけでなく負担が掛かる付け根革も取り外して解体します。

祖母様から受け継がれる品ですので出来る限りパーツ交換はしたくありませんねぇ~

 

 

 

 

 

old hermes lizard (18)
何とか活用いただける状態に復活させたいものです。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (19)
内張りの天部付近は表皮が擦れて剥がれ手垢汚れが染み込んで薄茶色に。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (20)
カブセを解体したところです。
芯材には本革が使用された贅沢な仕様です。

カブセの付け根や折り曲げ部や付け根革の縫い付け部などに、
強化加工を施して組み立て直します。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (21)
中央部のヒネリ金具はユルユル状態で少しグラグラしています。
ヒネリ金具を再生してグラツキを改善させます。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (22)
持ち手も芯材には本革が使用されています。

カブセの内側に入れ込まれた鉄芯と付け根革はカシメ金具で連結され、
縫製糸がホツレても外れない構造です。

外面からは見えない作り込みで修理には手間が掛かりますが安心な構造です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (23)
両側のベルトには、こげ茶色の革と黒い布テープが芯材に使用されています。
外面だけでなく芯材もボロボロで限界を超えていますので強化芯材に交換します。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (24)
付け根革を取り外した部分を見ると変色や汚れが鮮明です。
この部分も裏側から強化します。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (25)
内張りを剥がした正面と底板を取り外した底面を裏側から見たところです。
本革で芯材を手作りして加工していたことがわかる作り込みです。

このバッグを作成していた当時の職人さんは数十年後に解体修理されることを、
想像できたでしょうか?

 

 

 

 

 

old hermes lizard (26)
内張りや底板を解体した理由は底面のホツレを縫い直すためです。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (27)
外面は全体にホツレが見られますが、底面のホツレは大きく解体が必要です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (28)
糸が劣化していますので外面は全体的に縫い直す必要があります。
しかし、元の糸を一目一目取り除かなければ縫製できません。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (29)
こびり付いた汚れや、染み込んだ赤い染料などを取り除いて、
内張りのクリーニングと補修補色加工の完了です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (30)
内張りはご愛用いただける状態に復活しましたので、
各部に強化加工を施しながら組み立て直します。

 

 

 

 

old hermes lizard (31)
内ポケットの中も改善しています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (32)
底面のホツレもなくなりリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (33)
使用不可能なほど重症だった汚れや変色や大きなシミも目立たなくなりました。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (34)
カブセ裏の赤い汚れも見えなくなりました。

 

 

 

 

old hermes lizard (35)
両サイドのベルトだけでなく負担が掛かるマチの天部やカブセも強化され、
底マチなどの強化も含めて加工した部分は新品時より丈夫です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (36)
部材が剥がれてミルフィーユ状態だったコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (37)
強化加工を施したマチ底も丈夫になり、コバ面もスッキリです。

 

 

 

 

old hermes lizard (38)
祖母様から引き継がれる品ですのでパーツ変更は芯材のみです。

底マチやカブセ付け根やマチ天部なども強化芯材を入れ込みましたが、
元々、強化加工は施されていない部分ですので取り外したパーツはありません。

縫い付け部だけでなく、付け根革自体も弱った部分を取り除き、
強化加工を施しています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (39)
負担が掛かる15か所以上の部分に強化加工を施しながら、
内張りも外面も汚れやシミなどを出来る限り改善させています。

しかし、数十年前の品であり、一度は廃棄を検討されるほど傷んだ品ですので、
労わるように活用されることが賢明です。

高品質な素材で丁寧に作成された品で、
二度と新品購入できないヴィンテージ品ですので、
出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

レザークリエーション様

長期の出張から帰りまして修理していただいた5点確かに受け取りました。
各品私が思っていた以上に奇麗に仕上がってびっくりしております。

特にケリーバッグは廃棄しようと思っていたものです。
あのカバンは阪神大震災の際、祖母の家が崩れて何週間か雨風にさらされた物です。
それがこれほどきれいになっており予想をはるかに超える仕上がりにびっくりいたしております。
ブログを拝見いたしまして、修理にこれほど鞄と使い手のことを考えて頂き
お修理をされてるのかと感動いたしました。

母と約束した通り、母の誕生日の品としてこのカバンを送りました、
祖母の思いも詰まった鞄ですので母も喜んでいました。

これからもお修理いただいた品に何かありましたらお世話になると思いますが、
またどうぞお付き合いよろしくお願いします。

兵庫県 R 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に使用していても汚れや擦れは避けられない損傷です。
とくにリザードのケリーはとても古い品で、
一度は使用できない状態まで悪化したバッグですので、
丁寧に取り扱いながら良い状態を保てるようにご愛用ください。