シャネルのベルベット素材のショルダーバッグと革のショルダーバッグです。
いずれもオールドシャネルと呼べるくらい古い品です。
全体的に色褪せや擦れが見られチェーンのメッキも剥がれています。
チェーンの中革が三つ折りになる以前のモデルです。
20年以上前から三つ折り構造ですし強度的にも安心ですので、
チェーン金具を再メッキして中革は現行の三つ折りタイプで作成交換します。
底面もスレスレ。
最高品質時代のシャネルですので、ココマークのメッキは良好です。
ココマークの裏側の金具ですが現行品のようにビスありません。
基本的に脱着が不可能な金具と考えて丁寧に取り厚ことが賢明です。
カブセに取り付けられたアイレット金具も基本的に脱着は不可能です。
前ポケットの中は爪で引っかいた跡が・・・・
後ポケットの中も同様に。。。。
黒革のバッグは外面の補修補色加工とチェーンショルダーの再生を施します。
こちらも丁寧な取り扱いが必要なほど年代物のシャネルです。
ココマークはメッキが剥がれています。
ロック金具はサビサビで素材が腐食しています。
凸側のロック金具もメッキの剥がれよりも素材自体が腐食した状態で、
金具としては重症です。
チェーン金具も同様に。。。。
内ポケットの金具も腐食が酷く湿気が多い環境で保管されていたと思われます。
金具類を取り外しましたが通常の使用によるメッキ剥がれなら、
再メッキで復活するのですが素材自体がサビで腐食している状態ですので、
再メッキ加工だけでは改善させることは不可能です。
ロック金具を取り外した部分もサビサビ。
チェーンも腐食が目立ちます。
中革も限界を超えていますのでベルベット素材から、
三つ折り構造の本革で作成交換します。
チェーンショルダーを解体して全体の汚れを取り除いたところです。
こちらのチェーン金具はご使用によるメッキの剥がれです。
メッキの剥がれは重症ですが腐食していませんので再メッキ加工で問題なし。
汚れを取り除いてみると擦れ具合が鮮明です。
天部は黒い塗装がわずかに残る程度。
底面も同様に。。。。
同様に。。。。
体側で擦れてしまう後面は重症です。
表皮が剥がれて革の繊維が露出した部分を補修して整えた後、
補色加工で黒革に復活させます。
ベルベット素材バッグの金具再生の完了です。
錆で侵された金具を出来る限り磨き込んで再メッキ加工しています。
当社のメッキは通常のメッキよりも5~10倍程度の厚みがありますが、
それでもメッキというもの自体が薄いものですので、
素材まで腐食してしまったり、深い傷はメッキだけでは消すことができません。
チェーンの中革は本革の三つ折り構造で作成しています。
革のシャネルの外面の補修補色加工とチェーンショルダーの再生完了です。
全体的に表皮が剥がれていた後面も黒革で復活です。
この辺りも同様に。。。。
ベルベットのバッグは金具類の腐食がなくなり、
黒革のバッグは色褪せや汚れが消えてシャネルらしい黒が復活しました。
高品質時代の良いバッグですが年代物ですので、
労わりながら大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
レザークリエーションさま。
シャネルのお修理2点ありがとうございました。
引取させてもらった翌日に作業の工程を見させてもらいました。
母から引き継いだバックの管理が悪く、無残な状態になってしまった
バックが大変な作業とすばらしい技術で復活してもらった事がわかりました。
30年以上前に父がパリで母に買ってあげた思い出のバックです。
愛情を沢山くれた父が去年に亡くなってしまったので、このバックは
どうしてもレザークリエーションさんでお願いしたかったんです。
受取の日も泣いてしまいましたが、本当にすばらしい父だったので、
このバックが蘇って嬉しく思っています。
帰ってすぐ母にも見せたら大変喜んでいました。
本当にありがとうございました。
教えてもらったように、いつもどこにでも持ってお出掛けします。
お礼が遅くなってしまって申し訳ないです。
また機会がございましたら、どうぞ宜しくお願いします。
大阪府 H 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
高温多湿になると金具類に錆が出やすく、
悪化すると今回のように素材自体まで腐食してしまいます。
使い込んだ傷や汚れは愛着の証とも言えますが、
保管している間の損傷は残念な思いだけが残ります。
しまい込むよりも優しく丁寧に労わりながら、
活用してあげる方がバッグも喜びますので、
頻繁に活用してあげることをお勧めします。