ディオールの修理

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傷みが激しいクリスチャンディオールのレディです。

 

 

 

 

 

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ロゴマークが付いた部分のネジが緩みやすく何度も外れているとのこと・・・

メッキも剥がれていますので再メッキする予定ですが、DIORの「I」の文字が、
紛失されて無くなっています。

 

 

 

 

 

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他の金具も金具と金具が擦れる構造ですのでメッキが剥がれています。

 

 

 

 

 

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初期型のレディですので持ち手の付け根のアイレット金具が安っぽい仕様です。
基本的に脱着不可能な金具ですのでグローメット金具に交換します。

 

 

 

 

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外周や外面には表皮が剥がれて白くなった擦れ傷が目立ちますが、
全体的に色褪せもあります。

 

 

 

 

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この辺りも表皮が剥がれて革の繊維が露出しています。

 

 

 

 

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底角も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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底角だけではないようです。。。。

 

 

 

 

 

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同様に。。。。

 

 

 

 

 

 

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キルティング加工のホツレも見られますので内張りを解体しなければ・・・

 

 

 

 

 

 

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引っ越し時に梱包が適切でなかったために凹んでしまった型崩れも、
内側から補整しながら整えて本体を強化します。

 

 

 

 

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ホツレ縫い直しと変形を整えて、外面の汚れを取り除いたところです。
黒い革にしては全体的に白っぽく見えますので外面を補色加工で復活させます。

 

 

 

 

 

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持ち手の補修補色加工と金具交換の完了です。

 

 

 

 

 

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裏面から見ても高級感のあるグローメット金具に変更しています。

 

 

 

 

 

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真鍮の無垢材から「I」の文字切り出して成形したあとメッキ加工しました。

 

 

 

 

 

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他の金具類も再メッキ加工で復活です。

 

 

 

 

 

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同様に。。。。

 

 

 

 

 

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剥がれてしまう事は避けられない構造ですが金具がピカピカだとゴージャスです。

 

 

 

 

 

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凹み変形も改善しました。

 

 

 

 

 

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ホツレもなくなり色褪せも改善しています。

 

 

 

 

 

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天部の擦れも同様に。。。。

 

 

 

 

 

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DIORのロゴマークも揃って復活です。

 

 

 

 

 

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加工前の画像と比較するまでもなく黒さが復活して金具もピカピカです。
凹んだ変形やホツレもなくなり愛用いただけます。

大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション御中

御世話になっております。
3日に受け取りました。
開封したところ綺麗に蘇っていて感動しております。
また〇〇〇〇〇も再度いただいてしまい恐縮です。

これぞ御社の技術力のすごさと感動です。
新品のようであんなに痛んでいたのがうそのようです。

昔のレディディオールは金色も薄い、とディオールの方がおしゃっていましたが、
今販売している濃いタイプの物のようによみがえって素晴らしです。

しかも、柔らかい革の風合いもそのままでうれしい限りです。
イニシャルの精度の高さも素晴らしい!お願いして本当に良かったです。
東京都 K 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
丁寧に取り扱いながら大切に長くご愛用ください。

シャネル型崩れ

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フランスからご依頼いただいたシャネルのマトラッセ チェーンショルダーバッグです。

底面が垂れ下がってマチ部材も変形していますので自立しない状態です。
外面全体に表皮が剥がれた擦れがあり底角やカブセは穴が空いて芯材が露出しています。

ここまで状態の悪くなると修復は難しくなりますが、
このままでは活用できませんので出来る限り復活させます。

 

 

 

 

 

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芯材が露出した穴あき部が目立ちますが革の表皮は全体的に毛羽立っています。

 

 

 

 

 

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こちらの底角も同様に。。。。

全体的に表皮が剥がれて革の繊維が露出していますので、
染め直しても塗料を吸い込んでしまうだけで黒革には戻りません。
起毛革のような状態ですが出来る限り表皮を整えて補色します。

 

 

 

 

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カブセの外周にも擦り切れ穴があります。
外周の擦れが重症すぎて他は綺麗に見えてしまいますが全体がスレスレ。

 

 

 

 

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同様に。。。。。

 

 

 

 

 

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ここまで、重症のシャネルは珍しく、金具のメッキの状態が比較的良好なことから、
少し、取り扱い方に問題があるように思われます。
柔らかくデリケートな素材で作成されたシャネルは丁寧な取り扱いが必要です。

 

 

 

 

 

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表面塗装だけでなく、しっかりと染め込まれた良質な革が使用されたバッグだけに、
残念すぎる状態です。

 

 

 

 

 

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後ポケットもガサガサ。

ここまで状態が悪いマトラッセは初めて見ました。
もう少し早い段階でメンテナンスしていればと・・・・
かなり残念な状態ですが出来る限り改善させて愛用いただけるように加工します。

 

 

 

 

 

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後ポケットはホツレもあり本体を解体して縫製し直します。

 

 

 

 

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膨らむように垂れ下がった底面。

 

 

 

 

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マチも膨らむように変形しています。

 

 

 

 

 

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こちらのマチも同様に。。。。

 

 

 

 

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金具類や内張りを解体して補正加工やポケットの縫製をします。
チェーンから中革も抜き取りましたので革紐の色褪せや擦れも補修補色します。

 

 

 

 

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垂れ下がっていた底面が強化加工で補正され平らに復活しました。
外面の補修補色加工も完了しています。

 

 

 

 

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底角やカブセの擦り切れ穴を補修してマチも強化加工で補正しています。

 

 

 

 

 

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ポケットも縫い直し完了。

 

 

 

 

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マチや底面が強化加工で変形も補正され自立するように復活しています。

擦り切れ穴も補修してチェーンの中革も一度抜き取って補修補色しましたので、
加工前の画像と比較していただくと、かなり改善しています。

通常のマトラッセの加工よりも数倍の手間が掛かりましたが、
マチ部材などは新品時より丈夫になり出来る限り改善させてあります。

大切に長くご愛用ください。

 

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コバ仕上げ

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ルイヴィトンの財布と手帳カバーです。

 

 

 

 

 

 

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手帳カバーの外周コバ面が剥がれています。

 

 

 

 

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ポケットなどで厚みが変わる部分はコバ面に亀裂が見られます。
この辺りは構造的に仕方ない部分ですが補修してコバ面を仕上げ直します。

 

 

 

 

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財布もコバ面に擦れや剥がれが見られます。

 

 

 

 

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外周も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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内部材を現行素材で交換されていますが、
コバ面は部材を張り合わせて積み上げた構造がわかるような仕上げです。

 

 

 

 

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コバ面を補修加工で整えた後、仕上げ直しました。

 

 

 

 

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部材の積み重ねがわからないように均一に仕上げています。

 

 

 

 

 

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剥がれていた手帳カバーのコバ面も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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こちらの角も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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擦れてしまうコバ面は塗料が剥がれてしまう事は避けられませんが、
コバ面を良い状態に保てればモノグラム地の欠損なども防ぐことができ、
良い状態を保ちやすいです。

バッグの中でも擦れてしまいますので丁寧に取り扱う事でしかコバ面は守れませんが、
工夫しながら大切に長くご愛用ください。

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アクセサリーポーチ修理

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ルイヴィトンのアクセサリーポーチです。

 

 

 

 

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ファスナーエンド部にストラップを取り付けるので負担が掛かり、
ファスナーが外れています。

 

 

 

 

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同様に負担が掛かる部分ですがモノグラム地にも亀裂が発生しています。

 

 

 

 

 

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両側とも同様の状態です。

 

 

 

 

 

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ファスナーにも亀裂。

 

 

 

 

 

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放置していると大きく裂けてしまいますので解体して強化します。

 

 

 

 

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強化加工を施してファスナー交換の完了です。

 

 

 

 

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長年愛用されたアクセサリーポーチですが、
ファスナー交換と破れ部の復元強化加工で引き続き活躍してくれる状態に復活です。

大切に長くご愛用ください。

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クロムハーツ

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クロムハーツのパスポートケースです。
iphoneを入れて使用したいとのことで段ボールで作成した力作も同梱いただきました。

 

 

 

 

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用途が違いますのでベロ革が短くてiphoneが入りません。

1~1.2センチベロ革を延長すればiphoneが固定される長さになりますが、
今回はベロ革の長さを2.2センチ延長したいとのご依頼です。

 

 

 

 

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ベロ革は底面まで伸びていて引き出せる構造です。

ベロ革を引き出すことで中に入れた物の底が押し上げられて、
取り出しやすくなる工夫がされています。
複雑な構造ですのでベロ革の延長加工のためには本体の解体が必要です。

 

 

 

 

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サンプルのiphoneを入れてもホックの開閉が可能になりました。

 

 

 

 

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構造変更はしていませんのでベロ革を引き上げるとiphoneが出てきます。

ベロ革が引き出せる構造は加工を開始してから発見して慌てましたが、
本来の機能性を変えることなく延長加工しています。

大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

レザークリエーション様

ブログ拝見させて頂きました!

もうびっくり!絶句!
たしかお願いしたのはもっと不格好な。。
いや本当に驚きました。

理想。これがまさに理想なんです。

無理言ってはいけないなと思い、
この方法での改造は諦めたのですが、
まさか諦めたその方法で改造して頂けるとは!
しかもドンピシャ理想通り。いや驚きました。

素晴らしい本当に素晴らしい改造になりました。
ものすごくものすごく感謝致しております。
今後ともずっと、どうぞよろしくお願い致します。

追伸
何度もブログを見てしまいます。
また一つ大事なものができて嬉しいです。
ありがとうございました!

兵庫県 O 様
加工途中にベロ革の機能に気づいて驚きましたが、
機能性を損なうことなく延長加工できましたので、
これまで通り活用いただけます。
大切に長くご愛用ください。

ドゴンとピコタン

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エルメスのバッグ(ピコタン)と長財布(ドゴン)です。

同じ素材で同じ色のバッグと財布を選ばれるかも多いですが、
同系色の色違いはお洒落です。

 

 

 

 

 

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バッグ天部の口周りはコバ面の塗料が剥げています。

 

 

 

 

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この辺りも同様に。。。。

内張りや芯材がなく一枚革構造のバッグですので革の繊維の毛羽立ちは
仕方ない仕様です。

 

 

 

 

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持ち手のコバ面もスレスレ。

 

 

 

 

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負担が掛かり傷みやすい持ち手は解体して強化芯材を挟み込みます。

 

 

 

 

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底角は4角とも擦れが目立ちます。

 

 

 

 

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表皮が剥がれて革の繊維が露出した状態です。

 

 

 

 

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表皮が剥がれた部分は汚れが染み込みやすくなります。

 

 

 

 

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軽傷ですが持ち手も表皮が剥がれた部分に汚れが染み込んでいます。

 

 

 

 

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天部もコバ面だけでなく外周には擦れが見られます。

 

 

 

 

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持ち手を解体。

 

 

 

 

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汚れを取り除くと擦れ具合が鮮明になります。

底角は革の繊維が毛羽立っていますの補修加工で表皮を整える加工が必要です。
汚れを取り除く加工や表皮を整える補修加工をしないで、塗装される業者が多いですが・・・

 

 

 

 

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表皮を整える加工をしないで補色すると、こんな感じに仕上がります。

表皮が擦れてなくなり繊維が毛羽立った部分は塗料を吸い込んでしまい、
ガサガサになります。

 

 

 

 

 

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使い込まれた長財布ドゴンです。

 

 

 

 

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シワの溝に汚れが入り込んでいます。

 

 

 

 

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折り曲げ部は糸も革の表皮も擦り切れています。

 

 

 

 

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ベロ革も擦れやホツレが見られ芯材も露出しています。

 

 

 

 

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外面と比較すると内部材は良好です。

 

 

 

 

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マチの飛び出し変形もなく正しく使用されていることがわかります。

 

 

 

 

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外面革と内部材の色を比較すると汚れと色褪せで違う革のように見えます。

 

 

 

 

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擦り切れた折り曲げ部は傷みやすい部分ですので強化加工を施します。

 

 

 

 

 

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反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

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傷んだベロ革も強化芯材に交換します。

 

 

 

 

 

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ピコタンの持ち手も補修補色加工しましたので強化芯材を挟み込んで組み立てます。

 

 

 

 

 

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持ち手を強化して天部のコバ面を仕上げ直し底角の擦れも復活しました。

 

 

 

 

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スレスレで毛羽立ったコバ面を整えてから仕上げ直しています。

 

 

 

 

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強化されて丈夫になった持ち手のコバ面も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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底角も補修加工で擦れ部を整えてから補色しています。

 

 

 

 

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同様に。。。。

 

 

 

 

 

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ドゴンの外面の補修補色やベロ革と折り曲げ部の強化加工も完了です。

 

 

 

 

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コバ面も仕上げ直し外面革と内部材の革も同色に復活。

 

 

 

 

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傷んだベロ革も擦れや汚れやホツレがなくなり、強度も復活です。

 

 

 

 

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折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

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可愛いバッグとカッコいい財布で、どちらも便利に使えるアイテムです。

愛用すれば汚れや擦れなどは避けられませんが、
出来る限り良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。

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