セリーヌ


年代物のセリーヌのセカンドバッグです。

このままでは活用できないとのことで活用されているショルダーベルトを
取り付けできるようにします。

 

 

 


付け根革を取り付けるためには内張りの解体が必要。

 

 

 


天部から解体して付け根革を取り付ける部分に強化加工を施します。

 

 

 


付け根革取り付け部に2種類の芯材を貼り合せて丈夫にしておきます。
この辺りの加工を省いてしまうと長持ちしません。

 

 

 


お手持ちのショルダーベルトを取り付けできるように、
付け根革とD型金具の取り付け完了です。

 

 

 


本体縫い付け部だけで無く付け根革も丈夫に作製しています。

 

 

 


前側も同様に。。。

 

 

 


これからは使用頻度も増えて、しまい込むこと無く活用いただけます。
大切に長くご愛用ください。

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ゴヤール財布の修理


ゴヤール長財布です。

 

 

 


擦れやすい角部は糸が擦切れただけでなく表面も擦れてなくなり、
白い布地が露出しています。

 

 

 


4角とも同様に。。。

 

 

 


折り曲げ部は白い布地まで擦り切れて欠損していますので、
縫い直すことも不可能な手遅れ状態です。

 

 

 


反対側の折り曲げ部も同様に。。。

擦り切れて無くなった部分が元に戻ることはありませんので、
コバ面の塗料が剥がれたタイミングでメンテナンスするのが理想です。
手遅れ状態ですが強化しながら縫製できる状態に改善させます。

 

 

 


折り曲げ部の復元強化加工の完了です。
屈曲する部分で財布では一番傷みやすい部分ですので強化しています。

 

 

 


反対側の折り曲げ部も同様に。。。

 

 

 


可動しない角部は補修加工で見た目を改善させています。

 

 

 


外周コバ面も仕上げ直しておきました。

 

 

 


財布は角部や折り曲げ部を良い状態に保てれば綺麗なままで長く使えます。
引き続き活用できる状態に復活しましたので大切に長くご愛用ください。

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アンギャン内張り


1991年2月にフランスの工房で作成された最高品質時代の
ルイヴィトン モノグラムのアンギャンM51205です。

 

 

 


古い品ですのでコバ面塗料の劣化や芯材の変型もあります。

 

 

 


劣化したコバ塗料には何かわからないものが付着しています。

 

 

 


マチと天部の部材が切り替わる部分でコバ塗料が割れています。
この辺りは強化しておくと安心な部分です。

 

 

 


年代物ですのでリニューアルリペア加工もご提案しましたが、
今回は劣化した合成皮革の内張りの作成交換のみ作業します。

 

 

 


外ポケットだけでなく内ファスナーポケットも2箇所劣化しています。

 

 

 


内側の板ポケットも内張りが劣化しています。
対面にも色移りがあり合成皮革と関係ない部分も擦れや汚れが見られます。
リニューアルリペアされるタイミングまでは放置します。

 

 

 


内ポケット3箇所と外ポケットの内張りですのでバラバラに解体。

 

 

 


二度とベタツキ劣化しないように本革で作成交換します。

 

 

 


波打ち変型は芯材の劣化が原因です。

 

 

 


芯材が原因ですので内側も変型しています。

 

 

 


本革で作成交換の完了です。

 

 

 


再メッキはしていませんが金具も洗浄しておきました。

 

 

 


二つのバッグを繋ぎ合わせたような構造で手間が掛かるバッグでしたが、
良い素材で丁寧に作製された高品質なバッグです。

合成皮革の内張りは無くなりましたのでベタツキの心配なく活用できます。

大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーションさま

お世話になっております。
本日、バッグを受け取りました。

丁寧でしかも迅速なお仕事で大変きれいにしていただき、
加工をお願いする前の状態が想像できないほどです。
心より感謝申し上げます!
大切に使っていきたいと思います。

また素敵な〇〇〇〇〇も嬉しいです。
この度は本当にありがとうございました。

 

東京都 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に長くご愛用ください。

ピコタンの擦れ汚れ


エルメスのピコタンMM エトープとピコタンPM ホワイトです。

 

 

 


ピコタンPMは内側にも革を貼り合せた構造ですので自立します。
一枚革構造のピコタンは自立しませんが柔らかさが魅力です。
強度や耐久性は内側にも革があるPMが丈夫です。

 

 

 


ピコタンPMはコバ面の塗料にひび割れやハガレがあり劣化しています。

 

 

 


持ち手は擦れや汚れが避けられない部分です。

 

 

 


本体にも擦れや汚れが見られ底角は表皮が擦れて無くなっています。

 

 

 


底面全体にはシミ汚れが見られます。

 

 


ご本人的には、まだまだ大丈夫と思われていたようですが、
擦れや汚れや色あせなどは当社では重傷だと考える状態です。

感覚的な部分ですので見た目については人それぞれですが、
表皮が剥がれると革素材の劣化が急速に早まり長持ちしません。

 

 

 


今回は外面のクリーニングと補修補色加工ですが、
内側にも擦れや汚れシミ汚れが見られ綺麗な印象はありません。

 

 

 


エトープ色のピコタンMMも底角は表皮が無くなるまでスレスレです。

擦れて無くなった表皮が元に戻ることは無く、
もっと軽傷なうちにメンテナンスするのが理想です。

 

 


本体もスレスレで表皮が剥がれています。

一枚革の構造で革が伸びるので塗装が剥がれやすいのも要因です。

 

 


外面の傷み具合を見ると内部材や構造の重要性がわかります。

 

 

 


持ち手は糸が擦切れ口が空いた状態です。

 

 

 


こちらの持ち手は犬に噛まれて切れています。

 

 

 


ピコタンPMは天部や持ち手の劣化したコバ塗料を剥がし取りました。

 

 

 


本体を裏返すとシミ汚れだけで無くホコリやゴミが溜まっていました。

 

 

 


埃やゴミは取除いて清掃しておきました。

 

 

 


出来る限り汚れを取除いた状態です。
クリーニングすると表皮が剥がれて色あせた部分は汚れの様に見えます。
この後、表皮の剥がれた部分を整える補修加工を施し補色します。

 

 


ピコタンMMは犬に噛まれてヨレヨレの持ち手全体を強化加工します。

 

 

 


犬に噛まれて欠損した部分が見られますが素材劣化の方が重傷です。

 

 

 


底角は革の繊維が露出して擦れが重傷です。

 

 

 


持ち手の取り付け部は負担が掛かる部分ですので、
強化加工を施したいのですが一枚革構造ですので、
強化加工を施す事が出来ません。

バッグ全体を解体して内側にも革を貼り合せながら強化すれば、
本体を丈夫にすることも可能で自立させることもできますが、
クタァ~とした柔らかさもピコタンMMの魅力ですので、
バッグの構造を理解して丁寧に活用するのが良いと思います。

 

 

 


外面クリーニングと補修補色加工の完了です。

 

 

 


底角や底面の擦れやシミ汚れも改善しました。

 

 

 


ひび割れや劣化が見られたコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 


予定外ですがシミや汚れが見られた内側も少し綺麗にしておきました。

 

 

 


エトープ色のピコタンMMも補修補色加工の完了です。
表皮が擦れて無くなっていた底角も同色にすることで改善。

 

 


表皮が剥がれて白くなっていた本体も改善させています。

 

 

 


犬に噛まれて欠損も見られたヨレヨレの持ち手も丈夫に復活です。

 

 

 


残念な状態で持ち歩きにくかったピコタンですが、
活用できる状態に改善させています。

強化した持ち手は新品時より丈夫に仕上げていますが、
本体が一枚革のピコタンは革が伸びると表皮も傷みやすいので、
出来るだけ中身を軽くして活用する方が良い状態を保ちやすいです。

出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

 

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ケリーバッグ擦れ


年代物のエルメスのケリーバッグです。

 

 

 


正面中央に2本の引っかき傷が目立ちます。

深い傷ですので消えることはありませんが、
補修補色加工で同色にすることで目立たなくなります。

 

 

 


底角4箇所も表皮が剥がれた擦れ傷が深く重傷です。

 

 

 


同様に。。。

 

 

 


カブセ天部は使用時に引っかいた傷が多数見られます。
使い方を丁寧にするしか避けようがない損傷です。

 

 

 


カブセ折り曲げ部やベルトなどは革素材の経年劣化で色あせています。

 

 

 


反対側のカブセ付け根も同様に。。。

カブセの開閉の度に屈曲する部分は傷みやすく、
縫製糸の擦切れもありますので強化しておくのが理想です。

 

 

 


革の劣化が原因でクローシュ紐には亀裂や剥がれが見られます。

 

 

 


負担が掛かる付け根革も亀裂部分が白くなっています。

 

 

 


反対側の付け根革も両側に亀裂が見られます。

 

 

 


ロック金具のヒネリ付け根には隙間ができてグラグラしています。
抜落ちて紛失する前に加工しておくのが安心ですが今回は放置します。

 

 

 


経年劣化で革の柔軟性がなくなり無数のひび割れが見られる持ち手は
作成交換するのが安心ですが今回は補修補色加工で対応します。

 

 

 


カブセの内側も色あせや傷が見られます。

 

 

 


クリーニング加工で外面の汚れを取除いたところです。

 

 

 


汚れを取除くと持ち手の表皮の剥がれが鮮明です。

 

 

 


切れている部分や弱っている部分を補色しても強度は改善しませんので、
リニューアルリペア加工が安心であることは理解されているのですが、
今回は見た目を改善する加工のみ施します。

 

 

 


クリーニング加工と補修補色加工の完了です。

カブセ天部全体に見られた引っかき傷も目立たなくなり、
ベルトなどコバ面も仕上げ直してスッキリです。

 

 


マチも同様に。。。

 

 

 


後面も同様に。。。。

 

 

 


底角4角の擦れも出来る限り改善させました。

 

 

 


予定外でしたがカブセ内側も改善させておきました。

 

 

 


素材劣化でひび割れている持ち手の耐久性はわかりませんが、
本体と同色になるように補修加工で擦れ部を整えて補色しました。

 

 

 


経年劣化で柔軟性がなくなった素材に塗装していますので、
ひび割れなどは避けられないと思いますが、
表皮が剥がれた部分やひび割れ部も同色になるように補修してから、
補色加工しています。

 

 

 


附属パーツのクローシュも補修補色加工しておきました。

 

 

 


色あせや擦れが目立たなくなったことでケリーらしく凜々しい姿に復活。

ロック金具、亀裂部、持ち手など心配な部分は、
強度も耐久性も改善していませんので慎重な取り扱いが必要です。

買換えることが出来ない最高品質時代のケリーバッグですので、
出来る限り悪化させないように大切にご使用ください。

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(お手紙紹介です)

レザークリエーション御中

お世話になっております。
修理品、本日受け取りました。
丁寧に梱包していただいていたパッキンを開け、
新品になったかのようなバッグを見て、
どれだけ細かく丁寧に気持ちを込めて
修理をしていただいたのかと感動と感謝の気持ちでいっぱいです。
20年近くクローゼットの片隅に仕舞い込み、
何年も何年も御社のホームページと睨めっこしながら
依頼する勇気とタイミングが掴めなかったのです。
今日このように命を吹き込んでいただいたこのバッグを、
これから日々大切に丁寧に使っていきたいと思います。
同梱していただいた〇〇〇〇〇もありがとうございました。
とても可愛くて嬉しいです。
本当にどうもありがとうございました。

 

 

兵庫県 Y 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
擦れや汚れなどの見た目は改善していますが、
丈夫になった訳では無く構造面には心配があります。
出来る限り丁寧に取扱いながら大切にご愛用ください。