マトラッセの擦れ


使い込まれたシャネル マトラッセ チェーンショルダーバッグです。

 

 

 


底角やカブセ外周は表皮が剥がれてガサガサ状態です。

 

 

 


こちら側も同様に。。。

 

 

 


カブセ付け根や折り曲げ部も擦れやすい部分です。

 

 

 


後面ポケットの天部も表皮が剥がれて全体的にスレスレです。

 

 

 


前面も擦れが目立ち、ここまで活用されていたことが不思議な状態です。

 

 

 


マチは白くカビのような汚れも見られます。

 

 

 


附属パーツを取り外して汚れを取除きました。

 

 

 


汚れを取除くと擦れ具合が鮮明になります。

 

 

 


マチも汚れを取除くと擦れ具合がわかります。

 

 

 


金具も汚れていましたが洗浄しておきました。

 

 

 


外面のクリーニングと補修補色加工の完了です。

 

 

 


ガサガサだった擦れ部を補修して整えたあと補色しています。

 

 

 


外面だけの予定でしたが内側も少し綺麗にしました。

 

 

 


残念すぎる状態でしたがシャネルのマトラッセとして、
活用いただける状態に復活しました。

デリケートな素材ですので良い状態を保つには、
丁寧な取り扱いが必要です。

大切に長くご愛用ください。

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ダミエ・アンフィニ


ルイヴィトン ダミエ・アンフィニレザーのリュック(N40091)です。

 

 

 


底角やパイピング角部に擦れは見られますが、
全体的には、まだまだ綺麗なバッグです。

しかし・・・

 

 

 


天部にハサミで切断された残念すぎる損傷があります。

 

 

 


ファスナー、天部革、パイピング、前面革、芯材、内張り、縫製糸が、
切れた状態で活用不可能です。

ハサミで切られてますので切り口もボロボロでガタガタです。

 

 


内布を見ると何度も力を入れ直して切られた事がわかります。

新品時に戻ることはありませんので諦めるしかない状態ですが、
ファスナー、天部革、パイピング、前面革、芯材、内張り、縫製糸など、
それぞれのパーツごとに修復しながら活用できるようにします。

 

 

 

 


ファスナーを取除いてパーツごとに分解したところです。

ナイフなら切り口が綺麗ですが、何度も力を入れて切り裂くハサミは、
細かく素材を欠損していますので裂けた部分を繋ぎ合わせても
素材が足りず隙間が出来てしまいます。

 

 

 


切り裂き部の復元強化加工の完了です。

 

 

 


出来る限り修復しましたがボロボロに裂けた傷が消えることはありません。

 

 

 


欠損が大きかった内布はヤブレ部を強化して、
裂けた部分を革パーツでデザインして隠しました。

切り裂かれた傷は残りますがパーツごとに強化して組み立て直しましたので、
切り裂かれた部分の強度は格段にましています。

 

 

 


底角やパイピング革の擦れも少し改善させました。

諦めるしかない状態でしたが活用できる状態に復活しましたので、
大切に長くご愛用ください。

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ガーデンパーティPM


エルメス ガーデンパーティ TPM ネゴンダのエトープと黒です。

 

 

 


底角4カ所は擦れが激しくパイピング革も表皮が剥がれています。

 

 

 


表皮がなくなった部分は補修加工を施さなければ塗料を吸い込んでしまい、
補色することが出来ません。

 

 

 


持ち手付け根付近も擦れやすい部分です。

 

 

 


4カ所とも同様に。。。

 

 

 


茶色い汚れ?

 

 

 


黒も底角はスレスレ。

 

 

 


4角とも同様に。。。

 

 

 


汚れを取除くと持ち手はスレスレ。

 

 

 


表皮が剥がれて白くなった部分だけでなく全体が色あせています。

 

 

 


茶色い汚れ?は周囲の塗料が剥がれるほどクリーニングしても
取除くことが出来ず・・・

それどころか少し大きくなりました。

 

 


黒のバッグも持ち手はスレスレ。

 

 

 


クリーニングと補修補色加工の完了です。

 

 

 


エトープのバッグも同様に。。。

 

 

 


重傷だった底角も改善。

 

 

 


擦れてしまうことが避けられない底角は注意するしか、
良い状態を保つ方法はありません。

 

 

 


茶色い汚れ?の正体はわかりませんでしたが消えました。
少しでも耐久性を上げるためにコーティング加工も施しましたので、
汚れが染み込みにくくなっています。

バスタオルなどを詰め込んで形を整えて保管することで、
変型型崩れを遅らせる効果があります。
出来る限り良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。

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イカットフラワー


ルイヴィトン イカットフラワーのジッピーウォレットです。

 

 

 


基本的にヴェルニと同じ素材ですので印刷物などが色移りしやすく、
取除くことは出来ません。

 

 

 


擦れやすい外周から表皮が剥がれて白くなってしまいます。
耐久性や強度よりもファッション性を重視した素材ですので、
避けようが無い損傷です。

 

 


白くなった部分が多数ありイカットフラワーには目立ちすぎますので、
補色して目立たないようにします。

 

 


折り曲げ部は糸が擦れてなくなっていることからも傷みやすい部分です。

 

 

 


当然、反対側の折り曲げ部も糸が擦切れています。

縫い直すためには解体が必要ですので同時に強化するのが安心ですが、
今回は縫い直しのみで対応を希望されています。

 

 


解体しますので擦れが見られるファスナーは交換します。

 

 

 


解体。

 

 

 


ボール紙の芯材ですが現状は大きな問題はありません。
折り曲げ部には芯材はありませんが、
外面から見える部分ですので薄い革を縫い付けて目隠ししています。

 

 

 


引き手金具は再メッキ加工します。

 

 

 


最高品質のファスナーに交換して金具を再メッキしました。
外周コバ面も仕上げ直しています。

 

 

 


ホツレ部も縫い直しました。

 

 

 


いろんな色で構成されたイカットフラワーですので苦労しましたが、
擦れて白くなった部分を目立たなく仕上げています。

 

 

 


良い状態を保ち続けるには丁寧に取扱うしか方法がない、
とてもデリケートな素材の財布です。

バッグに入れるときも財布を単体で入れるポケットを決めて、
他の物と擦れないように工夫するなど上手に活用ください。

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(お手紙紹介です)

本日受け取りました。

この度は修理いただきありがとうございました。
修理のブログも拝見いたしました、
普段見えない部分が見えて面白かったです。
丁寧に作業いただきありがとうございました!
今後も大別に使っていきたいと思います。

 

奈良県 Y 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
綺麗な状態を保ち続けるのは難しい素材ですが、
この財布を綺麗なまま活用できれば、
どのブランドの財布を選んでも綺麗に愛用できます。
大切に長くご愛用ください。

セリエ キーケース


使い古されてボロボロ感があるエルメスのセリエ キーケースです。
セリエのホック金具や縫製糸が擦れて革も重傷です。

 

 

 


黒く見える部分は表皮が剥がれてなくなった部分に、
汚れが染み込んでいます。

外面全体がスレスレですのでエルメスでなければ諦めても良いほど、
活用されてきたキーケースです。

 

 


メンテナンスのタイミングとしては遅すぎるのですが、
リニューアルリペア加工で出来る限り改善させます。

 

 

 


ホルダー金具はメッキが剥がれていますが、
外面と比べると内側は良い状態に見えて錯覚します。

 

 

 


内側も刻印も消えるほどスレスレです。

 

 

 


バラバラに解体して出来る限り汚れを取除きました。

 

 

 


全体を強化しながら組み立て直してリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 


ホルダーー金具は再メッキ加工して擦れ部を補修補色しました。
ホックも代用品に変えることなく磨き直して再生しています。

 

 

 


押しつぶされてペタンコだった折り曲げ部も丈夫になり、
外周のコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 


スレスレだったセリエ刻印のホック金具も磨き直して再生しています。

財布やバッグと比較しても傷みが出やすいアイテムですし、
一度は限界を超えるまで使い込んだ品ですので、
出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

 

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劣化したベアン


長年酷使された様子のエルメス長財布(ボックスカーフ ベアン)です。

 

 

 


H金具はメッキが剥がれ、ベロ革は素材が劣化して朽ちています。

 

 

 


ベロ革付け根のループ革は擦切れて欠損しています。

 

 

 


本体も素材が劣化していてボロボロです。

 

 

 


素材自体が限界を迎えていたり欠損していたりするので、
手遅れ状態の財布です。

リニューアルリペアを提案しましたが劣化した素材は放置したまま、
折り曲げ部やベロ革を強化しながらコバ面を仕上げ直します。

 

 


内部材は角部の擦切れ欠損が見られますが革素材は生きています。

 

 

 


本体を解体してベロ革を取り外しました。

 

 

 


折り曲げ部に強化芯材を入れ込んで組み立て直します。

 

 

 


ベロ革は強化するためにバラバラに解体しましたが、
強化加工で活用できる状態に復活しないほど劣化して朽ちています。

 

 


折り曲げ部を強化してコバ面を仕上げ直して加工完了です。

 

 

 


予定外ですが朽ちているベロ革は諦めました。

 

 

 


ベロ革とループ革はフランスのデュプイ社のボックスカーフで作製。

 

 

 


本体の折り曲げ部も強化した後、予定外ですが少し補色して整えました。

 

 

 


予定外の加工を追加しながら活用できる状態に復活させましたが、
素材まで生き返ったのはベロ革とループ革だけです。

出来る限り丁寧に取扱いながらご愛用ください。

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