バーキン修理


使い込まれて残念すぎる状態のエルメスのバーキンです。

 

 

 


各部に擦れがあり表皮が無くなった部分は革の繊維が露出しています。

 

 

 


底角は表皮が無くなっただけでなく擦り切れて穴が空いています。

 

 

 


穴が空いてパイピングの芯材が見えている箇所は部分修理します。
表皮が無くなると革の劣化も進行しますので、
もっと早い段階でメンテナンスするのが理想です。

 

 


両側の持ち手も表皮が剥がれた部分に手の汚れや脂分などが浸透して、
革素材が劣化しています。

劣化した素材が元に戻ることはありません。

 

 

 


素材自体が限界を超えていますので持ち手は手遅れ状態です。

 

 

 


本体を解体して持ち手を取り外しました。

 

 

 


汚れを取除くと擦り切れて穴が空いた部分がよく解ります。
穴が空いた部分は5箇所もあり残念すぎるバーキンです。

 

 

 


両サイドのベルトも汚れを取除くと擦れや色あせが鮮明です。

 

 

 


両側の持ち手は素材が朽ちています。

 

 

 


芯材を剥がした内側から見ると穴が空いていることもわかります。

 

 

 


持ち手や金具を取り付けた前面を解体して内側から見たところです。

ロック金具はアンテナ部がグラグラしていますので、
抜け落ちて紛失する前にしっかりと修復します。

 

 


天部も解体しなければ持ち手の縫製は出来ません。

 

 

 


両側の持ち手を作成交換して底角の擦り切れ部5箇所を修復したあと、
外面全体をクリーニングと補修補色加工しました。

 

 

 


グラグラだったヒネリ金具も修復しています。

 

 

 


マチ天部は糸が擦り切れてホツレが見られましたので、
予定外ですが両側とも縫い直しておきました。

 

 

 


後面も擦れや汚れや色あせが見られましたが、
出来る限り改善させています。

 

 

 


持ち歩くのが困難なほど傷んだバーキンでしたが、
再び活用していただける状態に復活させています。

革製品は手遅れ状態まで悪化させてからメンテナンスするよりも、
早めのメンテナンスを繰り返す方が良い状態を保てます。

出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
昨日、バーキンを受け取りました。
とても綺麗に修理されていて大変驚きました。
コパの匂いなのでしょうか、
買った当初のような気分になりました。
ありがとうございました。
本日は他のバーキン(緑色28cm)の修理をお願いしたいと思っております。
前回同様、持ち手や四隅のスレが気になっておりますが、
その他レザークリエーション様が直したほうが良いと思われる箇所も
修理していただきたいと思っております。
よろしくお願い申し上げます。

 

東京都 H 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
修理するタイミングが少し遅く残念すぎる状態でしたが、
再び活用いただけるように復活しています。
出来る限り良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。
新たにご依頼されるバーキンの状態も少し心配ですが、
到着しましたら現品診断してみます。