2003年に作成されたルイヴィトンの長財布です。
カブセの外周はコバ面の塗料が剥がれています。
カブセ全体が反り返って変形しています。
10年以上が経過した財布でモノグラム地が縮んでいることが原因です。
この角度からコバ面が見えるほど外周が反り立っています。
カブセで隠れる内側も同じモノグラム素材ですので変形が少し見られます。
擦れやすい部分は糸が擦り切れてホツレが見られます。
底角も同様に。。。。
今回はカブセの変形を出来る限り改善させる加工を承りましたが、
このように解体してしまうと縮んだモノグラム地と内部材のサイズが合わなくなります。
難易度の高い加工になりますので直営店や他店様では断られてしまう加工です。
芯材を取り除くとモノグラム地の変形がよくわかります。
強化芯材を入れ込みながら変形を補正して縫製します。
長年頑張ってくれた芯材を取り除き強化芯材でカブセの補正加工の完了です。
基本的に脱着が不可能なホック金具も元通りに。
ホツレ部も縫い直して外周のコバ面も仕上げ直しています。
財布では傷みやすい折り曲げ部も強化加工を施しておきました。
カブセの変形補正で見た目が改善したことよりも、
同時に施した折り曲げ部の強化加工の方が長く愛用いただく上では、
有効な加工です。
丁寧に使用していても素材の経年劣化は避けられませんが、
出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索