34年前のルイヴィトンのノエです。
ショルダーベルトは紛失されて無くなっています。
古い品ですので傷や汚れなどが見られますが、
最高品質のヌメ革が使用されていたころのバッグです。
擦れやすい底角は擦り切れて穴が空いています。
ショルダーの付け根革も切れています。
古くなった革は柔軟性が低下してサクサク状態です。
刻印入りのカシメ金具やアイレット金具は錆びて変色しています。
バラバラに解体して劣化したヌメ革パーツを作成交換しながら復活させます。
巾着バッグですので天部の周囲には14個のアイレット金具が付いています。
基本的にアイレットやカシメ金具は取り外すと再利用することができない金具です。
しかし、アイレット金具を取り外さなければヌメ革パーツの作成交換できません。
代用の金具に交換してしまうのが楽ですがヴィトンの刻印が無くなってしまいます。
予定外ですがヌメ革パーツが新しくなりますので、
変色したアイレットを磨いてみました。
取り外したアイレットも再生したあと磨きます。
当時のヌメ革に負けない高品質な素材でヌメ革パーツの作成交換の完了です。
刻印入りのカシメ金具やアイレットも元通りに取り付けています。
この辺りは他では見かけることがない当社ならではの、こだわり加工です。
しかし、切れていた付け根革など負担が掛かる部分に強化加工を施しながら、
組み立て直していることの方が小さなブランド刻印を残すよりも、もっと重要です。
当然ながら付け根革の裏側にもヌメ革を張り合わせて強化芯材を挟み込んでいます。
新品のヌメ革は汚れが目立ちますので少し色づくまで色やけさせてから、
使用する方が取り扱いしやすいです。
錆が酷く14個もあるので大変でしたがアイレット金具を磨いて正解でした。
ショルダーベルトも強化芯材を挟み込んで作成しました。
塗装など化粧加工がされていない素の状態であるヌメ革は
取り扱いが難しいですが本来は汚れや傷を気にする素材ではありません。
汚れや傷も含め色焼けによる変色など使い込みながら変化を楽しむ素材です。
最高品質のヌメ革素材を使用しながら強化加工も施してパーツ作成していますので、
変化を楽しみながら大切に長くご愛用ください。
別件ですが・・・・
正月休みに自分のキーケースを今回のノエと同じヌメ革で作成したのですが、
作成してすぐにミンクオイルを塗り込んでみました。
3週間ほどの使用ですが比較で置いた新品のヌメ革と皮革すると、
かなり変色していることがわかります。
ストラップをベルトに通して使用しているとジーンズの色が付いてしまいましたが、
ミンクオイルを塗り込んでいたおかげか?
藍染めジーンズの色移りも目立たなく取り除けました。
しかし、ミンクオイルやレザークリームなどを使用して、
シミになる事もありますので素材の保湿や保護よりも見た目を重要視される方は、
使用しない方が無難かも?
ちなみに、ヌメ革で包まれた小さな付属品はガソリンスタンド(エッソ石油)の
スピードパスですが革で包み込んでも問題なく給油の決済できています。
自分自身は取り扱いが難しいヌメ革はメンテナンスが面倒で避けてきたのですが、
息子達が自身のスマホやノートパソコンのケースをヌメ革で作成していて、
時々、ミンクオイルを塗り込んで使用していました。
傷や汚れも含め少しずつ変化する使い込んだ雰囲気がよく「へぇ~」と感心。
今さらという感じですが傷みやすいキーケースをヌメ革で作成してみました。
少し色焼けさせてからミンクオイルなどを使用するのが無難かと思いましたが、
せっかちなので即日ヌリヌリ。
ミンクオイルなどを販売しているわけではないので、
自然に色焼けさせるのが良いのか、ミンクオイルなどを使用するのが良いのか?・・・
革が劣化してからでは効果はありませんが革が良い状態なら、
保湿効果で柔軟性を維持して強度の低下を抑える効果はありそうです。
今回は自分で作成したものだからミンクオイルを使用できましたが、
購入したものや頂き物には使用する勇気はありません。
参考までの結果報告でした。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索