ブルックリン財布の修理

brooklyn (1)
ブルックリンの二つ折り財布です。

オイル(脂分)をコードバン革に浸透させた素材で作成された財布なんですが、
すでに革からはオイル分が抜けて革が乾燥している状態です。

 

 

 

 

 

brooklyn (2)
折り曲げ部がV字型に欠損しています。

周囲の状態から擦り切れて欠損したのではなく革が乾燥して、
サクサク状態になっていることが要因の一つだと思われます。

 

 

 

 

 

brooklyn (3)
この辺りの亀裂も革が乾燥してサクサク状態なのが原因です。

 

 

 

 

 

brooklyn (4)
縫製糸の絞まりで革が切れてしまいステッチが見えない部分があります。

革の乾燥が激しいために縫製糸で革が切れてしまった症状ですね。
ステッチはホツレていませんので革の中でつながっています。

 

 

 

 

 

brooklyn (5)
角部も革がステッチで切れています。

内部材の厚みが変わる部分ですので慎重に縫製する部分ですが、
生産時の縫製に問題があったようで縫い幅が極端に狭くなっています。

このようなステッチでは革の乾燥に関係なく針穴で切断されたようなものです。

 

 

 

 

 

 

brooklyn (6)
内側を見ても丁寧に活用されている印象です。

 

 

 

 

 

brooklyn (7)
札入れの仕切りとカードポケットの2段目は革が欠損しています。

 

 

 

 

 

brooklyn (8)
小銭入れのマチもステッチのラインで切れています。

 

 

 

 

 

brooklyn (9)
反対側のマチも切れています。

 

 

 

 

 

 

brooklyn (10)
革の乾燥で亀裂や欠損が各部に見られますので、
各パーツに強化加工して丈夫にするリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 

brooklyn (11)
札入れの仕切りパーツを剥がして裏側から見てみると・・・・

 

 

 

 

 

brooklyn (12)
片面は本革で糸が飛び出た黒い方は合成皮革です。

合成皮革素材はベタ付き劣化の心配がありますので本革で作成し組み立てます。

 

 

 

 

brooklyn (13)
合成皮革部材は本革仕様になり、リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

brooklyn (14)
折り曲げ部の欠損は復元強化加工で再生しながら強度アップしています。

 

 

 

 

 

brooklyn (15)
反対側の折り曲げ部も強化して外周はコバ仕上げ直しでスッキリです。

 

 

 

 

 

brooklyn (16)
ポケットの欠損部も復元しながら各パーツには強化加工を施しています。

 

 

 

 

 

brooklyn (17)
使い込んだ風合いを楽しむ財布ですので、あえて補色加工はせずに仕上げました。
化粧加工していませんので見た目に大きな変化は感じませんが、
財布を手にするだけで強度アップしていることがわかると思います。

小銭入れのマチだけでなく、カブセの折り曲げ部などまで強化していますので、
構造的には新品時より頑丈になっています。

しかし、乾燥した革には保湿クリームなどでメンテナンスしながら、
少しでも良い状態に改善させて活用されることをお勧めします。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

 

(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション 担当者様

本日、財布の方が届きました。
10年使ってボロボロでしたが、復元強化の名前通り
持ってすぐに前よりがっしりとしてるのが分かる仕上がりで、
お願いして良かったです。
ブログも拝見しました。
御指摘された通り、10年ほぼノーメンテナンスでしたので、
次の10年は定期的にケアしながら大切に使わせていただきます。
10年後、
まだ買い替えたい財布が見つかってなかった時はよろしくお願いします。
ありがとうございました。

 

広島県 S 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
長く使い続けたいと思える財布やバッグに出会えることは、
多くありませんので、これまで以上に丁寧に活用しながら、
大切に長くご愛用ください。

プラダ バッグの修理

prada messenger (1)
プラダのメッセンジャーショルダーバッグです。

 

 

 

 

 

prada messenger (2)
両サイドにはファスナーとカブセが付いたセキュリティ万全のポケットがあります。

 

 

 

 

 

prada messenger (3)
カブセはマグネットでロックするタイプですが、
こちら側のポケットはバックル金具を紛失されていてマグネットロックできません。

 

 

 

 

 

prada messenger (4)
カブセを開くとファスナーも裂けていますので要交換です。

 

 

 

 

 

prada messenger (5)
反対側のポケットも同様に。。。。。

 

 

 

 

 

prada messenger (6)
本体天部のファスナーも開閉不可能状態ですので要交換。

頻繁に使用するファスナーは消耗しますので避けようのない損傷ですね。

 

 

 

 

 

 

prada messenger (7)
前面の大きなカブセの2本のベルトですが右側ベルトに損傷が見られます。

 

 

 

 

 

prada messenger (8)
裏側から見ると革の欠損も見られ重症です。

 

 

 

 

 

prada messenger (9)
ショルダーベルトの付け根革にも損傷が見られます。

 

 

 

 

 

prada messenger (10)
芯材もボロボロで欠損しています。

 

 

 

 

 

prada messenger (11)
内張りのヤブレはプラダの定番トラブルです。

 

 

 

 

 

prada messenger (12)
ボロボロになった芯材を取り外して強化します。

 

 

 

 

prada messenger (13)
交換するファスナー3か所と内張りを取り外したところです。

 

 

 

 

 

prada messenger (14)
今回は内張りの縫い合わせ部は全体的に強化します。
内張りを全体的に強化することでバッグ全体の耐久性がアップします。

大きなバッグには有効な加工で安心して活用いただけるようになります。

 

 

 

 

prada messenger (15)
ファスナー交換と内張り全体強化加工の完了です。

 

 

 

 

 

prada messenger (16)
付け根革も芯材を交換して組み立て完了です。

 

 

 

 

 

prada messenger (17)
両サイドのファスナー交換も完了。

 

 

 

 

 

prada messenger (18)
カブセのマグネットロックもパーツ作成で使用可能になりました。

 

 

 

 

 

prada messenger (19)
切れていた右側のベルトも復元強化加工で復活しました。
加工していない左側のベルトより丈夫になっています。

 

 

 

 

 

prada messenger (20)
裏側から見ても復活しています。

 

 

 

 

prada messenger (21)
各部に損傷が出るまで使い込まれたバッグですが、
内張りの全体強化加工や損傷部のメンテナンスで復活しました。

大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション 御中

お世話になりました、〇〇〇です。
お礼が遅くなりましたが、ありがとうございました!
ブログも読みました。
おかげさまで、向こう10年間はまた使えそうです。
自分にとっては使い勝手のいい鞄であり、
かつ気にいっているものなので、本当に助かりました。
10年後辺りにまた依頼できればと思っております。
天候の優れない日々が続きますが、どうぞご自愛くださいませ。
レザークリエーションの皆様の益々のご健勝を心よりお祈りしております。

千葉県 I 様
お受け取りのご連絡ありがとうございました。
便利に使えるだけでなくお洒落な良いバッグです。
内張りの全体補強は長く愛用いただくためには有効な加工で、
安心して長く活用することができる状態です。
大切に長くご愛用ください。

セリーヌ財布の色褪せ

celine (1)
セリーヌの長財布です。

 

 

 

 

 

 

celine (2)
外面全体に色落ちが見られます。

この革素材は色落ちや色褪せしやすい革のようで、
ベロ革で隠れて擦れることが少なく紫外線も当たり難い
凸ホックの周囲は元の色が残っています。

 

 

 

 

 

celine (3)
外面と比較すると内側は綺麗な状態ですが新品時よりは色褪せています。

 

 

 

 

 

celine (4)
ベロ革は金具の出っ張りで擦れにくい先端部は色落ちが少なく、
ベロ革の折り曲げ部は革色がわからないほどです。

 

 

 

 

 

celine (5)
色落ちが軽傷なベロ革の先端部も内側部材と比較すると、
同じ財布とは思えないほど変色しています。

外面全体の色落ちが激しく使用しづらい状態ですので、
補修補色加工で外観を整える加工を施します。

 

 

 

 

 

celine (6)
ベロ革と内部材を比較しても違和感がないように補修補色加工で復活です。

内部材も小傷や擦れを補修しておきました。

 

 

 

 

celine (8)
後面も色褪せや色むらがなくなりスッキリです。

 

 

 

 

 

celine (9)
色褪せや色落ちしやすい革であることに変わりはありませんが、
コーティング加工も施すなど紫外線の対策を施しています。

デリケートな素材ですので綺麗な状態を保ち続けるのは難しい素材ですが、
構造的には丈夫で長く愛用できる財布です。

大切に長くご愛用ください。

 

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(お手紙紹介です)

昨夜、財布を確認しました。
ブログも見ました。

すっかり綺麗になって見違えました。
コーティングもありがとうございます。
ずっと使っていきたいので
工夫してもらえて嬉しいです。

あと〇〇〇〇〇までありがとうございました。
早速使わせてもらっています。

またメンテナンスするときは是非お願いしたいです。
ありがとうございました。

和歌山県 K 様

お受け取りのご連絡ありがとうございました。
デリケート素材であることに変わりがありませんが、
構造的には頑丈に仕上げられた良い品です。
大切に長くご愛用ください。

ゴルチェ財布の修理

Jean Paul GAULTIER (1)
Jean-Paul-GAULTIER(ジャン ポール ゴルチェ)の財布です。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (2)
折り曲げ部は革が擦り切れて穴が空いた状態です。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (3)
こちら側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (4)
折り曲げ部と同様に擦れやすい角部も革が擦り切れて穴が空いた状態です。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (5)
こちらの底角も同様に。。。。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (6)
カブセの角も同様に。。。。。

両側の折り曲げ部は負担が掛かる部分ですので復元強化加工を施し、
角部6か所は補修補色加工で見た目を整えます。

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (7)
折り曲げ部の復元強化加工の完了です。

擦り切れて破れたテーピング革は部分的に作成交換しながら強化しています。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (8)
折り曲げ部を内側から見たところです。

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (10)
角部は擦り切れヤブレを補修して表面を整えた後、補色加工しています。

 

 

 

 

 

Jean Paul GAULTIER (11)
財布ですので折り曲げ部や角部の損傷は避けることができませんが、
その辺りに注意を払いながら良い状態を保てれば、
長く愛用することができます。

大切に長くご愛用ください。

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アイグナー財布とエピ小物の修理

epi aigner (1)
アイグナー二つ折り財布とエピの小銭入れとパスケースです。
いずれも年代物で20~30年前に製造された品だと思います。

 

 

 

 

epi aigner (2)
LOUIS VUITTONの刻印の下にはmade in ~とされていることが多いのですが、
この小銭入れはMALLETIERと刻印されています。

マレーシアヴィトンなの?・・・と勘違いしそうですが、
マレーシアはMalaysiaで、MALLETIER(マレティエ)は
フランス語で「鞄職人」です。

「ルイヴィトンの鞄職人が作成しました。」という刻印のようです。

 

 

 

 

 

 

epi aigner (3)
両側の折り曲げ部は革が擦り切れて穴が空いています。

 

 

 

 

 

epi aigner (4)
角も擦れやすい部分ですのでエピ革が擦り切れて芯材が露出。

 

 

 

 

 

epi aigner (5)
パスケースも折り曲げ部が擦り切れ縫い直しも不可能な状態。
直営店でも対応してくれない状態ですので手遅れと呼べる症状です。

 

 

 

 

 

epi aigner (6)
こちら側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

epi aigner (7)
アイグナー財布もステッチのラインがなくなるまで擦り切れています。

 

 

 

 

 

epi aigner (8)
こちら側はカジリ取られたような状態です。

高品質時代の財布だけに、もっと早い段階で修理していればと悔やまれます。

 

 

 

 

epi aigner (9)
このままでは悪化するだけで使えなくなるのは時間の問題です。

今回は3点とも折り曲げ部の復元強化加工で、
これ以上の悪化を抑えながら引き続き愛用いただけるように加工します。

 

 

 

 

 

epi aigner (10)
エピ小銭入れと同様に角部は革が擦り切れて欠損して芯材が露出しています。

 

 

 

 

 

epi aigner (11)
こちらの角も革がなく擦り切れヤブレも見られます。

 

 

 

 

epi aigner (12)
年季の入った財布です。

 

 

 

 

 

epi aigner (13)
パスケースの折り曲げ部を解体したところです。
両側の折り曲げ部とも大きな穴が空いています。

 

 

 

 

 

epi aigner (14)
小銭入れも同様に。

 

 

 

 

 

epi aigner (15)
この部分に強化芯材を入れ込んで擦り切れ穴を塞ぎながら縫製します。

 

 

 

 

 

epi aigner (16)
パスケースの折り曲げ部の復元強化加工の完了です。

 

 

 

 

 

epi aigner (18)
小銭入れも同様に。。。。

 

 

 

 

 

epi aigner (19)
縫い直すことも不可能でしたが内側から見てもステッチラインが復活です。

 

 

 

 

 

epi aigner (20)
小銭入れも同様に。。。。

 

 

 

 

 

epi aigner (21)
アイグナー財布の折り曲げ部も復元強化加工の完了です。

 

 

 

 

 

epi aigner (22)
内側も綺麗に。

 

 

 

 

 

epi aigner (23)
縫い直す部分が擦り切れてなくなり手遅れと言える状態でしたが、
引き続き活用いただけるように復活しました。

買い替えることができない品ですので大切に長くご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

レザークリエーションさま

このたびは本当にありがとうございました。
商品を見るより先に、ブログで修理の様子を拝見し
漸く現物をみることができました。
本当に感動しました。
アイグナーは西ドイツ製だったので、
半分あきらめていましたので
これからも重傷になるまえに、
御社に相談してゆきたいと思います。

本当にありがとうございました。

 

東京都 O 様
引き続き、活用いただけるように改善させていますが、
一度は手遅れ状態まで悪化した年代物であることを、
考慮しながら大切に長くご愛用ください。

財布の全バラ修理

whc (1)
損傷の激しいホワイトハウスコックスの財布です。

 

 

 

 

 

whc (2)
使い込んだ雰囲気を楽しむ財布ですので、
出来る限り現状の雰囲気のままでリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 

 

whc (3)
ボロボロです。

 

 

 

 

 

 

 

 

whc (4)
縫い直すことも不可能です。

 

 

 

 

 

 

whc (5)
カブセの折り曲げ部もカジリ取られたように擦り減っています。

 

 

 

 

 

whc (6)
反対側も同様に。。。。

こちら側だけでなく内側部材も欠損していますので各部の加工が必要です。

 

 

 

 

 

whc (7)
内張りもボロボロです。
財布としての機能を果たせない状態ですので、もはや財布とは呼べません。

ホワイトハウスコックスの財布は当社のブログでも度々ご紹介していますが、
限界を超えるまで酷使しても使い続けたいと思える財布のようです。

 

 

 

 

 

whc (8)
小銭入れ部は本革の内張りが破れています。

 

 

 

 

 

whc (9)
内部材の折り曲げ部も擦り切れヤブレが見られます。

 

 

 

 

whc (10)
財布として機能しないボロボロ状態からリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

whc (11)
愛着がある使い込んだ雰囲気はそのままに、財布として機能する状態に復活です。

 

 

 

 

 

whc (12)
ボロボロに破れた小銭入れも本革で内張りを張替完了。

 

 

 

 

 

whc (13)
カジリ取られたような状態だったカブセの折り曲げ部も復元強化加工で復活。

 

 

 

 

 

whc (14)
本体の折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

whc (15)
ボロボロになるまで使い込んでから愛着や思い入れが強くなるのか?
愛着があり手放せないからボロボロになるまで使い続けるのか?
愛用した方だけが味わえる魅力を携えた不思議な財布です。

長年愛用された雰囲気はそのままに財布として復活しています。
ヤブレやホツレはなくなり、各部の強化加工で強度アップもしています。

大切に長くご愛用ください。

 

 

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