バレンティーノ・ガラバーニの修理

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バレンティーノ・ガラバーニのトートバッグです。

 

 

 

 

valentino (2)
前面は大きなリボンを巻いたようなデザインです。

特に問題のない状態に見えますが・・・・

 

 

 

 

valentino (3)
両側の持ち手とも芯材が切れて、限界を迎えているようです。

 

 

 

 

valentino (4)
付け根付近も同様に。。。

 

 

 

 

 

valentino (5)
持ち手をバッグから取り外して、両側の持ち手から芯材を取り外します。

 

 

 

 

valentino (6)
持ち手の芯材は厚紙です。

 

 

 

 

valentino (7)
表面の合成皮革の素材とボール紙の芯材の厚みを比較すると、
持ち手は紙の強度でもっていた感じです。

 

 

 

 

 

valentino (8)
パキパキに硬化して折れた紙芯を取り外し本革と強化芯に交換します。

 

 

 

 

valentino (9)
新品時とは比べ物にならない強度と耐久性で仕上がりました。

 

 

 

 

valentino (10)
丈夫に作成されたバッグとは呼べないイタリーらしい構造ですが、
デザインの可愛さと使いやすいサイズでお洒落に活用できるバッグです。

大切に愛用ください。

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Alfred Dunhill ダンヒル ビジネスバッグの修理

alfred dunhill (1)
Alfred Dunhill ダンヒル ビジネスバッグです。

 

 

 

 

alfred dunhill (2)
厚みのある丈夫なシュリンク革で作成されたバッグです。
持ち手から毛が生えたように繊維が出ていますが補強材が入れられている証です。

繊維系の芯材が使用されたバッグでは、よく見かける症状です。
見た目を気にしなければ必要ありませんが短く切りそろえてライターなどで炙ると
かなり見た目は改善します。

 

 

 

 

alfred dunhill (3)
今回のご依頼は内張りの破れです。

結構大きな破れ方ですが・・・・

 

 

 

 

alfred dunhill (4)
中央の仕切り部分は両面共に、もっと大きく破れて重傷です。

 

 

 

 

alfred dunhill (5)
この辺りも10センチほど・・・・
一気にこんなにも破れることはありませんので損傷を無視して使い続けたようです。

内張りを全体的に強化すればバッグの強度や耐久性もアップしますが、
あまり重いものは入れないとのことで、今回は破れ部のみ修理します。

 

 

 

 

 

alfred dunhill (6)
破れた部分は負担が掛かる部分だから破れたので縫い合わせるだけでは心配。
内張りを解体して裏側から強化加工を施して組み立てました。

 

 

 

 

alfred dunhill (7)
当社で加工した部分は新品時より丈夫になっていますので簡単に破れることはありません。

薄い布を縫製した内張りですので強化していない部分は破れる心配があります。
大きな損傷に発展する前にメンテナンスすることで良い状態を保ちながら、
長く愛用することができます。

大切にご使用ください。

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ゲラルディーニの持ち手加工

gherardini (1)
ゲラルディーニのトートバッグです。

 

 

 

 

gherardini (2)
天部のマチ部分に少し擦れは見られますが、
底角なども良好で全体的には、とても綺麗な状態に見えます。

ゲラルディーニといえば本体の薄い合成素材が破れたり劣化したりが定番ですが・・・

 

 

 

 

gherardini (3)
持ち手の中央部は10年以上使い続け酷使されたような状態です。

本体はビニールでも付属パーツは本革というのがゲラルディーニの特徴?でした。
確かに持ち手は本革といえば本革ですが・・・・・床革です。

床革の説明はブログでも何度か紹介していますので省略しますが、
床革に合成皮革を貼り合わせ型押し加工したような素材ですので、
表面は合成樹脂で芯材が床革と考えて良い素材です。

高価なバッグですし本物の本革を使用して欲しいものです。。。。

 

 

 

 

gherardini (4)
反対側の持ち手も同様に。。。

素材に不安がありますので持ち手の新品作成をご提案しましたが、
今回は損傷部に代用の本革を巻き損傷をカバーする方法をご依頼いただきました。

 

 

 

 

gherardini (5)
傷みやすい持ち手の中央部に同色の本革を巻き縫製しました。
表面が溶けるように剥がれた部分を隠しながら耐久性も強度もアップしています。

 

 

 

 

gherardini (6)
バッグ本体がとても良い状態でしたので持ち手作成を提案しましたが、
革巻き加工で使用上は問題なく、新品作成よりも安上がりです。

ゲラルディーニは軽さや便利さなどを追求したバッグですので、
過度に強度や耐久性を求めるのはナンセンスかもしれません。

デリケートな素材のバッグなので丁寧に取り扱うことが重要です。

 

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Andrea-Damico ベルトのカット加工

Andrea D'amico (1)
Andrea-Damico ベルトのカット加工です。

 

 

 

 

 

Andrea D'amico (2)
こちらのベルトは10センチ短く加工して元のデザインに仕上げます。

 

 

 

 

Andrea D'amico (3)
こちらのベルトは4センチ短くするご依頼ですが・・・・
4センチですと縫製跡が残りますし、バックルの楕円穴が残ってしまいます。

 

 

 

 

Andrea D'amico (4)
毛皮素材ですので難しいカット加工ですが、
どちらもデザイン変更せずにカット加工の完了です。

 

 

 

 

Andrea D'amico (5)
裏側から見てもデザイン変更はなく、楕円穴や縫製跡もありません。

 

 

 

 

Andrea D'amico (6)
既製品のままだとバックル金具に通しやすいように革を薄く加工しています。
薄くするとバックル周りはスッキリ見えるのですが強度が心配です。
当社では加工した部分には強化芯材を入れ込んで仕上げてますので安心です。

これからの季節にピッタリのベルトですね!
大切にご使用ください。

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a-testoni テストーニ ビジネスバッグの修理

a testoni (1)
a-testoni テストーニ ビジネスバッグです。
各部に損傷が見られますので以下の項目でご依頼を承りました。

1、外周ファスナー交換
2、引手金具の再生加工
3、付け根革4箇所の強化加工
4、パイピング革の補修補色加工
5、外面の補修補色加工
6、Tマークの再生加工
7、内ファスナーポケットの内布交換

 

 

 

 

a testoni (2)
センターのマーク金具は黒い樹脂部分が欠損して安っぽく見え残念です。
また、周りの刻印入り革ワッペンもスレスレ状態ですねぇ~

 

 

 

 

a testoni (3)
ファスナーの引手金具は可動部が摩耗して外れています。
通常は再生不可能な構造ですが使用できるように加工します。

 

 

 

 

 

a testoni (4)
長年のご使用でファスナーは開閉が困難です。
消耗品ですし迷わず新品交換です。

 

 

 

 

a testoni (5)
底角付近です。
パイピングだけでなくマチ部材など本体も表皮が擦れて革の繊維が露出してます。

 

 

 

 

a testoni (6)
底角は傷みやすい部分ですが上部の角も同じような状態ですねぇ~

長年の間、頑張ってくれた感が、にじみ出ていますねぇ~。

 

 

 

a testoni (7)
同様に。。。

 

 

 

 

a testoni (8)
後面中央部も重症です。
この部分は牛の腹周りの繊維が荒い革が使用されていて少しブヨブヨしています。

 

 

 

 

a testoni (9)
持ち手にも使い込んだ傷みが見られます。

 

 

 

 

a testoni (10)
持ち手や付け根革も小傷が全体に見られ丸いカシメ金具はサビが浮いています。

 

 

 

 

a testoni (11)
シンプルな内張りは合成皮革ですが劣化もなく問題ない状態です。

 

 

 

 

a testoni (12)
内張りの底にはボールペン汚れが見られますが、
ビジネスバッグですし他人からは見えない部分です。

 

 

 

 

a testoni (13)
機能的には問題ありませんが内ファスナーポケットの内張りの汚れを
気にされていましたので、もう少し丈夫で高級感のある素材で作成交換します。

 

 

 

 

a testoni (14)
内張りとファスナーを取り外したところです。
重い書類などを入れても大丈夫なように全体に芯材があり縫製も丁寧です。

外観からは見えない部分ですがリニューアルリペア加工の場合は、
強度を上げるために、この辺りも加工しますので外面のブヨブヨ感もかなり改善し、
全体的な強度アップにつながります。

 

 

 

 

a testoni (15)
ファスナーを取り外したマチ部材を裏側から見ると、
ボール紙の芯材はパキパキのボロボロです。

組み立てると見えない部分ですが放置できない状態です。
臭いものには蓋をする業者が多いですが、
マチ部材の芯材を取り外して新しい芯材に交換します。

ファスナーの開閉で負担がかかる部分ですし、
マチ部材にはショルダーベルトを取り付けるパーツも縫い付けられています。
何より負担がかからないなら、ここまでボロボロになりませんね!
a testoni (16)
マチの芯材を取り外し、持ち手の付け根革部も4箇所解体しました。

 

 

 

 

 

a testoni (17)
内張りを取る工程で、同時に取り外したショルダーベルトを取り付けるパーツです。
こちらも予定外ですが強化加工しておきます。

芯材などは使用されていませんでしたが、
見えない裏側も本革で好感の持てる作り込みです。

 

 

 

 

 

a testoni (18)
内ポケットの解体完了です。

 

 

 

 

a testoni (19)
破損していた引手金具を再生しました。
可動部も問題なく動きます。

しかし、長年のご使用で金具類もメッキがハゲハゲ状態です。
金具類がピカピカだとバッグ全体が綺麗に見えるのですが、
本メッキ加工は外注でリスクも高く高額加工ですのでサービスできません。

 

 

 

 

 

a testoni (20)
これも予定外ですが簡易メッキで少し改善。耐久性はありませんが気持ちの問題。

 

 

 

 

 

a testoni (21)
すべての加工が完了しました。
付け根革が丈夫になっただけでなく取り付け部も頑丈です。

 

 

 

 

a testoni (22)
革の繊維が露出していた部分も表皮を補修したあと補色しています。
持ち手の付け根もホツレがありましたので縫製しています。

 

 

 

 

a testoni (23)
底角部も同様に。。。。

 

 

 

 

a testoni (24)
透けるほど薄い布の内張りでしたが高品質な素材で作成しています。

 

 

 

 

 

a testoni (25)
持ち手のコバ仕上げも完璧です。

 

 

 

 

a testoni (26)
持ち手の付け根革も4箇所とも頑丈に仕上げています。
サビが浮いていたカシメ金具も強度のある新しい金具に交換済みです。

 

 

 

 

a testoni (27)
マーク金具やマーク革ワッペンもブランドらしく引き締まりました。

 

 

 

 

a testoni (28)
ビジネスで酷使するバッグですので、加工前はとても残念な状態でしたが、
今の状態でしたら街中や得意先などでもテストーニらしく活用できると思います。

とても良い品ですので丁寧に使用しながら早めのメンテナンスで、
良い状態をキープして長く愛用してほしいバッグです。

大切にご使用ください。

 

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(お手紙紹介です)

お世話になりました。
本日、バッグを受け取りました。

昨日のうちにブログを拝見し、
充分、驚きと感動を味わっていたのですが
実物を見て、その出来映えには目を見張りました。

これは全て同じものなのでしょうか—
場所によって、新しい材料に交換されていないのでしょうか—
まさに、プロの技ですね。

機能的にも美観的にも、問題なく現役復帰し、
これからは、メンテナンスに気配りしながら
永く愛用させていただきます。

本当にありがとうございました。

宮城県 M 様

今回は予定外の加工が特に多くなってしまい悪戦苦闘しましたが、
新しいパーツに交換する作業はファスナーだけでした。
良い時代に作成されたバッグですので元の素材を再生して仕上げてあります。

愛用すると傷んでしまうのは避けようがありませんが、
大切に長くご愛用ください。

Hunting World の内張り交換

hunting world (1)
とても珍しいハンティングワールドのワンショルダーバッグです。

 

 

 

 

hunting world (2)
ベルトを金具ループに通してカブセを留めるシンプルでワイルドなデザインです。

 

 

 

 

hunting world (3)
頑丈で格好良い金具です。

 

 

 

 

hunting world (4)
カブセを開いてみると内側は別の意味でワイルド!
バッグを解体して内張りを作成交換します。

 

 

 

 

hunting world (5)
カブセとマチの縫い合わせ部に亀裂が見られます。

負担が掛かる部分ですので大きく裂ける前に復元強化加工で丈夫に仕上げます。

 

 

 

 

hunting world (7)
いつものように解体からスタートです。

このバッグの構造で内張りが剥がれることは少ないのですが、
マチ部材の内張りは完全に剥がれていますねぇ~?

 

 

 

 

hunting world (8)
バッグの作り込みもワイルドだったようで・・・・
内張りの布が外周ステッチまで寸法が足りていません。

内張りに縫い穴が空いていない部分が多くあり、剥がれていたようです。

 

 

 

 

hunting world (10)
長年の間、頑張ってくれた内布をすべて取り外しました。
マークワッペンやファスナーなどを移設しながら内張りを作成していきます。

その前に・・・

 

 

 

 

hunting world (11)
ワンショルダーの下側の付け根を裏側から見たところですが、
当社的には、かなり不安な構造で限界を迎えています。

この部分も丈夫に強化して組み立て直します。

 

 

 

 

hunting world (12)
亀裂が見られたマチの天部を強化するために手縫い紐をほどいています。
将来的には紐交換も必要ですが、違う色で縫い直すのもお洒落かな?

 

 

 

 

hunting world (13)
こちら側に亀裂は見られませんでしたが、
負担が掛かる部分ですので両側とも強化加工しておきます。

 

 

 

 

hunting world (15)
ショルダー付け根部の強化加工の完了です。
見た目は元通りで加工の詳細は秘密ですが、かなり丈夫になっています。

 

 

 

 

hunting world (16)
組み立てると撮影できないので・・・・
しっかりと外周のステッチに縫い込まれるように内張り作成の完了です。

 

 

 

 

hunting world (17)
格好良いバッグでしたので解体したついでに型紙をおこして自分用に作成しようかと
考えましたが、味のあるループ金具や金属製のマークワッペンが無いとね~
このバッグの雰囲気は出せません。

使い込んだ雰囲気を楽しむワイルド系のバッグですが、
出来る限り良い状態を保ちながら長く愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション 様

お世話になっております。
本日、バッグを受け取りました。

早く仕上げて頂き、又、とてもきれいな状態になり、
主人は、大変喜んでいました。

早速、ブログも拝見させて頂きました♪
どうやって解体するのかな?とずっと気になっていたのですが、
わかりやすい説明と画像で工程を見ることができ、
とても楽しく拝見させて頂きました♪

この度は、とても迅速で丁寧な対応をして頂きました事、
心より感謝しております。
今後、またお世話になる事があるかと思いますが、
その際はどうぞよろしくお願い致します。

兵庫県 T 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。

残念な状態になっていましたが、基本的には丈夫なバッグです。
格好良くお洒落なバッグですので大切に長くご愛用ください。

ありがとうございました。