水濡れダミエ財布


2010年5月に製造されたダミエの長財布です。
大きな損傷もなく良好な状態に見えます。

 

 

 

 


丁寧に使用されている財布ですが折り曲げ部など擦れやすい部分は、
縫製糸が擦り切れています。

 

 

 

 


2010年製造で現行品の品質ですのでカードポケットが変形して反り返っています。

 

 

 

 


ダミエ地が縮んでしまうことで反り返り変形が発生します。

 

 

 

 


カブセを開いてみると本革素材に波打ち変形が見られます。

カブセには芯材が入れてありますので通常では変形しにくい部分です。
水濡れが原因で革は変形したまま乾燥して硬化しています。

 

 

 

 

 


マチ革もゴワゴワに波打ち、硬化しています。

 

 

 

 


小銭入れのファスナーポケット部もボコボコでゴワゴワ。。。。

 

 

 

 


各部の革が変形したまま硬化していますので、どの辺りまで改善するかは、
加工してみなければわかりません。

しかし、見た目だけの問題ではなく、このままでは耐久性や強度に不安があります。

 

 

 

 

 


バラバラに解体。

変形して硬化した部材はダミエ地や各パーツとの寸法も合わなくなっていますので、
組み立て直す難易度が高いです。

 

 

 

 

 

 

 


変形して膨らんだ部分を押すとポコポコと音がするほど硬化しています。

 

 

 

 


①出来る限り見た目を改善させる。

②サイズが合わなくなった部材を元通りに組み立て直す。

③長く愛用できるように強度をあげる。

④品質も向上させる。

上記が今回のミッションですが、どれか一つの項目だけでも、
不可能とする修理店の方が多いように思います。

 

 

 

 

 


ボコボコ変形を改善させてマチ部材の変形を出来る限り改善させたところです。
見た目は改善しましたので芯材を追加して強度アップさせながら、
内張りは合成皮革から本革に張り替えて品質も向上させ組み立て直します。

 

 

 

 

 


ボコボコだった小銭入れポケットや反り返ったカードポケットも同様に。。。。

 

 

 

 


カブセ裏の変形も出来る限り改善させています。

 

 

 

 


現行品ではカードポケットの反り返り変形が避けられませんが丈夫にスッキリ。

 

 

 

 


出来る限り変形を補正して見た目を改善させリニューアルリペア加工の完了です。

合成皮革の内張りを本革で作成交換しながら品質を向上させ、
各部の強化加工で耐久性もアップしています。

長く活用するのが不安な状態の財布でしたが、
手にするだけで丈夫になっていることを実感されると思います。
大切に長くご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
レザークリエーション様

財布、受け取りました。
シワ一つない新品のような見た目と、丁寧な縫い直し、
そして丈夫になったことも実感出来て、感動しました。
大切に使いたいと思います。
本当にありがとうございました。

宮城県 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に長くご愛用ください。

スピィーディの修理


持ち手の付け根革が切れた年代物のルイヴィトンのスピーディです。

とても古い品ですのでヌメ革パーツには変色や劣化が見られますが、
出来る限り現状の使い込んだ雰囲気を維持したいとのご要望です。

 

 

 

 


パイピング革に擦り切れヤブレが見られ部分的に補修します。

 

 

 

 

 


ファスナーや引手革は他店様で代用品に交換された修理歴があります。
残念なパーツが使用されていますのでファスナーと引手革は交換します。

 

 

 

 


ベロ革も切れていますが負担を掛けないように使用されるとのことですので、
現状のままで・・・・

 

 

 

 


付け根革は修理しなければ活用できない部分です。

現状の雰囲気を出来る限り残したいとのご要望で、
劣化して柔軟性が無くなり切れてしまった部分のみを部分的に作成する方向で、
ご依頼をいただきました。

 

 

 

 


現状を出来る限り維持したいとのご要望ですが、
左右の付け根革はサイズも素材もデザインも別物に変更されています。

直営店で修理されていますが古いスピーディに現行品のパーツで対応したようです。

 

 

 

 


反対側も片側だけ交換されていますので左右で違う付け根革です。

モノグラム模様の隠れ方でサイズが大きく違うことはわかります。。。。

 

 

 

 


内側から見ると縫製した針穴のずれからも大きくサイズが違うことがわかります。

他店様でファスナーや引手革が代用パーツに変更されただけでなく、
付け根革も左右で違うパーツが取り付けられた品ですが、
現状の使い込んだ雰囲気にこだわりをお持ちですので、
出来る限り現状の雰囲気のままで使用できる状態に復活させます。

 

 

 

 

 

 


今回、修理する付け根革の縫い付け部は修理した形跡はありません。

 

 

 

 


擦り切れたパイピング革は周囲の色合いに合わせて部分的に補修完了。

 

 

 

 


切れていた付け根革も出来る限り色合いの近い新品の革で部分的に作成。
刻印入りカシメ金具も再生しています。

 

 

 

 


内側から見ても針穴は元のままです。

縫製穴が切り取り線のようにモノグラム地が裂けてしまうこともありますので、
出来る限り縫製は元通りに縫い直すことは重要です。

 

 

 

 

 


残念なファスナーやスライダー金具が取り付けてあったので、
最高品質のファスナーに変更。

傷みやすい引手革も厚みのある革で色やけした雰囲気に合わせています。

 

 

 

 


複数のパーツが代用品に交換されている状態のバッグでしたが、
現状の雰囲気を残したいというご要望があり今回は最低限必要な加工を承りました。

当社で加工した付け根革は裏面にも本革を貼り合せながら強化芯材も入れ込んで、
新品時より丈夫に修理しています。

直営店ではパーツが存在しないほど古い品ですので、
労わりながら大切にご愛用ください。

 

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(お手紙紹介です)
レザークリエーション御中

こんにちは。
連絡が遅くなりましたが、
実家の方で、ヴィトン スピーディー
確かに受け取りました。

経年による革の変色具合も良い感じに仕上げてくださり、
大変満足しております。
丁寧に修理してくださり有難うございました。

大阪府 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
最高品質時代のバッグですので、
大切に長くご愛用ください。

エピ財布の擦れ


丁寧に使用されているエピの長財布ですが黄色だけに外周の擦れが目立ちます。

 

 

 

 


擦れやすい外周は表皮が剥がれた部分に汚れが染み込んで黒くなっています。

リニューアルリペア加工や折り曲げ部の強化加工もご提案しましたが、
今回は外周の補修補色加工のご依頼をいただきました。

 

 

 

 

 


財布では折り曲げ部が一番傷みやすい部分です。

 

 

 

 

 


カブセの開閉で指先が擦れてしまう部分も傷みやすい部分で、
革の繊維に汚れが染み込んでいます。

汚れを取り除いて外周の表皮が剥がれた部分を補色します。

 

 

 

 

 

 


表皮が剥がれて変色していた外周の補修補色加工の完了です。

汚れを取り除いて補色加工することで表皮をガードしますので、
革の劣化を抑える効果があります。

 

 

 

 


擦れやすい財布の外周の色剥がれは避けることができませんが、
定期的に補修することで素材を長持ちさせることができます。

 

 

 

 

 


表皮が剥がれて変色した外周のみの加工ですが補修補色加工で、
全体的にスッキリ見えます。

見た目は改善しましたが強化加工などは施していませんので、
強度や耐久性は長年使用してきた状態のままです。

廃盤モデルで買い替えできない品ですので、
出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

 

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ダミエ二つ折り財布


歪んだまま二つ折りに重なり合うダミエ財布(N61675)です。

 

 

 

 

 


折り曲げ部に擦れやホツレがあり口が空いていることで、
変な歪みが発生しているようです。

 

 

 

 


口が空いても放置したまま使用しているとダミエ地に亀裂が発生して、
部分的にちぎれて無くなり欠損状態になります。

ホツレやコバ塗料の剥がれが発生した時点でメンテナンスするのが最善でしたが、
口が空いても放置していると急激に重症化します。

欠損して存在しなくなった部分が元に戻ることはありませんが、
これ以上の悪化を抑えるために解体して強化芯材を入れ込みます。

 

 

 

 


反対側の折り曲げ部は擦り切れて細くなった糸が残っていますので、
亀裂は多数見られますが欠損は僅かです。

 

 

 

 

 

 


今回は折り曲げ部の強化加工のご依頼ですので、
内部材を剥がして強化芯材を入れ込みます。

 

 

 

 


こちら側も同様。。。。

 

 

 

 

 


折り曲げ部の強化加工の完了です。

 

 

 

 


反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

 


折り曲げ部の強化加工のみご依頼でしたがコバ面も仕上げ直しました。

 

 

 

 


歪んで重なり合っていた二つ折り財布ですが折り曲げ部の強化で補正されました。

損傷が激しく残念な状態だった折り曲げ部は強化されて、
悪化を抑える効果がありますが現行品と同じ品質のダミエ財布ですので、
丁寧に取り扱いながら良い状態を保ってください。

 

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バビロンの修理


ルイヴィトン(Babylone)バビロンM51102です。

 

 

 

 

 


持ち手の付け根が切れています。

 

 

 

 


こちらの付け根も同様に。。。。。

 

 

 

 

 


本体側の付け根革も革が劣化して切れる寸前。

しかし、本体側は刻印入りカシメ金具の再製やバッグ本体の解体が必要で、
持ち手側の付け根の加工より少し割高になります。

 

 

 

 

 


今回は持ち手側の付け根のみ強化加工のご依頼です。

 

 

 

 

 


量産品ですので負担が掛かる付け根にも強化加工はありません。

折り返しやすくするために裏面の革の表皮を取り除いて薄くしていることも、
強度低下の要因です。

 

 

 

 


表皮がなくなった床革部分は強度がありませんので指先で簡単に切れます。

 

 

 

 


革の劣化状況をみると本体側の付け根革も強化しておきたい状態です。

 

 

 

 

 


こちらも同様に。。。。。

 

 

 

 

 


持ち手側の付け根の強化加工の完了です。

 

 

 

 

 


傷みが激しかった1か所は部分的に作成交換しました。
数か月で色合いもあってくると思います。

 

 

 

 


折り返した内側にも表皮のあるヌメ革を貼り合せて、
強化芯材も入れ込んでいますので新品時よりも頑丈です。
この辺りは量産品では難しい加工ですが負担が掛かる部分だけに効果的です。

 

 

 

 

 


本体側の付け根4か所も不安ですが内側の合成皮革素材も劣化してベタベタです。

良い時代に作成された高品質時代のバッグですので、
出来る限り丁寧に取り扱いください。

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サックプラ修理


2000年8月に製造されたサックプラです。

 

 

 

 

 


内張りの合成皮革素材が経年劣化でベタツキが出ています。

 

 

 

 

 


縫込み縫製が良くなかったようで負担が掛かる部分なのに縫製が外れています。

 

 

 

 


縫い合わせ部も負担が掛かる部分ですので対策しながら内張りを作成します。

 

 

 

 

 


構造的にバラバラに解体しなければ内張りの交換はできません。

 

 

 

 

 


解体して合成皮革素材を取り外しました。

今回はベタツキ劣化を避けるために丈夫な布地で、
汚れが目立たない濃茶色の素材を使用して作成します。

 

 

 

 


負担が掛かる縫い合わせ部を強化しながら内張り作成交換の完了です。

綿系素材で丈夫な布地ですのでベタツキ劣化の心配なくご愛用いただけます。
大切に長くご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
今、受け取りました。
とても美しい仕上がりで、感動しております。
こんなに早くお気に入りのバッグにもどしていただいて。
〇〇〇○〇も、とてもかわいくうれしいです大切に使わせていただきます。
お世話になりました。
本当にありがとうございました。

大阪府 N 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
ベタツキ劣化する合成皮革素材をご希望どおり布地にすることで、
安心して使用いただけます。
大切に長くご愛用ください。