ダミエ財布の変形


ダミエ長財布です。

 

 

 

 


カブセが大きく湾曲しています。

 

 

 

 


外面のダミエ地が大きく縮んでいることが変形の原因です。

 

 

 

 


カブセの外周だけでなくコバ面は傷みやすい部分です。

 

 

 

 


表皮が剥がれた擦れも目立ちます。

 

 

 

 


今回はカブセ前面の変形型崩れの補正のみご依頼いただきましたので、
解体して芯材を取り外して強化します。

 

 

 

 


カブセの前面を補正するついでにカブセの折り曲げ部も強化しておきます。

 

 

 

 


大きく湾曲していたカブセ正面を強化しながら補正完了です。

 

 

 

 


折り曲げ部の強化や外周のコバ仕上げもしていますので丈夫にスッキリ。

 

 

 

 


今回の修理では難易度の高いホック金具の付け直しが必要になりますが、
元通りの金具を少し磨いて元通りに付け直しています。

大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション 様

この度は大変お世話様になりました、〇〇市 〇〇と申します。
長財布修繕完了品、本日到着致しました。

大変面倒と思われるお願いをしたにも関わらず、細部までご丁寧に
修復して頂き、購入時と変わらぬ機能に復活いたしました。

この長財布には思い出も多く「何とか修復出来れば・・・」と思いWEB上で
探してた所、レザークリエーション 様のホームページに出会い、すがる思いで
ご依頼いたしました。

結果として想定をはるかに上回る仕上がりで、満足の極みです。
仕上がり内容から想像すると、レザークリエーション 様の繊細なお気使い
が「お仕事の基礎」であると感じました。貴社の益々のご活躍を
ご祈念いたします。

今回は大変お世話様になり有難う御座いました。
厚く御礼申し上げます。

またの機会が有りました時、宜しくお願い申し上げます。

埼玉県 M 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
歪み変形が重症で悪戦苦闘しましたが、
出来る限り改善させていますので、
大切に長くご愛用ください。

USAヴィトン


2001年3月にアメリカの工房で作成された財布です。

 

 

 

 


長財布でガマグチがあるモノグラム財布はUSAヴィトンだけだと思います。

 

 

 

 


口金金具の摘み部分などはメッキがはげた状態ですので、
長く愛用されていたと思いますが全体的に驚くほど良い状態を保たれています。

 

 

 

 


製造から20年近く経過していますので合成皮革素材の内張りはベタベタです。

 

 

 

 


合成皮革の劣化は丁寧に使用されていても避けようのない損傷。

 

 

 

 


コバ面の擦れや部材の剥がれもありますので折り曲げ部は強化します。

 

 

 

 


反対側も同様に。。。
芯材のない折り曲げ部で強度不足ですが良い状態を保たれています。

 

 

 

 


劣化した合成皮革の張替は大きく解体する必要があります。

 

 

 

 


ベタツキ劣化してしまうと・・・・

 

 

 

 


対面の本革素材に色移りします。
予定外ですが波うち変形も見られますので少し補正して組み立てなおします。

 

 

 


カードポケットも解体。

 

 

 


この財布から合成皮革素材はなくなり組み立て完了です。

 

 

 

 


折り曲げ部は強化心材を入れ込んでいます。

 

 

 

 


反対側も同様に。。。。

 

 

 

 


2度と新品購入できない財布ということもありますが状態の良さが羨ましいです。

本革仕様の内張りになりベタツキ劣化することはありませんので、
引き続き大切に長くご愛用ください。

とても羨ましく思える財布でした。

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底角とクリーニング


エルメスとシャネルのバッグです。

 

 

 

 


全体に変形したようなシワが見られます。

雨に降られるなど水濡れが原因かと思いましたが、
しかし、これは新品時からのシワ加工とのことです。

 

 

 

 


この辺りは型崩れだと思いますがクタァ~っと感を演出したものかも?
お洒落を追及した商品は良し悪しが難しいです。

 

 

 

 

 


今回は底角のパイピング革の擦り切れ破れの補修をご依頼いただきました。
何年か先には擦り切れ破れもダメージ加工とした商品が販売されるかも?

 

 

 

 


こちらの底角も革が破れて芯材が露出しています。

おばあちゃまが孫のダメージジーンズにアップリケを縫い付けて、
夜なべして穴を塞いだ事例があるように、
数年後には同じような修理をしてしまうかもしれません。

 

 

 

 


エルメスのバッグはクリーニングのご依頼です。

 

 

 

 


白のキャンバス地は汚れやシミが見られます。

 

 

 

 


古い汚れは加工してみなければ改善度はわかりません。

 

 

 

 


各部に目立つ汚れやシミがあります。

 

 

 

 


同様に。。。。

 

 

 

 


全体に見られる茶色いシミはなんでしょうか?

 

 

 

 


底マチのステッチ付近全体に見られる汚れは製造時のボンドが原因かなぁ~?

 

 

 

 

 


クリーニング加工の完了です。

 

 

 

 


底角の黒い汚れも目立たなくなりました。

 

 

 

 


ステッチ周りの汚れも改善。

 

 

 

 


黄色いシミも目立たなくなりました。

 

 

 

 


シャネルの底角は4か所とも部分的に補修しました。
擦れることが避けられない底角ですので丈夫な革で強化しています。

 

 

 


汚れやシミが目立ったエルメスのトートは汚れやシミが改善して、
シャネルも底角の擦り切れ破れを補修したことで悪化を抑えています。

どちらのバッグも、まだまだ活躍してくれる状態ですので、
大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)
有限会社レザークリエーション 御中

お世話になっております。
昨晩、無事にバッグ2点が届きました。
いつもきれいに仕上げて下さりありがとうございます。

ブログも拝見いたしました。
実は依頼したシャネルのバッグは、購入時よりシワ加工(あの状態)なんです!!
突然の雨で濡れたわけではないのです!

6年前、ハワイアラモアナ店で購入するとき、
担当の方から、「このクタっと(クシャっと)感がいいんですよ」とお薦めされました。
最近はかっちりシャネルだけではなく、このようなソフトなものも多く出ておりますが、
私自身、「このクシャっと感、、、やっぱり馴染めない」と思いながら実は使っておりました。

ご丁寧に梱包材まで入れていただき、、、恐縮です。

また是非、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

 

東京都 M 様
お世話になります。
全体的なシワでしたのでヴィンテージしわ加工された素材かな?とも考えたのですが、
底角付近や持ち手付け根付近に型崩れが見られましたので、
水濡れによるものかと思ってしまいました。
申し訳ありません。

シャネルでもよく見かける柔らかな革やギャザーのあるデザインのバッグでの「しわ加工」は、
見た目にもヴィンテージ加工とわかりやすいですがキャビアスキンのような固い素材ですと、
デザイン上のシワなのかどうか伝わりにくいですね。

底角などが擦り切れていたり型崩れが大きくなると、
「シワ」なのか「しわ加工」なのか「おしゃれ感」が伝わりにくくなると思いますので、
丁寧に活用しながら出来る限り綺麗ね状態を保ち、
保管時は型崩れを抑えるようにタオルなどを入れて形を整えて保管するのが良いと思います。

良い状態を保ちながら活用できれば「クシャっと感」にも馴染めると思いますしカッコいいです。
大切に長くご愛用ください。

エルメスのクリーニング


本革素材のHERMESフールトゥとガーデンパーティです。

 

 

 

 


白革のガーデンパーティは底角が擦れて表皮が剥がれています。

 

 

 

 


4角ともガサガサ。

 

 

 

 


白い革ですので全体に汚れも目立ちます。

 

 

 

 


シミのような汚れも。。。。

 

 

 

 


コーヒーか何かをこぼしたような汚れも。。。。

外面の汚れを取り除くクリーニング加工のあと擦れ部を整える補修加工を施し、
擦れ部や色褪せ部を補色加工します。

 

 

 

 


構造的に避けられない部分ですが底マチの変形型崩れもご依頼いただきました。

 

 

 

 


反対側も同様に。。。。

 

 

 

 


シンプルなデザインのバッグですがエルメスですので構造が複雑。
底マチを補正するためには解体が必要です。

 

 

 

 


内張りを解体して持ち手付け根を裏側から見たところです。
負担がかかる部分ですが強化加工はなく縫製糸を留める黒いテープだけです。

 

 

 


フールトゥも底角には擦れが見られます。
表皮が剥がれるほどではなくガーデンよりは良い状態と感じたのですが・・・・

 

 

 


この辺りも黒い擦れ汚れだけだと思っていましたが、
よく見ると全体的に薄い茶色のシミがあります。

 

 

 


マチも黒い汚れだけでシミも全体に。。。。

 

 

 

 


ホツレもあり薄茶のシミも。。。。
結果的にガーデンパーティよりも重症といえる状態でした。

 

 

 

 


底角など汚れを取り除くクリーニング加工を施したところです。

ガーデンパーティのように表皮が擦り切れて無くなっていませんので、
メンテナンスのタイミングとしては良いタイミングです。

擦り切れて無くなった表皮が元に戻ることはありませんので、
メンテナンスは早めにされるのが良い状態を保つ秘訣です。

 

 

 

 


持ち手も同様に。。。。
汚れを取り除くと擦れやすい部分の色褪せ具合が鮮明になります。

 

 

 


ガーデンパーティも擦れ部などに染み込んだ汚れを取り除きました。

手間が掛かるので汚れを取り除かずに塗装される業者が多いですが、
当社的には絶対に必要な加工です。

 

 

 

 


持ち手は全体的にスレスレ。

 

 

 

 


変形した底角を片側だけ補正したところです。
歪んだままより強化心材を入れ込んで補正する方がスッキリしそうです。

 

 

 


底マチの補正加工の完了です。

変形型崩れが補正されたこともありますが強度アップしていることが、
長く使用するうえでは有効。

 

 

 


クリーニングと補修補色加工も完了です。

 

 

 

 


スレスレだった天部のテーピングも白に復活。

 

 

 

 


持ち手も同様に。。。。
ひび割れたコバ面も仕上げなおしておきました。

 

 

 

 


フールトゥも同様に。。。。

 

 

 

 


黒い汚れや全体に見られた薄茶色のシミも目立たなくなりました。

 

 

 

 


使用すれば擦れや汚れは避けられないものですが、
カッコいいバッグですので出来る限り良い状態を保ちながら、
大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

こんにちは。
お品、とても素敵で感激です。
この度はありがとうございました。

神奈川県 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に長くご愛用ください。

デカマトラッセ


大きなサイズのシャネルのチェーンショルダー(通称デカマトラッセ)です。
A4サイズも入るので迫力のあるバッグです。

 

 

 

 


表皮は全体にスレスレで色褪せや汚れやシミが見られます。
擦れやすいカブセの角部は表皮が剥がれて革の繊維が毛羽立っています。

 

 

 

 

 


表皮が擦れると湿気や汚れを吸い込み、全体的に薄汚れて素材が劣化します。
天部の丸い金具(グローメット金具)も外れていますので4か所とも付け直します。

 

 

 

 


カブセ天部は全体にスレスレで革の繊維が毛羽立っています。
汚れも全体に染み込んでいますので悪戦苦闘しそうな予感。

 

 

 

 


底角だけでなく外周は表皮が無くなっています。

 

 

 


同様に。。。。

 

 

 

 

 


カブセの付け根付近も傷みやすい部分です。

 

 

 

 


後面は体側ですので常に擦れている部分ですが・・・・
後面ポケットだけでも通常のマトラッセよりも大きいので汚れも迫力があります。

 

 

 

 

 


持ち歩けないほどの擦れと汚れです。

もっと早い段階でメンテナンスするのが最善でしたが悔やんでも仕方ありません。
出来る限りの加工を施して使用できる状態に復活させます。

 

 

 

 

 


チェーン中革もスレスレで元の色は剥がれて無くなった状態です。

 

 

 

 


今回は外面だけでなくマチ底付近の変形型崩れも改善させる加工を承りました。

 

 

 

 


付属パーツを解体して出来る限り汚れを取り除いたところです。
大きいので手間も時間も通常サイズの3倍以上です。

 

 

 

 


内張りを解体してマチ底を内側から見たところです。
黒い芯材が部分的に入れてある構造です。

 

 

 

 


全体のクリーニングと補修補色加工の完了です。

 

 

 

 


グローメット金具は4か所とも固定していますので外れる心配はなくなりました。

 

 

 

 


スレスレで汚れが染み込んでいた天部も改善。

 

 

 

 


後面ポケットも、できる限り復活させましたので問題なく活用いただけそうです。

 

 

 

 


変形型崩れが見られたマチ底付近もスッキリです。

 

 

 

 


迫力のあるサイズで収納力がありますので使用頻度は多くなると思います。

綺麗な状態を保てるとカッコいいバッグですが、
シャネルのデリケートな革は擦れに弱く汚れも染み込みやすいので、
出来る限り良い状態を保てるように工夫しながら大切に長くご愛用ください。

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ゴヤールの底角


ゴヤールのトート2点とシャネルの長財布です。

 

 

 

 


底角に表面コーティングが剥がれた擦れが見られます。

 

 

 

 


少し小さいサイズの赤のゴヤールも同様に。。。。

布素材に薄いビニールコーティングされたような素材ですので、
擦れやすい底角などは傷みが出てしまうのは避けることができません。
今回は軽傷なうちにご依頼いただきましたので縫い込み加工で対応します。

 

 

 

 


シャネルの長財布は全体的に色褪せが見られます。

 

 

 


何かが付着した汚れも。。。。

 

 

 

 


底角はスレスレで表皮が無くなり革の繊維が毛羽立っています。

 

 

 

 


外周は擦れやすく革が擦り切れて白い芯材が露出した部分も見られます。

 

 

 

 


この辺りも革が破れて白い芯材が露出。

 

 

 

 


開閉の度に負担がかかるファスナーの引手革も限界。

 

 

 

 


ゴヤールの底角4か所を解体して剥がれた部分が少し内側に移動するように
少しカットして縫製します。

 

 

 

 


赤のゴヤールも同様に。。。。

 

 

 

 


引手革を解体して外面全体の汚れを取り除いたところです。

 

 

 

 


汚れを取り除くと外周の擦れだけでなく黒とは言えない色褪せ具合が鮮明です。

 

 

 

 


同様に。。。。

 

 

 

 


ゴヤールの縫い込み加工の完了です。

 

 

 

 


カットした分だけ擦れた部分が内側に移動しています。

 

 

 

 


今回は早めのメンテナンスをされましたので違和感なく縫製できました。
余談ですが赤の方が丁寧に作りこまれていました。

 

 

 

 


シャネルの長財布も汚れや擦れが目立たなくなりシャネルブラックに復活です。

 

 

 

 

 


強化された引手革は丈夫になり安心して活用いただけます。

 

 

 

 


ゴヤールは折りたためて収納力があり軽く便利に使えるバッグですが、
表面のプリント柄が擦れに弱く傷みが出るのは避けられません。
将来的には底角に革パーツを追加加工して強度や耐久性を上げるのも一考です。

シャネルの財布も色褪せが避けられない素材ですので、
コーティング加工も施しておきましたが良い状態を保つには丁寧な取り扱い必要。

大切に長くご愛用ください。

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