VUITTON グラフィティ Graffiti Alma Horizontal のクリーニング


VUITTON Graffiti Alma Horizontal m92176です。

マークジェイコブスがデザイナーだった頃にコレクションモデルとして発売したバッグです。
ヴェルニやグラフィティなど彼のデザインはお洒落ですが、
取り扱いが困難な素材が多く、汚れが付着しやすく良い状態を長く保つことはできません。

傷や汚れが付着しても取り除くことが可能であれば安心して使用できるのですが、
直営店ではクリーニングは対応してくれませんし、
素材の特性上、クリーニングは不可能に近いです。

 

 

 

 


丁寧に使用されているようですが、各部に汚れや傷が見られます。

 

 

 

 


特殊なペイントを本革に施した素材ですので、通常はクリーニングは不可能です。
しかし、本体が白いバッグですので画像以上に汚れが目立ち残念な状況です。

 

 

 

 


この部分はSとNの辺りですが、このような汚れや小傷が各部に見られます。

中央付近の汚れと傷が重傷の部分だけ、
なんとか目立たないように改善加工する事を承りましたが、
このまま放置できません。

 

 

 

 

 


なんとか、通常のご使用では目立たないように加工できました。

 

 

 


中央部付近も完了です。

 

 

 

 


汚れや擦れに弱いだけでなくクリーニングも困難なバッグですので、
取り扱いには細心の注意が必要です。

 

 


マークジェイコブスがデザイナーを務める以前とそれ以後では、
ヴィトンの品質や強度に大きな変化を感じるのは気のせいでしょうか?

洗練されたデザインは無骨だったヴィトン製品をカラフルに変貌させファッション性が
格段に向上したことは事実です。

しかし、大切な何かを置き去りにしてしまったような気もします。

 

 

 


綺麗な状態を維持することは困難なバッグですので、
傷や汚れを気にしすぎる事はせず、しまい込まずにドンドン活用されるのもありかな~

決断するには難しい選択ですね!

大切にご使用ください。

 

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LouisVuitton Vintage Monogram サンリス Senlis M51222の修理


LouisVuitton  サンリス Senlis M51222です。

かなり古いバッグですが何度も直営店で修理メンテナンスされてきたようです。

 

 

 


前ファスナーポケットの額革もヴィンテージ感が漂っています。

 

 

 


後ろ面にもポケットがあります。

各ポケットの内張りは合成皮革の劣化で合成皮革に張り替えた形跡があります。

天部のファスナーなども交換されていますが、
高品質時代のバッグですので数年後にはリニューアルリペアを施されても良いバッグです。

 

 

 


後ろポケットの天部ですが革が擦り切れて糸も無く縫製できない状態です。

 

 

 

 


この部分も直営店で修理された形跡がありますが、
負担が掛かる部分ですので数年使用すれば傷んでしまいます。

今回も直営店に依頼されましたが古いもので部材がないと断られてのご依頼です。

 

 

 


反対側の付け根革は切れていないようですが・・・・
当社のお勧めに、両側の修理を了解くださいました。

角管金具で連結されたショルダー側の付け根と本体側の付け根革を比較すると
ショルダー側の付け根が丈夫で良い状態に見えることを覚えておいてください。

 

 

 

 


内張りを解体することからスタートです。

 

 

 


内張りを解体して付け根革を裏側から見たところです。
少し、乱雑で残念な修理が施されていたようです。(内張りで隠れる部分ですが・・・
直営店では修理できないと断られましたし、ここは全てやり直しますので、
今更、問題ないですね!

 

 

 

 


刻印入りカシメ金具を取り外して解体しました。

障子紙のようなものがボンドで貼り付けてありましたが、
この部分には強化加工が必要な状態です。

 

 

 


切れていなかった側を解体してみるとモノグラム地に亀裂があり欠損しています。
付け根革が切れていない方の加工までお勧めした理由はこれなんです。

 

 

 


切れていた側も同様にモノグラム地に亀裂があり、
このまま使用を続けるとミシン目が切り取り線になり四角く本体が裂ける危険があります。

長く愛用頂くため、内側から強化加工を施して縫製します。

 

 

 

 

 


両側の付け根革とも復元強化加工で頑丈に仕上げました。
丈夫そうに見えていたショルダー側の付け根が弱く見えます。

 

 

 

 

高品質なVintage Monogram として貴重なバッグです。

大切にご使用ください。

 

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miumiu ガマ口付き長財布の補修補色


未使用のmiumiu ガマ口付き長財布です。

このブログでも紹介率の高い財布なんで説明は省略しますが、
綺麗な良い状態を保ち続けながら愛用することが難しい財布です。

 

 

 

 

 


新品のまま箱の中に保管されていても、折り曲げ部には擦れが見られます。

 

 

 


反対側の折り曲げ部は内部材の方にも小傷や擦れが見られます。

 

 

 

 


この辺りも擦れて表面の塗料が剥がれて白くなっている部分が数箇所見られます。

未使用でこの状態になると不安で使い出すことができずに、
何か対策があればと・・・・

ご依頼いただきました。

 

 

 

 

 


強度に心配がある床革に特殊な加工を施してワニ革のように亀裂を入れていますので、
亀裂に汚れが染み込んだり、亀裂が大きくなったり・・・・・心配です。

 

 

 

 

 


この辺りの亀裂も細工されたものですが、少し大きくて深いので心配です。
しかし、使用すればどんな財布でも傷んでしまう事は避けようのないことです。
どんな加工を施すよりも丁寧に使用することの方が良い状態を保てます。

お洒落で可愛い財布ですしガマ口付きで重宝しますので、
しまい込まずに使用を始めることをオススメいたしました。

 

 

 

 

 


今回は気持ちよく使い始めるために、各部の擦れ傷を補修補色してお返しいたします。

 

 

 


他の記事でも紹介していますように外面の張替えや補修補色も可能です。

少し丁寧に使用されることで財布は格段に長持ちして良い状態を保てます。
この財布を綺麗に使用出来ればカッコイイですし、
どんな財布でも使いこなせるようになります。

頑張ってご使用ください。

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GUCCIグッチのボストンバッグの内張り


グッチの特殊な巨大なボストンバッグです。

ボストンバッグの底面にアタッシュケースをドッキングさせた様な複雑な構造です。

 

 

 


両側のマチには本体天部を折り込むようにヒネリ金具で留められています。

この部分を開放すると巨大ボストンが超巨大ボストンになり容量が格段にアップします。

 

 

 


天角になる部分には擦れ傷があります。

 

 

 


底角周辺も擦れ傷が見られます。

 

 

 


大きなバッグですので擦れない様に使用するのは困難で、
4箇所とも同じような状態です。

 

 

 


ボストンバッグ部の底角とアタッシュケース部の底角が有り、
2種類のバッグを組み合わせていますので損傷も両方に見られます。

 

 

 


革の繊維が毛羽立った状態の擦れ傷を1箇所づつ補修して整え補色します。

 

 

 

 


アタッシュケース部をフルオープンにすると、ここだけでも大容量です。

 

 

 


残念ながら内張りはベタツキ劣化でベトベトです。

革パーツにもベタツキ汚れが付着して使用できない状態です。

と、いうことは・・・・

 

 

 


上部のボストンバッグ部分も同様です。

 

 

 


2度とベタツキ劣化しないためと品質アップのために本革仕様に変更します。

と、言うことは・・・・全体解体?

巨大バッグを?アタッシュケースを?ボストンも同時に?
外周の傷補修もしますので内張りの本革など材料費や手間暇を考えると・・・・

 

 

 


巨大すぎますので作業台では解体出来ずに床に座り込んでの作業です。

マスク無しでは解体できないほど劣悪な状態です。

 

 

 


根気よく一目一目糸をほどきます。

 

 

 


革パーツや内ポケットの内張りなどロゴマークも含めて、
重要パーツは再利用できるようにベタツキ汚れを取り除きます。

 

 

 


頑張った甲斐があり綺麗に復活しました。

 

 

 

 


これまでの地味な色からオレンジ色の革で作成のご依頼をいただきました。

 

 

 


内張りですので外観からは見えませんが、お洒落でカッコイイですねぇ~

 

 

 


素材はGUCCIらしい革素材を使用しています。

 

 


全ての角にあった擦れ傷も綺麗になりました。

 

 

 


底角付近も補修補色加工で復活です。

 

 

 


気持ちよくご使用いただけそうですね!

 

 

 


黒い革の天角も補修補色加工でスッキリです。

 

 

 


とても珍しいバッグです。

大切に長くご使用ください。

 

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CHLOEクロエのショルダー付け根の修理


クロエのショルダーバッグです。

底角なども綺麗な状態で使用感の少ないバッグなんですが・・・・

 

 

 


ショルダーの付け根革が切れています。

 

 

 


本体に帯革パーツが縫留められ、その上に付け根革が取り付けてあります。

複雑なデザインや構造ほど解体が必要な部分が多くなり手間暇が掛かります。

 

 

 


反対側の付け根革も切れています。

小さなバッグですので軽く、
使用頻度も少ない状況で両側の付け根革が切れるなんて・・・

 

 

 

 


解体してみると・・・
ボール紙の芯材と内張りに使うようなペラペラの合成皮革で構成されていました。

丈夫な芯材に交換して切れた合成皮革を復元強化加工します。

 

 

 

 


切れていた事が分からないように復元強化加工を施しました。

 

 

 

 

 


当社で加工した付け根革は切れる心配がなくなりましたが、
ペラペラの合成皮革とボール紙で構成されたバッグですので、
ショルダーなど他の部分も心配です。

 

 

 

 


軽くて便利に使え可愛いデザインのお洒落なバッグです。

バッグを選ぶときに見た目や機能性を重要視して購入することは間違いではありません。

しかし、強度や品質をバッグを選択する時の重要課題にされる消費者は少ないので、
生産側は強度や品質にまで力を注がなくなったのでしょうか?

消費者が求めるものを生産販売するのがメーカーの使命ですので、
消費者が見た目や価格だけにとらわれず購入することが重要です。

「お手頃価格で可愛いしブランドのロゴマークまで付いてる!」
という、選択肢で購入されたのなら壊れても壊れなくても運次第かもしれません。

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ヴィトン・ソローニュ(sologne M42250)のショルダー修理


ルイヴィトン・ソローニュ(sologne M42250)です。

ショルダーの付け根が切れて外れているようです。

 

 

 

 


切れた部分を黒い糸で縫い留めた形跡があります。

このような悪あがき加工は損傷を与えるだけで見た目も残念です。

 

 

 

 


外れていないこちら側にも黒い糸が・・・・

角管金具に通しているショルダー部分にはステッチが無くデザイン上、重要な部分です。
この部分にステッチがあると少し残念な修理加工が施された事が一目瞭然です。

 

 

 

 


裏側から見てみると半分以上切れています。

 

 

 

 


解体して強化芯材を入れ込んで復元強化加工を施します。

先端には素人加工された針穴が複数ありますので部分作成も同時に行います。

 

 

 

 

 

 


裏側にもヌメ革を貼り合わせ強化芯材を挟み込んで仕上げています。

ショルダーを短く折り返して縫い留めるだけの加工ではありませんので、
角管金具に通している部分にはステッチなく当然、針穴もありません。

デザインを変更することなく強度をアップさせるのが復元強化加工です。

 

 

 

 


ソローニュも貴重なバッグになりましたし高品質時代の良い製品ですので、
数年後にはリニューアルリペアを施されても良いバッグです。

大切にご使用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索