アルマの修復修理

1997年に製造された最高品質時代のアルマですが、
製造から29年ですのでリニューアルリペア加工を施します。

前後面ともボコボコに変型していますが、
過剰品質といえるほど丈夫なモノグラム地が使用されていた頃のバッグです。

塗装加工がされていない素のままの革ですので、
汚れも含めて色焼けなどの変化を楽しむ素材ですが、
さすがに経年劣化で革の柔軟性が低下しています。

持ち手は手の脂分や汚れが染み込んでいます。
キーが無いので付けっぱなしの南京錠は重いだけでファスナーに
負担も掛かります。

金具からは青錆が出ています。

刻印入りカシメ金具も変色しています。

最高品質のファスナーですが変色していますので交換します。

内張りにはヤブレが見られます。

両面とも同様に。。。

バラバラに解体。
芯材も取り外して強化芯材に交換しながら変型を改善させます。

錆や変色が見られる金具。

刻印入りカシメ金具を再生しながら金具を磨きました。

ヌメ革パーツを作成交換してリニューアルリペア加工の完了です。

負担が掛かる付け根革は強化芯材を挟み込み裏面にもヌメ革を貼り合せています。
芯材だけでなく革が2倍必要ですし手間は4倍以上ですが、
負担が掛かる部分の強化加工は有効ですし安心です。

当社が使用するヌメ革は当時の革に負けないほど高品質です。
現行品のヌメ革よりも高価な革ですが使い続けたい素材です。

最高品質のファスナーも当時と同じ品を選択。
内張りのヤブレも改善させています。

ボコボコに変型していたモノグラム地も出来る限り補正していますが、
変型の改善よりも本体の強度が増していることが最大のメリットです。

ミンクオイルを薄く塗り込んでおくと綺麗に色や消しやすく、
汚れも染み込みにくくなり革の硬化を抑える効果があります。
大切に長くご愛用ください。

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ロエベの擦れとベアン強化

ロエベのバッグとエルメスのベアンです。

内部材に擦れや汚れは見られますが丁寧に使用されている印象です。

財布では傷みやすい折り曲げ部は糸がほつれて口が空いています。

反対側は糸やコバ面が擦れています。

ベロ革もベアンでは傷みやすい部分ですので強化します。

角部など外周のコバ塗料が剥がれてしまうのは避けようがありません。

ロエベは底角などに擦れが見られます。

他店様で塗装された加工歴があります。
使用する塗料が硬いとひび割れや表皮のハガレにつながります。

マチにも表皮が剥がれて擦れや汚れが見られます。

持ち手も擦れやすく傷みが出やすい部分です。

擦れて表皮が剥がれた部分に手の脂分や汚れが染み込んでいます。

ベアンの折り曲げ部やベロ革を解体。

強化芯材を挟み込んで組み立て直します。

ロエベの汚れを出来る限り取除くと擦れ具合が鮮明になります。
汚れの上から塗装してしまう業者も多いですが・・・

他店様の塗料も出来る限り取除きましたが革は少し硬いままです。

ベロ革の強化加工の完了です。

折り曲げ部も強化しています。

反対側も同様に。
コバ面も仕上げ直しました。

ベロ革付け根のループ革も強化しておきました。

芯材や革の弱った部分を取除いて強化しています。

ロエベのクリーニングと補修補色加工の完了です。

ハガレやひび割れが見られた底角付近も同様に。。。

スレスレで汚れが染み込んでいた持ち手も復活です。

どちらも丁寧に活用すれば長く活躍してくれる状態です。
大切に長くご愛用ください。

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ピッグスキンのケリーバッグ修理

各部に表皮が剥がれた擦れやホツレが見られるエルメスのケリーです。

持ち手は表皮が剥がれてなくなった面積の方が多いほどスレスレで、
表皮が剥がれた部分には手の脂分など汚れが染み込んでいます。

表皮が剥がれたまま使用していると革の脂分が抜けやすく、
革の柔軟性が低下して持ち手など負担が掛かる部分は切れやすくなります。

本体外周がスレスレですのでカブセ外周の糸も擦切れています。

この辺りは全体的に糸が擦切れてなくなっています。
擦れが激しいカブセと本体では革色が違って見えるほどスレスレです。

底角も表皮が擦れてなくなって革の繊維が毛羽立っています。
擦れて無くなった表皮が元に戻ることはありません。

4箇所の角とも同様に糸も擦切れています。

カブセ付け根は開閉の度に可動するので傷みやすい部分です。
この部分も表皮が剥がれて糸も擦切れています。

附属のショルダーベルトも同様に。。。

カブセの開閉の度に爪や指先が擦れていたようで、
金具の周囲も表皮が剥がれて革の繊維が露出しています。

擦れにくいはずのカブセの裏側の方が重傷です。

附属のショルダーベルトを取り付けできるタイプの金具がない頃のモデルは
無理矢理D型金具にショルダーを取り付けますので、
カブセや付け根革などが擦れやすく黒い汚れや擦れが発生します。

底面にはボールペン汚れも見られます。
ボールペンはインクですので革に染み込んでしまい取除くのが困難です。

ピッグスキンで作成された最高品質時代のケリーバッグですので、
ここまで悪化させるまで使い続けたことが悔やまれます。

持ち手を取り外して出来る限り汚れを取除きました。
カブセ外周の糸を抜き取るのに悪戦苦闘しました。

内部材を剥がさなければ糸が抜き取れない状態でした。

予定外ですが数センチおきに糸の擦切れがありましたので、
ショルダーも解体して全ての糸を取除き縫い直します。

本体天部はグラグラだったヒネリ金具を改善させるために解体。
ヒネリ金具の周囲もスレスレです。

カブセ裏と外面の革色の違いで色あせ具合がわかります。

負担が掛かり切れていた持ち手付け根も解体して弱った芯材を
強化芯材に交換して組み立て直します。

グラグラだったヒネリ金具を再生して表皮が剥がれた各部を補修補色。

切れていた持ち手付け根は新品時より丈夫に復元強化加工。

反対側の付け根も同様に。。。

カブセ付け根も縫い直してコバ面も仕上げ直しています。

擦切れて口が空いていた底角4箇所も改善。

表皮がなくなりボロボロだった底角も出来る限り改善させました。

持ち歩くのが困難なほど擦れや色あせや汚れがあり、
持ち手も切れていたケリーバッグですが出来る限り改善させ、
凜とした貴賓があるエルメスのケリーバッグらしさが復活しました。

底面のボールペン汚れも改善させていますので、
底角の擦れやカブセ開閉時の引っかき傷に気をつけながら、
大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)
有限会社レザークリエーション
ご担当者様

いつもお世話になっております。
先ほど、バッグを受け取りました。
早々にご対応いただき御礼申し上げます。
綺麗に直していただき、使うのがとても楽しみです。
使い方はお叱りを頂戴しましたが(笑笑)
今では作ることが出来ない物で、
ショップのスタッフさんから貴重なバッグだと
お声がけいただいております。
このバッグは私のファーストエルメスで、
フランスで購入しました。
大切に長く使っていきたいと思っております。

東京都 H 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
擦れやホツレが重傷でメンテナンスのタイミングとしては、
かなり遅すぎた状態でしたが出来る限り改善させました。
良い素材で丁寧に作製されていた最高品質時代のケリーは、
現在では買換えることは出来ない貴重なバッグですので、
丁寧に取扱いながら大切にご愛用ください。

グッチのバンブー修理

グッチのバンブー持ち手のバッグとロエベのゴールド革のバッグです。

天然素材のバンブー持ち手は大きく広がり付け根革が切れそうです。

内張りを解体して付け根革4箇所を取り外して強化したあと、
大きく開いた持ち手を補正します。

ファスナーは開閉が固くスムーズに動きませんので使いづらい状態。

変型が見られるロエベのバッグは各部に擦れが見られます。
しかし、特殊な革ですので基本的には塗装は不可能です。

持ち手は表皮が剥がれて白くなっています。

変型した底角付近も擦れて表皮がなくなり革の繊維が毛羽立っています。

こちらの底角も擦れがあり、とくに変型が重傷です。

こちらの底角は擦れ傷が深く重傷です。

表皮が剥がれた状態では革の劣化が早まりますので、
擦れ傷を現状より目立たなくするためと繊維の露出をガードするために、
同系色の塗料で補色することで対応します。

ファスナーの引き手が破損したようで革紐を取り付けて使用されています。

グッチの内張りを解体してファスナーと付け根革などを解体。
年代物のグッチは縫製糸を抜き取るのが困難で時間が掛かります。

付け根革の芯材は切れています。

付け根革の縫い付け部も内側から強化しておきます。

ロエベも内張りを解体して底角の変型を改善させます。

グッチの底面には茶色い塗料のような汚れが付着しています。

パイピング部にも同様に。。。

底面の各部に同様の茶色い汚れが付着していて目立ちますので、
予定外ですが取除いておこうと思います。

付け根革と縫い付け部を強化して持ち手を補正しました。

バンブー持ち手は開いてきますので出来る限り内側に曲げてあります。
保管時に開かないように紐などで結んでおくと変型を抑えられます。

ファスナーの開閉もスムーズになり使いやすくなりました。

簡単に取れる予定でしたが底面の茶色い汚れには苦労しました。

表皮が剥がれたパイピングやポケット天部など同系色で補色しました。

スレスレで白くなっていた持ち手も同様に。。。

底角だけでなく底面と前後面にも芯材を入れこみ変型を補正。

シンプルデザインで高級感がある丈夫な引き手金具を取り付け。

ロエベは強化芯材を入れ込んだ事でしっかりと自立するようになり、
表皮が剥がれた部分の補色で擦れが目立たなくなり素材劣化を抑えています。

グッチはバンブー持ち手を曲げ直して傷んだ付け根革4箇所を強化。
ファスナーの開閉もスムーズになり使いやすくなっています。

大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)
有限会社 レザークリエーション御中

バッグ2つ、確かに受け取りました。
丁寧に梱包していただき、〇〇〇までありがとうございました。
ブログを拝見しましたら、修理の様子がよくわかりました。
これから使うのが楽しみです。
ありがとうございました。

神奈川県 M 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に長くご愛用ください。

アマゾニア劣化のピコタン

エルメスのピコタンです。
本体がアマゾニア素材のピコタンはショルダーも長く大きいサイズです。

底角4箇所など各部に表皮が剥がれた擦れが見られます。

こちらの底角も同様に。。。

天部口周りのテーピング革も擦れやすい部分で表皮が剥がれています。

ショルダーにも各部に小傷が見られます。

天然ゴムをキャンバス地に塗り込んだ特殊素材のアマゾニアは、
劣化が激しく、ひび割れだけでなくゴム素材の欠損も見られます。

接着材や塗料を塗った痕跡もあり素材としては手遅れ状態です。

この辺りも同様に。。。
素材自体が劣化していますので塗装した部分も剥がれています。

全体にひび割れ劣化が見られるアマゾニア素材は諦めて、
本革で作成交換します。

アマゾニア素材に張り合わされた内布の再利用は不可能に近く、
代用の布地に交換することで了解をいただいています。
時間と手間だけでなく高リスクですが再利用できるようにトライはしてみます。

大きなアマゾニアのピコタンは革の内ポケットがあり便利です。
刻印入りホック金具を取り外さなければポケットは解体できません。

スレスレ小傷で曇っていますが刻印入りのホック金具の再利用は最重要。

解体のために本体を裏返すとゴミが溜まっています。
時々で良いので掃除機などで清掃することをお勧めします。

バラバラに解体。
アマゾニア素材は表面劣化だけでなく大きく変型していることがわかります。

テーピング革や持ち手を取り外した部分を見ると、
全体の色褪せ変色も鮮明です。

今回は擦れや汚れが目立ちにくく丈夫な革を選択して作成交換しました。
使用していると少しずつ自然な艶が出てくる丈夫な革ですので、
活用していると愛着が増す素材です。

刻印入りホック金具も再生だけでなく磨いておきました。

底角など革パーツの擦れも改善させています。

今回の加工で一番苦労したのですが刻印入りホックだけでなく、
内布も再利用に成功しました。
成功率は低いので状態が良好でなければ対応できない加工です。

大きなバッグですので活用すれば擦れや汚れは避けようがありませんが、
丈夫で長く活用出来る良い品ですので大切に長くご愛用ください。




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(お手紙紹介です)
有限会社レザークリエーション
ご担当者様

お世話になります。〇〇です。
先日、カバンを受け取りました。
とても綺麗に修理いただきありがとうございました。
大切に長く愛用します。
また、〇〇〇〇〇〇ありがとうございました。
以上、宜しくお願い致します。

兵庫県 O様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
アマゾニア部が本革になったことで、
補修補色などメンテナンスが可能になり、
安心して活用いただけます。
大きなバッグですので底角の擦れに気をつけながら、
大切に長くご愛用ください。

プラダのヤブレとシャネルの擦れ

シャネルの名刺入れとプラダのバッグです。

シャネルの名刺入れは折り曲げ部など外周に擦れが見られます。

反対側の折り曲げ部も同様に。。。。

底角の折り曲げ部も擦れやすい部分です。
小物類は使用中よりもバッグの中で他の物と擦れることが多いです。

凹ホックも破損していますので内張りを解体して交換します。

プラダのバッグと言えば内張りのヤブレが定番ですが、
外面のテスゥート地が裂けています。

この辺りはご自身で縫い直した素人加工痕が見られます。

丈夫なテスゥート地が裂けるケースは少ないのですが・・・

汚れを取除き、破損したホックを取り外しました。
カブセ外周も表皮が剥がれて白くなっています。
今回は外周だけの補修補色加工の予定ですが右下部には大きなシミが
見られます。

外周は全体的にスレスレです。

プラダの内張りを解体すると劣化した芯材が粉々。
清掃しておきます。

縫製部を見ると組み立て時からテスゥート地が縫い込まれていなかったようで、
丈夫な外面が内張りより先に裂けてしまった原因は製造時の縫製のようです。

シャネルの名刺入れの外周の補修補色加工の完了です。
予定外ですが大きなシミも改善させておきました。

後面も同様に。。。

折り曲げ部など外周も改善。

擦れやすい外周は単体でバッグのポケットに入れたり、
ハンカチなどで包むのが擦れを抑えるには効果があります。

凹ホックも内張りを解体して交換完了。

プラダは底面の芯材も交換しておきました。
ヨレヨレになった芯材を見ると液体のシミ汚れが見られます。

予定外の加工が多くなってしまったプラダバッグとシャネル名刺入れですが、
丁寧に活用すれば、まだまだ頑張ってくれそうです。

大切に長くご愛用ください。

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