グッチ ジャッキー


丁寧に活用されてきた様子のグッチ ジャッキーです。

 

 

 


底角には表皮が剥がれた擦れが見られますが今回は見送られました。

 

 

 


天部テーピングには擦れが見られますがベルトが擦れる部分ですので、
避けようが無い損傷です。

 

 

 


綺麗な状態を保たれていますが年代物ですので革が劣化しています。
薄い革は柔軟性が低下してサクサクになり切れてしまいます。

 

 

 


反対側も同様に。。。

 

 

 


後面も切れていますのでテーピング革は作成交換します。

 

 

 


持ち手の革も劣化してサクサク状態で切れています。

 

 

 


テーピングより薄い革で作成された持ち手は劣化しやすいです。
持ち手の厚みの大半はボール紙のような芯材です。

 

 

 


劣化した革が元に戻ることはありませんが、
元の素材を気に入っているとのことで硬化した芯材を作成交換しながら、
切れた革を修復します。

 

 

 


持ち手全体の芯材を新品時より丈夫にしながら復元強化加工の完了です。

 

 

 


切れてボロボロだったバックル付け根も再生しています。

 

 

 


芯材を作成交換していますので強度には関係ありませんが、
切れていた部分も補修しておきました。

 

 


天部テーピング革は作成交換しています。

 

 

 


負担が掛かる持ち手の強度は新品時より丈夫ですが、
表面の革素材は年代物の革素材のままです。

丁寧に取扱いながら大切に長くご愛用ください。

 

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LV財布の修理


モノグラム財布とガマグチ小銭入れです。
エルメスのリザードの手帳カバー外面は擦れて艶が無く色あせています。

 

 

 


外面は擦れて艶が無く少し色あせていますが内部材は良好です。

 

 

 


折り曲げ部は部材が剥がれてコバの塗料が剥がれています。

 

 

 


角部も同様に。。。
手帳カバーはコバ面の仕上げ直しのみご依頼いただきました。

 

 

 


小さな口金金具はプツプツと腐食していますので再メッキします。

 

 

 


接着だけで仕上げられた品ですので折り返したモノグラム地が、
剥がれてきています。

 

 

 


ガマグチ財布は口金の仕様からUSAモデルかと思っていましたが、
1988年8月にフランスの工房で作成された財布でした。

丁寧に活用されていますが製造から34年が経過していますので、
口金金具はメッキが剥がれてシルバーになっています。

 

 


外周角部に縫製糸が一目擦切れた部分があります。
この部分を縫い直すには口金金具が邪魔になります。

 

 

 


内部材にも擦れや色あせがあり折り曲げ部には亀裂が発生しています。

負担が掛かる部分ですので亀裂部を強化しながら補修したいのですが、
やはり口金金具を取り外さなければ縫製できません。

 

 


年代物ですのでリニューアルリペア加工も提案しましたが、
今回はコバ面を仕上げ直し、ホツレ部の縫い直しと亀裂部を強化します。

 

 

 


リザードの手帳カバーの古いコバ面塗料を剥がし取ったところです。
面積は小さくても部材が重なったコバ面は重要な部分です。

 

 

 


口金を取り外して縫製します。

 

 

 


多くの部材が縫い合わされた内部材の折り曲げ部も解体して、
強化芯材を入れ込みます。

 

 

 


小銭入れも口金を取り外しました。
接着し直すためには劣化した古い接着剤を取除く必要があります。

 

 


口金金具の再メッキ加工の完了です。

 

 

 


エルメス手帳カバーのコバ面の仕上げ直し完了です。

 

 

 


同様に。。。

 

 

 


モノグラム財布も口金を取り付けて加工完了。

 

 

 


内部材の折り曲げ部が大きく裂けてくる心配は無くなりました。

 

 

 


小銭入れの口金は研磨加工もしましたので腐食したプツプツや傷も消え、
モノグラム財布と比較すると本金メッキでピカピカです。

 

 

 


劣化した接着剤を取除きましたので接着も問題なく完了。

 

 

 


口金を取り外すとバラバラになりましたので全体的に接着して、
組み立て直しています。

 

 


財布の内部材の折り曲げ部は丈夫になっていますが、
それ以外は見た目を改善させる加工でしたので、
強度や耐久性が上がったわけではありません。

年代物で買換えることが出来ない良い品ですので、
出来る限りよい状態を保ちながら大切にご愛用ください。

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(お手紙紹介です)
有限会社レザークリエーション様

この度はお直しありがとうございます。
先ほど受け取りました。

最低限お直しプランをお願いしましたが、
仕上がりがそれ以上で感激しております。

正規店や他店にお直し見積りをお願いし断られること5年、
一年前に有限会社レザークリエーション様に辿り着きました。

お直し前は「まだ頑張れるよね?」と日々確認しつつ
がま口と手帳を使用しておりました。

待ちに待ったお直しをお願いすることができ、
いざ有限会社レザークリエーション様に状態を診断してもらうと…
どれもくたびれていました!
「でっですよね。すみません。でも断られなくてよかった(涙)」と
安心した日のことは忘れられません。

詳細な説明と丁寧な返信にお直しをお願いして本当によかったです。

お値段以上の仕上がりですので、
有限会社レザークリエーション様は困ってしまうと思いますが、
気心の知れた間柄の人以外に紹介したくないです(笑)

実は他にもお直しをお願いしたいレザー製品があります。
受付タイミングが合いましたら宜しくお願いします。

この度はお直し本当にありがとうございました。
引き続き大切にします。

また同封されていました心配り感謝致します。

 

 

東京都 M 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
丁寧に活用されていますが年代物ですので、
出来る限り良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。

セリーヌ


年代物のセリーヌのセカンドバッグです。

このままでは活用できないとのことで活用されているショルダーベルトを
取り付けできるようにします。

 

 

 


付け根革を取り付けるためには内張りの解体が必要。

 

 

 


天部から解体して付け根革を取り付ける部分に強化加工を施します。

 

 

 


付け根革取り付け部に2種類の芯材を貼り合せて丈夫にしておきます。
この辺りの加工を省いてしまうと長持ちしません。

 

 

 


お手持ちのショルダーベルトを取り付けできるように、
付け根革とD型金具の取り付け完了です。

 

 

 


本体縫い付け部だけで無く付け根革も丈夫に作製しています。

 

 

 


前側も同様に。。。

 

 

 


これからは使用頻度も増えて、しまい込むこと無く活用いただけます。
大切に長くご愛用ください。

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ゴヤール財布の修理


ゴヤール長財布です。

 

 

 


擦れやすい角部は糸が擦切れただけでなく表面も擦れてなくなり、
白い布地が露出しています。

 

 

 


4角とも同様に。。。

 

 

 


折り曲げ部は白い布地まで擦り切れて欠損していますので、
縫い直すことも不可能な手遅れ状態です。

 

 

 


反対側の折り曲げ部も同様に。。。

擦り切れて無くなった部分が元に戻ることはありませんので、
コバ面の塗料が剥がれたタイミングでメンテナンスするのが理想です。
手遅れ状態ですが強化しながら縫製できる状態に改善させます。

 

 

 


折り曲げ部の復元強化加工の完了です。
屈曲する部分で財布では一番傷みやすい部分ですので強化しています。

 

 

 


反対側の折り曲げ部も同様に。。。

 

 

 


可動しない角部は補修加工で見た目を改善させています。

 

 

 


外周コバ面も仕上げ直しておきました。

 

 

 


財布は角部や折り曲げ部を良い状態に保てれば綺麗なままで長く使えます。
引き続き活用できる状態に復活しましたので大切に長くご愛用ください。

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アンギャン内張り


1991年2月にフランスの工房で作成された最高品質時代の
ルイヴィトン モノグラムのアンギャンM51205です。

 

 

 


古い品ですのでコバ面塗料の劣化や芯材の変型もあります。

 

 

 


劣化したコバ塗料には何かわからないものが付着しています。

 

 

 


マチと天部の部材が切り替わる部分でコバ塗料が割れています。
この辺りは強化しておくと安心な部分です。

 

 

 


年代物ですのでリニューアルリペア加工もご提案しましたが、
今回は劣化した合成皮革の内張りの作成交換のみ作業します。

 

 

 


外ポケットだけでなく内ファスナーポケットも2箇所劣化しています。

 

 

 


内側の板ポケットも内張りが劣化しています。
対面にも色移りがあり合成皮革と関係ない部分も擦れや汚れが見られます。
リニューアルリペアされるタイミングまでは放置します。

 

 

 


内ポケット3箇所と外ポケットの内張りですのでバラバラに解体。

 

 

 


二度とベタツキ劣化しないように本革で作成交換します。

 

 

 


波打ち変型は芯材の劣化が原因です。

 

 

 


芯材が原因ですので内側も変型しています。

 

 

 


本革で作成交換の完了です。

 

 

 


再メッキはしていませんが金具も洗浄しておきました。

 

 

 


二つのバッグを繋ぎ合わせたような構造で手間が掛かるバッグでしたが、
良い素材で丁寧に作製された高品質なバッグです。

合成皮革の内張りは無くなりましたのでベタツキの心配なく活用できます。

大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーションさま

お世話になっております。
本日、バッグを受け取りました。

丁寧でしかも迅速なお仕事で大変きれいにしていただき、
加工をお願いする前の状態が想像できないほどです。
心より感謝申し上げます!
大切に使っていきたいと思います。

また素敵な〇〇〇〇〇も嬉しいです。
この度は本当にありがとうございました。

 

東京都 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に長くご愛用ください。

ピコタンの擦れ汚れ


エルメスのピコタンMM エトープとピコタンPM ホワイトです。

 

 

 


ピコタンPMは内側にも革を貼り合せた構造ですので自立します。
一枚革構造のピコタンは自立しませんが柔らかさが魅力です。
強度や耐久性は内側にも革があるPMが丈夫です。

 

 

 


ピコタンPMはコバ面の塗料にひび割れやハガレがあり劣化しています。

 

 

 


持ち手は擦れや汚れが避けられない部分です。

 

 

 


本体にも擦れや汚れが見られ底角は表皮が擦れて無くなっています。

 

 

 


底面全体にはシミ汚れが見られます。

 

 


ご本人的には、まだまだ大丈夫と思われていたようですが、
擦れや汚れや色あせなどは当社では重傷だと考える状態です。

感覚的な部分ですので見た目については人それぞれですが、
表皮が剥がれると革素材の劣化が急速に早まり長持ちしません。

 

 

 


今回は外面のクリーニングと補修補色加工ですが、
内側にも擦れや汚れシミ汚れが見られ綺麗な印象はありません。

 

 

 


エトープ色のピコタンMMも底角は表皮が無くなるまでスレスレです。

擦れて無くなった表皮が元に戻ることは無く、
もっと軽傷なうちにメンテナンスするのが理想です。

 

 


本体もスレスレで表皮が剥がれています。

一枚革の構造で革が伸びるので塗装が剥がれやすいのも要因です。

 

 


外面の傷み具合を見ると内部材や構造の重要性がわかります。

 

 

 


持ち手は糸が擦切れ口が空いた状態です。

 

 

 


こちらの持ち手は犬に噛まれて切れています。

 

 

 


ピコタンPMは天部や持ち手の劣化したコバ塗料を剥がし取りました。

 

 

 


本体を裏返すとシミ汚れだけで無くホコリやゴミが溜まっていました。

 

 

 


埃やゴミは取除いて清掃しておきました。

 

 

 


出来る限り汚れを取除いた状態です。
クリーニングすると表皮が剥がれて色あせた部分は汚れの様に見えます。
この後、表皮の剥がれた部分を整える補修加工を施し補色します。

 

 


ピコタンMMは犬に噛まれてヨレヨレの持ち手全体を強化加工します。

 

 

 


犬に噛まれて欠損した部分が見られますが素材劣化の方が重傷です。

 

 

 


底角は革の繊維が露出して擦れが重傷です。

 

 

 


持ち手の取り付け部は負担が掛かる部分ですので、
強化加工を施したいのですが一枚革構造ですので、
強化加工を施す事が出来ません。

バッグ全体を解体して内側にも革を貼り合せながら強化すれば、
本体を丈夫にすることも可能で自立させることもできますが、
クタァ~とした柔らかさもピコタンMMの魅力ですので、
バッグの構造を理解して丁寧に活用するのが良いと思います。

 

 

 


外面クリーニングと補修補色加工の完了です。

 

 

 


底角や底面の擦れやシミ汚れも改善しました。

 

 

 


ひび割れや劣化が見られたコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 


予定外ですがシミや汚れが見られた内側も少し綺麗にしておきました。

 

 

 


エトープ色のピコタンMMも補修補色加工の完了です。
表皮が擦れて無くなっていた底角も同色にすることで改善。

 

 


表皮が剥がれて白くなっていた本体も改善させています。

 

 

 


犬に噛まれて欠損も見られたヨレヨレの持ち手も丈夫に復活です。

 

 

 


残念な状態で持ち歩きにくかったピコタンですが、
活用できる状態に改善させています。

強化した持ち手は新品時より丈夫に仕上げていますが、
本体が一枚革のピコタンは革が伸びると表皮も傷みやすいので、
出来るだけ中身を軽くして活用する方が良い状態を保ちやすいです。

出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索