vintage HERMES

old hermes lizard (1)
エルメスのケリー28cmリザード革 フィセル色です。

おそらく1947年~1954年ころに製造されたケリーバッグです。
1956年からケリーバッグと呼ばれるようになりましたので、
「サック・ア・クロア」と呼ばれていたころの品かもしれません。

持ち手など各部に損傷が激しく大きなシミ汚れもあり、
新品のように復活することはない状態です。

しかし、全体を解体してパーツごとに加工を施しながら組み立て直すことで、
ヴィンテージバッグとして使用に耐えうる形に復活できるのではと・・・・

 

 

 

 

 

old hermes lizard (2)
持ち手は糸が擦り切れてホツレ、革が変色し、亀裂や欠損など重症です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (3)
持ち手を裏側から見ると中央部はバラバラに解体したような状態です。

裏面のリザード革も切れや欠損があり手垢汚れやシミなどで、
持ち手としての復活どころか縫い直すことも不可能な状態です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (4)
両サイドのベルトもコバ塗料が剥がれて芯材が露出しています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (5)
カブセの外周も同様に。。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (6)
各部にホツレや破れが見られシミや汚れも全体的に。。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (7)
底角4か所もスレスレでシミや汚れも。。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (8)
後面全体に色褪せや変色や汚れがあるのですが、
それらが気にならないほど大きなシミ汚れが目立ちます。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (9)
年季の入った古いシミ汚れが底面まで広範囲です。

ホツレや破れや革の欠損などフルコースで損傷があり、
直営店も含め修理不可能と判断されるのが通常です。

ご家族も廃棄される判断をされたようですが、
祖母様の遺品とのことで、引き継がれるようです。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (10)
綺麗に見える前面もカブセを開くと全体的な変色やシミ汚れが鮮明です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (11)
外面の損傷に圧倒されてしまいましたが内側も強烈な状態です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (12)
赤い染料の汚れが革に染み込んで擦れや汚れやシミも全体に見られます。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (13)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (14)
底面には得体にしれない物が、こびり付いて固まっています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (15)
ヴィンテージバッグと呼べる品だけに素材も作り込みも高品質なバッグですが、
内側の状態からも使い方は少し乱暴だった印象が各部に見られます。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (16)
各部に見られる赤い汚れはなんでしょう?
古すぎる汚れのためか取り除くことができません。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (17)
持ち手だけでなく負担が掛かる付け根革も取り外して解体します。

祖母様から受け継がれる品ですので出来る限りパーツ交換はしたくありませんねぇ~

 

 

 

 

 

old hermes lizard (18)
何とか活用いただける状態に復活させたいものです。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (19)
内張りの天部付近は表皮が擦れて剥がれ手垢汚れが染み込んで薄茶色に。。。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (20)
カブセを解体したところです。
芯材には本革が使用された贅沢な仕様です。

カブセの付け根や折り曲げ部や付け根革の縫い付け部などに、
強化加工を施して組み立て直します。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (21)
中央部のヒネリ金具はユルユル状態で少しグラグラしています。
ヒネリ金具を再生してグラツキを改善させます。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (22)
持ち手も芯材には本革が使用されています。

カブセの内側に入れ込まれた鉄芯と付け根革はカシメ金具で連結され、
縫製糸がホツレても外れない構造です。

外面からは見えない作り込みで修理には手間が掛かりますが安心な構造です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (23)
両側のベルトには、こげ茶色の革と黒い布テープが芯材に使用されています。
外面だけでなく芯材もボロボロで限界を超えていますので強化芯材に交換します。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (24)
付け根革を取り外した部分を見ると変色や汚れが鮮明です。
この部分も裏側から強化します。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (25)
内張りを剥がした正面と底板を取り外した底面を裏側から見たところです。
本革で芯材を手作りして加工していたことがわかる作り込みです。

このバッグを作成していた当時の職人さんは数十年後に解体修理されることを、
想像できたでしょうか?

 

 

 

 

 

old hermes lizard (26)
内張りや底板を解体した理由は底面のホツレを縫い直すためです。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (27)
外面は全体にホツレが見られますが、底面のホツレは大きく解体が必要です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (28)
糸が劣化していますので外面は全体的に縫い直す必要があります。
しかし、元の糸を一目一目取り除かなければ縫製できません。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (29)
こびり付いた汚れや、染み込んだ赤い染料などを取り除いて、
内張りのクリーニングと補修補色加工の完了です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (30)
内張りはご愛用いただける状態に復活しましたので、
各部に強化加工を施しながら組み立て直します。

 

 

 

 

old hermes lizard (31)
内ポケットの中も改善しています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (32)
底面のホツレもなくなりリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (33)
使用不可能なほど重症だった汚れや変色や大きなシミも目立たなくなりました。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (34)
カブセ裏の赤い汚れも見えなくなりました。

 

 

 

 

old hermes lizard (35)
両サイドのベルトだけでなく負担が掛かるマチの天部やカブセも強化され、
底マチなどの強化も含めて加工した部分は新品時より丈夫です。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (36)
部材が剥がれてミルフィーユ状態だったコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (37)
強化加工を施したマチ底も丈夫になり、コバ面もスッキリです。

 

 

 

 

old hermes lizard (38)
祖母様から引き継がれる品ですのでパーツ変更は芯材のみです。

底マチやカブセ付け根やマチ天部なども強化芯材を入れ込みましたが、
元々、強化加工は施されていない部分ですので取り外したパーツはありません。

縫い付け部だけでなく、付け根革自体も弱った部分を取り除き、
強化加工を施しています。

 

 

 

 

 

old hermes lizard (39)
負担が掛かる15か所以上の部分に強化加工を施しながら、
内張りも外面も汚れやシミなどを出来る限り改善させています。

しかし、数十年前の品であり、一度は廃棄を検討されるほど傷んだ品ですので、
労わるように活用されることが賢明です。

高品質な素材で丁寧に作成された品で、
二度と新品購入できないヴィンテージ品ですので、
出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

レザークリエーション様

長期の出張から帰りまして修理していただいた5点確かに受け取りました。
各品私が思っていた以上に奇麗に仕上がってびっくりしております。

特にケリーバッグは廃棄しようと思っていたものです。
あのカバンは阪神大震災の際、祖母の家が崩れて何週間か雨風にさらされた物です。
それがこれほどきれいになっており予想をはるかに超える仕上がりにびっくりいたしております。
ブログを拝見いたしまして、修理にこれほど鞄と使い手のことを考えて頂き
お修理をされてるのかと感動いたしました。

母と約束した通り、母の誕生日の品としてこのカバンを送りました、
祖母の思いも詰まった鞄ですので母も喜んでいました。

これからもお修理いただいた品に何かありましたらお世話になると思いますが、
またどうぞお付き合いよろしくお願いします。

兵庫県 R 様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に使用していても汚れや擦れは避けられない損傷です。
とくにリザードのケリーはとても古い品で、
一度は使用できない状態まで悪化したバッグですので、
丁寧に取り扱いながら良い状態を保てるようにご愛用ください。

エブリンの修理

hermes evelyne (1)
エルメスのエブリンです。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (2)
底角はテーピング革が擦り切れてボロボロに破れています。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (3)
こちらの底角も同様に。。。。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (4)
天部のテーピング革も全体的にスレスレで革が欠損した部分も・・・・

 

 

 

 

 

hermes evelyne (5)
ベロ革の外周や革巻きホックもスレスレです。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (6)
本体にも擦れや汚れが見られます。

 

 

 

 

hermes evelyne (7)
ショルダーベルトを取り付けるD金具は摩耗して擦り減っています。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (8)
半分の厚みまで擦り減った状態です。

このままで使い続けると金具が摩耗して折れてしまうことも・・・・

 

 

 

 

hermes evelyne (9)
マチ部材に破れもあり使用不可能な状態です。

エルメスの直営店では修理を断られたとのことですが・・・・

 

 

 

 

 

hermes evelyne (10)
解体してリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (11)
底角は擦れやすい部分ですので穴が空いたテーピングは部分的に作成します。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (16)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

 

hermes evelyne (12)
ベロ革を取り外してみると本体に通していた部分だけ色が違います。???

 

 

 

 

 

hermes evelyne (13)
マチ部材も解体して付け根革も取り外してみました。

付け根革やテーピング革に隠れていた部分も色が違います。???

 

 

 

 

hermes evelyne (14)
お知らせいただいていませんが塗装加工を施した経歴があるバッグのようです。
直営店で修理不可能な理由は塗装歴があることが原因かもしれません。

 

 

 

 

hermes evelyne (15)
裂けていない他の3か所もマチの天部は限界を迎えて切れる寸前です。
負担が掛かるマチの天部は強化加工を施します。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (17)
左半面だけ汚れを取り除くと塗装加工していた塗料も取り除けました。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (18)
付け根革も片側だけ汚れを取り除きました。

 

 

 

 

hermes evelyne (19)
塗装を取り除いた付け根革と未塗装部の方が色合いが近いようです。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (20)
汚れと塗料を取り除いて擦れ傷の補修を施した後、補色加工します。

 

 

 

 

hermes evelyne (21)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (22)
摩耗して擦り減っていた金具も出来る限り再生し、
マチ部材も付け根革も強化加工を施して縫製しました。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (23)
テーピング革の欠損や擦れもなくなりました。

 

 

 

 

hermes evelyne (24)
ボロボロだった底角のテーピングは部分交換で加工しています。

 

 

 

 

 

hermes evelyne (25)
使用不可能な状態でしたが負担が掛かる部分の強化や再生で、
安心して活用いただける状態に復活です。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

レザークリエーション 御中

お世話になっております。
先ほど鞄と財布が無事届きました。

GUCCIのハンドバッグとエルメスの財布は新品の様にきれいで、
びっくりしました。
エブリンは酷い状態だったので、もう使う事はできないとあきらめていましたが、
見違える様にきれいになって帰ってきて感激です。
これからまた使う事ができるのが嬉しいです。
本当にありがとうございました。大切に使っていきたいと思います。
あとプレゼントもありがとうございます。こちらも大切に使っていきますね。

またお願いすることがあるかと思いますが、宜しくお願いします。

三重県 Y 様

グッチのバッグは美観を整える加工で革質の状態は良好でした。
エルメスの財布は外周のホツレを縫い直し、革巻きホックを再生しています。
ダメージが酷く重症だったエブリンは長く愛用いただけるように、
負担が掛かる部分の強度アップをメインに加工しています。
3点とも大切に使用すれば長く愛用いただける状態ですので、
大切に長くご愛用ください。

ボッテガ財布の再生修理

bottegaveneta (1)
ボッテガベネタの長財布ですが、なんとなく様子が・・・

 

 

 

 

 

 

bottegaveneta (2)
長期間、風雨にさらされていた状態です。

実は、
紛失されて半年後に警察から戻ってきた財布で、野ざらしになっていたようです。
思い入れのある品ということでリニューアルリペア加工で復活させます。

 

 

 

 

 

bottegaveneta (3)
色褪せや汚れだけでなく全体的に変形も見られます。

 

 

 

 

bottegaveneta (4)
この程度の擦れ傷は目立たないほど泥汚れのようなものが全体に染み込んでます。

 

 

 

 

 

bottegaveneta (5)
内側はこんな状態で無残です。

使用できるように復活できるのでしょうか?

 

 

 

 

bottegaveneta (6)
カードポケット部も同様に。。。。

 

 

 

 

bottegaveneta (7)
ファスナー縫い付け部は大きく裂けています。

小銭入れ部マチは通常の使用では、こんな状態になりませんね~

 

 

 

 

bottegaveneta (8)
複雑な構造の財布ですが、とりあえず大雑把な部分を解体してみました。

再利用できるパーツを選定しながら加工工程を思案です。

 

 

 

 

bottegaveneta (9)
破れて裂けたパーツも。

 

 

 

 

bottegaveneta (10)
この辺りも同様に。。。。

 

 

 

 

 

bottegaveneta (11)
ホック金具の裏も錆びて腐食しています。

 

 

 

 

 

bottegaveneta (12)
リニューアルリペア加工の完了です。

4か所のマチ部材やファスナー交換だけでなく、
内張りや芯材など多数のパーツの作成交換が必要でした。

 

 

 

 

bottegaveneta (13)
無残な状態だった内部材も問題なく使用いただけそうです。

 

 

 

 

 

bottegaveneta (15)
コバ面も仕上げ直し外面も黒革に復活です。

 

 

 

 

 

bottegaveneta (16)
全体の芯材を強化芯材に入れ替えていますので、
変形が補正されただけでなく強度もアップしています。

警察から戻ってきた状態を見れば修理は諦めてしまうのが一般的ですが、
特別な思い入れがある品だから戻ってきたのかもしれません。

悪戦苦闘しましたが活用いただける状態に復活しましたので、
大切に長くご愛用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

レザークリエーション様

本日お財布届きました。
大変素晴らしい仕上がりに驚いています。
レザークリエーション様にお願いをして良かったです。
有り難うございました。
大切に使わせていただきます。

東京都 M 様

かなり大がかりな加工になりましたが、
大切な思い入れのある財布とのことですので、
出来る限りのメンテナンスと強化加工を施しています。
大切に長くご愛用ください。

NINARICCI財布修理

ninaricci (1)
20年以上が経過したニナリッチ長財布です。

買い替えることができない思い入れのある品とのことで、
リニューアルリペア加工のご依頼をいただきました。

 

 

 

 

 

ninaricci (2)
外周には擦れが目立ちます。

 

 

 

 

 

ninaricci (3)
同様に。。。。

 

 

 

 

 

ninaricci (4)
折り曲げ部は革が擦り切れて欠損しています。

 

 

 

 

 

ninaricci (5)
特殊な構造のテーピングです。
内縫いした革を折り返してテーピングの際にステッチが掛けられています。

 

 

 

 

 

ninaricci (6)
内側を見ると丁寧に使用されていたことがわかります。
しかし、古い品ですので折り曲げ部の内張りは色褪せて薄紫色に変色しています。

 

 

 

 

ninaricci (7)
ポケットの中の内張りは色褪せは少ないですが、黒いシミ汚れが重症です。

 

 

 

 

 

ninaricci (8)
消耗パーツであるファスナーも高品質グレードのもので交換します。

 

 

 

 

 

ninaricci (9)
全体を解体したところです。

内張りが合成皮革素材の部分は本革で張替ながら各部を強化します。

 

 

 

 

 

ninaricci (10)
各ポケットの天部は内張りを剥がして強化芯材を入れ込み組み立て直します。

 

 

 

 

ninaricci (11)
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

ninaricci (12)
小銭入れの中も本革仕様になりました。

 

 

 

 

 

ninaricci (13)
折り曲げ部の内部材など色褪せやシミ汚れが目立った本革の内張りも、
補修補色加工で復活させています。

 

 

 

 

ninaricci (14)
外周のテーピング革は全交換しています。

 

 

 

 

 

ninaricci (15)
合成皮革素材が本革仕様になり折り曲げ部や各部の強化加工で、
安心して活用できる状態です。

使用すれば擦れや汚れは避けられないですが、
基本構造を丈夫にしていますので大きな損傷に発展することなく、
定期的にメンテナンスすれば長く活躍してくれます。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

ロザンのリニューアルリペア

lozan (1)
ルイヴィトンのタイガラインのビジネスバッグ(Lozan)ロザンです。

酷使するビジネスバッグですが丁寧に使用されています。
最低限の加工だけでもよいと感じる状態ですがリニューアルリペア加工を
ご依頼いただきました。

 

 

 

 

 

lozan (2)
底角の擦れは避けられない損傷です。
タイガ地が縮んで底面の外周は革が芯材より小さくなっています。

 

 

 

 

 

lozan (3)
綺麗な状態ですので余計な塗装は最低限にする予定ですが、
擦れて白くなった部分や表皮が剥がれた角部などは補修補色加工が必要です。

 

 

 

 

 

lozan (4)
この辺りも同様に。。。。。

 

 

 

 

 

 

lozan (6)
丈夫な持ち手ですが握る部分は表皮が剥がれて汚れが染み込んでいます。

 

 

 

 

 

 

lozan (5)
前後に大きなポケットがあり、センターにファスナー付きの本体がある構造です。

 

 

 

 

 

lozan (7)
ファスナーを空けると大容量の本体です。

前後のポケットも本体部も内張りは合成皮革が使用されています。
現在はベタ付き劣化は発生していないようですが、
リニューアルリペア加工ですので解体して本革で張替交換します。

 

 

 

 

lozan (8)
本革のように見える内張りも合成皮革の表面が剥がれてきているのを見れば、
合成皮革素材であることがわかります。

 

 

 

 

 

lozan (9)
バラバラに解体しました。
パーツ点数が多いだけでなく、ビジネスバッグはパーツの面積も大きい。

 

 

 

 

 

lozan (18)
なので、今回は3~4枚の革が必要になりそうです。

 

 

 

 

 

lozan (10)
こちらは底マチの部分です。

解体しないと気が付かないような亀裂が各部にみ見られます。

 

 

 

 

 

lozan (11)
ファスナーのベロ革付け根も亀裂が・・・・

どちらも負担が掛かる部分ですので解体して強化芯材を挟み込みます。

 

 

 

 

 

lozan (12)
こちらはマチ部材ですが・・・・

縫い込みが浅いようで、全体的に0.5㎜も縫い込まれていませんでした。

 

 

 

 

 

lozan (13)
縫い外れている縫製不良個所もあり、
乱暴な使い方をする方ならマチが裂けてバラバラになっていたかも?

縫い込まれていて解体しないと見えない部分ですが、
リニューアルリペア加工を選択いただいたのは正解のようです。

 

 

 

 

 

lozan (14)
問題のない状態ですが今回は負担が掛かる付け根革も強化します。

 

 

 

 

 

lozan (15)
付け根革の裏側には白い布テープで補強してありました。
特に問題ない状態ですが、もっと丈夫な芯材に入れ替えます。

 

 

 

 

lozan (16)
強化芯材を挟み込んで裏側からも本革を張り合わせて、かなり頑丈です。

 

 

 

 

lozan (17)
持ち手の汚れを取り除くと本来の姿が・・・・

 

 

 

 

lozan (19)
合成皮革部を本革で張り替えてリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

lozan (20)
底マチの縫い合わせ部は強化加工で丈夫になり、
底面のコバ仕上げも施してスッキリです。

 

 

 

 

 

lozan (21)
外面的には元通りですが付け根革も新品時より丈夫です。

 

 

 

 

 

lozan (22)
持ち手も染み込んだ手の脂分や汚れを取り除いて補修補色しています。

 

 

 

 

 

lozan (23)
擦れて白くなっていた部分も綺麗になりました。

 

 

 

 

lozan (24)
マチ部材など縫い込み縫製が不安でしたが、
バラバラに裂けてしまう事がないように、しっかりと縫製しています。

大切に長くご愛用ください。

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カルティエ財布の修理

Cartier (1)
製造から25年以上経過したカルティエ長財布です。
全体的に黒い汚れが染み込んだ状態で擦れや修理歴もある財布です。

 

 

 

 

 

 

Cartier (2)
コーナー金具はメッキの剥がれが見られます。

擦れて傷みやすい角部をガードしてくれるコーナー金具は、
デザインのアクセントになっていますので再メッキで高級感を復活させます。

 

 

 

 

 

Cartier (3)
折り曲げ部は擦り切れて破れた部分に0.3㎜ほどの薄い革を張り付けて、
擦り切れ穴を目隠しする修理加工を施した跡が見られます。

部分的に塗装もしているようで少し残念な状態です。

 

 

 

 

 

Cartier (4)
こちら側の折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

Cartier (5)
カブセの天部は革がひび割れてサクサク状態で黒い汚れも染み込んでいます。

長年のご使用と経年劣化で硬化した革が新品に戻ることはありませんが、
このままでは急激に悪化しますので出来る限り改善させたいと思います。

 

 

 

 

 

 

Cartier (6)
擦れやすいカブセの外周も同様に。。。。

カブセ全体の色合いがワインカラーとは思えないほど黒ずんでいます。

 

 

 

 

 

Cartier (7)
後面の外周もスレスレ。

 

 

 

 

 

Cartier (8)
内側を見ると長年大切に活用されてきたことがわかります。
擦れや傷や汚れは各部に見られますが使用年数を考えると良好ですね。

 

 

 

 

 

Cartier (9)
今回はリニューアルリペアですので内側部材の傷や擦れだけでなく、
各部に強化加工も施し強度アップさせます。

 

 

 

 

 

Cartier (11)
他店様の修理で張り合わせてあった革を取り外したところです。

 

 

 

 

 

Cartier (12)
同じように外面に薄い革を張り合わせて縫製するだけなら楽なんですが、
擦り切れ穴を目隠しすることができても強度アップさせることができません。

 

 

 

 

 

Cartier (13)
大きく解体してみましたが折り曲げ部に芯材などは入れられていませんでした。
この部分に強化芯材を入れ込んで擦り切れ穴を塞ぎながら縫製します。

 

 

 

 

 

Cartier (14)
外面全体の汚れを出来る限り取り除いたところです。

 

 

 

 

 

Cartier (15)
エンボス加工で出っ張ったカルティエのマークは擦れやすいので、
汚れを取り除くと現状の姿が鮮明です。

 

 

 

 

 

Cartier (16)
この辺りもスレスレ。

 

 

 

 

 

Cartier (17)
折り曲げ部も現状の状態がハッキリしました。

 

 

 

 

 

 

Cartier (18)
こちら側も同様に。。。。

強化加工は施されていない折り曲げ部の修理歴ですが、
高い技術で加工されていましたので本体に致命的なダメージはありません。

 

 

 

 

 

Cartier (19)
札入れポケットなども内張りを剥がして強化芯材を入れ込み縫製します。

 

 

 

 

Cartier (20)
汚れや擦れなどを改善させながら各部に強化加工をほ施し、
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

Cartier (21)
コーナー金具も新品時より厚い本メッキでピカピカです。

 

 

 

 

 

Cartier (22)
革の劣化でガサガサだった天部も出来る限り改善させながら、
全体を本来のワインカラーに復活させています。

 

 

 

 

 

Cartier (23)
各部の強化加工や補修補色加工で気持ちよくご愛用いただける状態です。
しかし、長年活用してきた古い財布であることに変わりありませんので、
出来る限り丁寧に使用しながら大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

ブログを拝見させて頂きました。

今まで大切にしてきましたが
普段使いのモノでしたので丁寧には
扱っておりませんでした。

分解写真を見て
相当に痛めていたと痛感しました。

完了写真を見て
20年前の感激した気持ちを
思い出しました。
丁寧に大切にしていきます。
有難う御座います。

 

大阪府 Y 様

財布やバッグを大切に長く活用することは、
簡単なようで難しいことです。

また、手放したくないと思える品に出会うことは、
もっと難しいです。

出来る限り長くご愛用いただけるように、
加工していますので、引き続き大切にご愛用ください。