ルイヴィトン モンソーのリニューアルリペア加工

monceau (1)
1988年1月にフランスの工房で作成されたルイヴィトンのモンソーです。

しっかりと作りこまれたバッグですが26年前の品ですので、
リニューアルリペア加工で丈夫に仕上げます。

 

 

 

 

monceau (2)
底は前後のモノグラム地が変形してバッグが自立しない状態です。
コバの塗料は剥がれていませんが芯材などの剥がれで割れが見られます。

 

 

 

 

 

monceau (3)
カブセの外周は塗料も剥がれて芯材などが露出しています。

カブセの開閉の度に負担が掛かり傷みやすい部分ですし、
モノグラム地の欠損や亀裂も発生していますので復元強化加工が必要です。

 

 

 

 

 

monceau (4)
持ち手のコバも同様に。。。。

持ち手の表皮にも小傷が多数見られますが年代物としては良い状態です。

 

 

 

 

monceau (5)
角部はモノグラム地が変形して膨らんだ状態。

 

 

 

 

 

monceau (6)
ロック金具は機能的には良い状態ですが変色が見られ、
ツマミやビスなど出っ張り部は擦れやすく傷が深いです。

 

 

 

 

 

monceau (7)
カブセの内側の状態です。
上質な革が使用されていますが・・・・汚れ、傷、色あせのフルコースです。

 

 

 

 

monceau (8)
外周はスレスレでボールペンの汚れなども見られます。

 

 

 

 

 

monceau (9)
内ポケットの合成皮革は劣化していて当然ですね。
長く愛用いただけるように本革で内張りを作成します。

 

 

 

 

 

monceau (10)
バラバラですが、まだまだバラバラにしないと・・・・

 

 

 

 

 

monceau (11)
マチ底の縫い合わせ部を内側から見たところです。
内張りの剥がれも見られますし解体して強化加工を施します。

 

 

 

 

monceau (12)
反対側のマチ底も同様に縫込みが足りていないようです。

 

 

 

 

 

monceau (13)
カブセのモノグラム地に張り合わされた芯材はパキパキに劣化しています。

 

 

 

 

monceau (14)
カブセ内張りの革に張り合わされた芯材も同様に。。。。
内側の芯材でも古くなると変色するんです。

 

 

 

 

monceau (15)
今回は全ての芯材交換が必要な状態です。

 

 

 

 

monceau (16)
マチ革も解体して内張りも剥がしましたが芯材は使用されていないようです。
強化芯材を挟み込んで組み立て直します。

 

 

 

 

 

monceau (17)
革パーツの汚れを取り除いたところです。

 

 

 

 

 

monceau (18)
黒い汚れやボールペン汚れなどがなくなりました。

 

 

 

 

monceau (19)
マチの外面です。

右は汚れを取り除いて擦れ傷を補修して表皮を整えたたところで、
左は強化芯材を貼り合わせて補色加工したものです。

表皮を整えてから補色しないと均一に仕上げることはできません。

 

 

 

 

 

monceau (20)
ロック金具も取り外して解体しました。
ここまで金具を解体して修理するのは・・・・やりすぎですね!

 

 

 

 

 

monceau (21)
通常は解体不可能なパーツまでバラバラにして、
すべての金具を磨き込みました。

 

 

 

 

 

monceau (22)
リニューアルリペア加工の完了です。

内ポケットのファスナーは新品交換して内張りは本革仕様。
すべての芯材を取り替えながら各部に強化加工も施しました。

 

 

 

 

 

monceau (23)
底角もスッキリ。

 

 

 

 

 

monceau (24)
持ち手も小キズが消えてコバ面も仕上げ直しています。
金具もピカピカです。

 

 

 

 

 

monceau (25)
変形していた底部も真っ直ぐになりコバ面も綺麗になりました。
これならテーブルの上にバッグを置いても自立します。

 

 

 

 

 

monceau (26)
同様に。。。

 

 

 

 

monceau (27)
カブセ裏の汚れや擦れも補修完了です。

 

 

 

 

monceau (28)
加工前の画像と比較すると頑丈さまで伝わるのでは?

古き良き時代に作成された丈夫なバッグがより頑丈に復活しました。
大切に愛用しながら長く活用ください。

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エルメス ベアン長財布のリニューアルリペア加工

beant (1)
2000年製造の旧タイプのHERMES Beant 長財布です。
リニューアルリペア加工を承りましたので各部のチェックからスタートです。

 

 

 

 

beant (2)
折り曲げ部は糸が擦り切れています。

黒いシミ汚れも気になるところで・・・・
部分的に革が硬化していて嫌な予感がします。

 

 

 

 

 

beant (3)
ベロ革もステッチが擦り切れてコバの塗料も剥がれて白い芯材が露出しています。

 

 

 

 

 

beant (4)
旧タイプのH金具ですが角はメッキが剥がれて真鍮が露出して腐食も進行してます。

 

 

 

 

 

beant (5)
ファスナー周りのステッチは色が抜けて白く見えます。
反対面に入れるカードが擦れるので革の表皮もスレスレ状態ですねぇ~。

 

 

 

 

 

beant (6)
引手が欠損していますのでファスナーの開閉もできません。

旧タイプですのでビニールコイルのファスナーが使用されていますが、
金属エレメントのファスナーで交換します。

 

 

 

 

 

beant (7)
小銭入れの中は擦れた部分に汚れが染み込んでいます。

 

 

 

 

 

 

beant (8)
折り曲げ部は傷みやすい部分です。

ステッチが擦り切れて縫製されなくなると口が空きポケットなども剥がれます。
こうなると使用は困難でご自身で素人修理したくなります。

 

 

 

 

beant (11)
素人修理で瞬間接着剤を数箇所に使用されているようです。

 

 

 

 

 

beant (12)
このブログでも瞬間接着剤の使用例は何度も掲載していますが、
革が硬化してしまい縫製が不可能になることも・・・・

 

 

 

 

 

beant (9)
H金具やベロ革を取り外しバラバラに解体。

 

 

 

 

 

beant (10)
小銭入れのファスナーも解体してベロ革は芯材を取り外しています。

各部に強化加工を施しながら組み立て直します。

 

 

 

 

 

beant (13)
丈夫な芯材に入れ替えたベロ革と綺麗になった小銭入れの内側です。

 

 

 

 

beant (14)
折り曲げ部も強化芯材を入れて縫製完了!
瞬間接着剤の黒いシミもなくなりました。

 

 

 

 

 

beant (15)
ベロ革付け根ループも取り付け完了です。
ベロ革の外周コバも仕上げ直してスッキリしました。

 

 

 

 

 

beant (16)
腐食が進行していたH金具も綺麗になっています。

 

 

 

 

 

beant (17)
縫製糸の色抜けが各部に見られましたので、すべて縫い直しています。

 

 

 

 

 

beant (19)
ご親戚から譲り受けられた財布で瞬間接着剤のご使用だけは残念でしたが、
リニューアルリペア加工で新品時より丈夫に仕上がっています。

長く愛用いただける状態に復活しましたので大切に長くご使用ください。

 

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エルメス ドゴンのリニューアルリペア加工

dogon (1)
HERMES DOGONです。
全体的に損傷が見られますのでリニューアルリペア加工します。

 

 

 

 

 

dogon (2)
ベロ革は無残な状態です。

 

 

 

 

 

dogon (3)
外周から内部材のマチが飛び出して型くずれしています。

 

 

 

 

 

dogon (4)
内側の状態です。
カブセ裏の汚れシミが目立ちますが本体も全体的に薄汚れています。

 

 

 

 

 

dogon (5)
両側のマチは変形して外周より飛び出た状態です。

 

 

 

 

 

dogon (6)

 

 

 

 

 

dogon (7)
付属のコインケースと比較すると色あせや変色具合が鮮明です。

 

 

 

 

 

dogon (8)
解体して各部に強化加工を施します。
金具を取り外した部分が本来の色ですから内側の汚れ具合がハッキリしました。

 

 

 

 

 

dogon (9)
変形したマチの内張りを剥がしているところです。
とても薄い革を接着していますので破らないように剥がすのは難しい作業です。

 

 

 

 

 

dogon (10)
ポケット部も同様に。。。。

強化芯材を入れ込んで組み立てますので新品時より丈夫になります。

 

 

 

 

 

dogon (11)
糸が擦り切れていた両側の折り曲げ部も内張りを剥がして強化します。

内側に挟み込まれた黒い芯材はボックスカーフの本革です。
内張りや外面の革は、とても薄い革であることがわかります。

 

 

 

 

 

dogon (12)
リニューアルリペア加工の完了です。

両側のマチの飛び出し変形も補正され小銭入れと比べても違和感なく、
綺麗になりました。

 

 

 

 

dogon (14)
小銭で汚れていたコインケースの中も綺麗です。

 

 

 

 

 

dogon (13)
傷みやすいベロ革は表皮と芯材を新品作成して丈夫に仕上げています。

 

 

 

 

 

dogon (15)
各パーツのコバ仕上げ直しも完了してエルメスらしさの復活です。

 

 

 

 

 

dogon (17)
とても高価ですが高品質で良い財布です。
しかし、汚れ・擦り切れ・変形・ホツレ・色あせなどフルコースの損傷があると、
誰もが羨むエルメスとは呼べない状態のなってしまい残念です。

良い状態を保ちながらエルメスらしさキープして活用ください。

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ルイヴィトンガマ口財布のリニューアルリペア加工

lv gama (1)
ルイヴィトンのガマ口財布ですがヴィトンらしさを感じないほどボロボロです。

 

 

 

 

lv gama (2)
ボロボロです。

 

 

 

 

lv gama (3)
内側の部材とサイズが合わないほど変形しています。

 

 

 

 

lv gama (4)
折り曲げ部だけでなく角部にまで亀裂が見られます。

 

 

 

 

lv gama (5)
反対側の角も同様に。。。。

 

 

 

 

lv gama (6)
ベロ革もコバの塗料が剥がれて芯材もふやけた様に見えます。

表面よりコバ面は汚れや水分を吸い込みやすく、
コバ仕上げの塗料が剥がれると傷みが早くなります。

 

 

 

 

 

lv gama (7)
ベロ革も亀裂だらけで口金のツマミはメッキが剥がれています。

 

 

 

 

lv gama (8)
外面のモノグラム地が縮んで変形していますので張り合わされた革は波打っています。
擦れ傷も多数ありますので全体的な加工が必要です。

 

 

 

 

lv gama (9)
全体的に重症ですので合成皮革の内張り劣化は当然の症状です。

 

 

 

 

 

lv gama (10)
解体して合成皮革を取り除きました。

 

 

 

 

lv gama (11)
内部材も折り曲げ部は擦り切れて穴があいていました。
モノグラム地が縮んで内部材が外周より大きいので擦れ易いのでしょう。

 

 

 

 

lv gama (12)
この辺りも擦り切れて欠損しています。

今回は全体に復元強化加工を施し組み立て直します。

 

 

 

 

lv gama (13)
口金金具は再メッキ加工でゴールド金具の復活です。

 

 

 

 

lv gama (14)
ベロ革も復活!

 

 

 

 

lv gama (15)
内部材もスッキリ!

 

 

 

 

lv gama (16)
コバ仕上げもスッキリです。

 

 

 

 

lv gama (17)
各部に強化加工も施して合成皮革の内張りは本革仕様!
丈夫に仕上がっていますので長く愛用いただけます。

大切にご使用下さい。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

 

(お手紙紹介です)

本日、修理品のお財布を受け取りました。
「ヴィトンらしさを感じないほどボロボロ」だった私のお財布が、新品同様に生まれ変わり、
ヴィトンらしさを取り戻していて、感激しました。

ブログの写真で修理の過程を確認させていただいたことで、より信頼感が増しました。
丁寧なお仕事に頭が下がります。

せっかく綺麗に仕上げていただいたお財布なので、大事に使って長く愛用したいと思います。
本当にありがとうございました。

 

青森県 I 様

安心して長くご使用いただける状態に復活させていますが、
どのような加工を施すよりも大切に使用することが、
財布を長持ちさせる最善策です。

また、重症化する前にメンテナンスを繰り返すことも、
良い状態を保ち続けるには有効です。
大切にご使用下さい。

ダミエ二つ折財布のリニューアルリペア

lv damier (1)
ルイヴィトンダミエの二つ折財布です。

丁寧に使用されている様子ですが・・・・

 

 

 

 

lv damier (2)
折り曲げ部は糸がほつれてダミエ地が欠損しています。

 

 

 

 

lv damier (3)
表面のダミエ地だけでも困難な修復ですが内側の革も欠損しています。

糸が擦り切れた時点ですぐに縫い直せば悪化しないのですが、
縫い直す部分が欠損してしまうと縫いなおす箇所が無くなっていますので、
修理不可能と判断されるケースが多いです。

 

 

 

 

 

lv damier (4)
内張りの合成皮革も劣化が進行しています。

 

 

 

 

lv damier (5)
今回は全ての合成皮革を本革で張替え、両側の折り曲げ部を復元強化加工します。

 

 

 

 

lv damier (6)
内張りを本革に交換して組み立て完了です。

 

 

 

 

 

 

lv damier (7)
折り曲げ部の復元強化加工も完了です。

 

 

 

 

lv damier (8)
反対側の折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

lv damier (9)
丁寧に愛用されている品ですが毎日のように使用する財布は損傷が発生します。

重症化すれば修理不可能と判断されることも多くなり元に戻る可能性は低くなります。
早め早めのメンテナンスは良い状態を保てますし加工価格も安上がりです。

内側の状態を見ても正しく使用できる方なので、
良い状態を保ちながら長く愛用してください。

 

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OLD CHANELのリニューアルリペア加工

old chanel (1)
古いシャネルのマトラッセ ショルダーバッグです。
残念すぎるくらいの、くたびれモードです。

 

 

 

 

old chanel (2)
カブセと後面に同様のポケットがあるデザインです。

全体に色あせやシミ汚れがあり擦れ傷や破れも見られる重症患者です。

 

 

 

 

old chanel (3)
ポケットのサイドは破れて避けていますし外周は革が擦り切れています。

 

 

 

 

old chanel (4)
症状が酷いところに目がいきますが革全体が擦れて色あせしています。

 

 

 

 

old chanel (5)
こちら側のポケットも破れています。

 

 

 

 

old chanel (6)
底角も擦り切れています。

 

 

 

 

old chanel (7)
ピンボケですが天部のシャネルマークもスレスレで、
表皮が剥がれて革の繊維が露出した部分も見られます。

 

 

 

 

old chanel (8)
このシミ汚れはなんでしょう?

綺麗に見えますがポケットの天部もスレスレ状態です。

 

 

 

 

old chanel (9)
チェーンショルダーはメッキが剥がれ中革もボロボロです。

もう少し早めの・・・・いや、もっともっと早めのメンテナンスが最善でしたが、
これほど傷んでしまうほど頻繁に愛用してきたお気に入りのバッグということですね!

 

 

 

 

old chanel (10)
底面は折れ込みタイプですが丈夫にしたいとのことですので、
バッグがテーブルの上で自立するように強化しようと思います。

 

 

 

 

old chanel (11)
各部に損傷があり古い品ですがとても良い素材で丁寧に作成されています。

比較的、綺麗な状態の内側ですが・・・・

 

 

 

 

old chanel (12)
綺麗に見えてカブセの内側も外周は限界を迎えています。

 

 

 

 

old chanel (13)
ショルダーのメッキ加工やポケットの破れなど外観のリニューアルリペアの予定が、
バラバラに解体です。

古き良き時代のシャネルですので複数の芯材を適材適所に使用しています。
芯材だけでもかなりの数ですね~

 

 

 

 

old chanel (14)
古い品ですので紙の芯材はパキパキのボロボロです。

 

 

 

 

old chanel (15)
ボロボロの芯材をすべて取り外しました!

・・・・ということは芯材を全部交換します。

 

 

 

 

old chanel (16)
マグネット金具を裏側から見たところですが、
芯材が破れて表の革だけでマグネットを固定している状態です。

 

 

 

 

 

old chanel (17)
これから、再メッキ加工で蘇ります。

 

 

 

 

old chanel (18)
ショルダーを取り付けるマチ天部のアイレット金具も青錆が出ています。

 

 

 

 

old chanel (19)
外周やポケット天部のテーピング革を取り除きました。
少し厚みのある丈夫な革に交換します。

 

 

 

 

old chanel (20)
周囲のテーピング革を取り外したポケットは負担が掛かる部分に強化芯材を入れ、
安心して使用できるように強化したあと新しいテーピング革を取り付けます。

 

 

 

 

old chanel (21)
金具類は全てピカピカ。

シミや色あせもなくなりポケットの破れも復元強化加工で丈夫になりました。
バッグもしっかりと自立しています。

 

 

 

 

old chanel (22)
本金メッキされたショルダーはゴージャスで美しい。

 

 

 

 

old chanel (23)
外周の擦れや繊維が露出して毛羽立ったところもなくなりました。

 

 

 

 

old chanel (24)
何度も戦意喪失しながらの加工でしたが気持ちよくご使用いただけます。

上部にこの画像と同じアングルで撮影した画像がありますが、
比較していただくと芯材を交換していますのでシャキッとした感が伝わるはずです。

 

 

 

 

old chanel (25)
新しいマグネット金具は表面の革だけでなく芯材にしっかりと固定されています。

 

 

 

 

old chanel (26)
品質も良いですがデザインも面白いマトラッセです。
大切に使用しながら良い状態をキープして長く愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

 

(お手紙紹介です)

バッグと財布受け取りました。
とても綺麗になっており感激です!
しまい込まず、早速今日からお出かけに連れてきました。
また長く愛用できそうです本当にありがとうございました。

岐阜県 T 様

予定外の大工事になりましたがシャネルらしさが蘇り、
安心して長く愛用していただける状態に復活しました。
大切に長く愛用ください。