HERMESケリーバッグの金具のメッキ加工

kelly bag (1)
大きな損傷もなく良好な状態のHERMESケリーバッグです。

 

 

 

 

 

kelly bag (2)
シルバー色のつや消し加工された金具類が使用されていますが、
ピカッとツヤのある金具に仕上げたいとご依頼を頂きました。

「ロック金具や手管金具などすべての金具を取り外して加工したあと付け直す。」
言葉にすれば簡単ですが取り外すだけでも不可能な修理店が多いのでは?

 

 

 

 

 

kelly bag (3)
この手管金具を取り外すためには持ち手の解体と付け根革の解体が必要です。
それだけではなく、付け根革の解体には本体のカブセを解体して鉄芯を・・・・

後半に続く・・・・

 

 

 

 

kelly bag (4)
ショルダーベルトのナスカン金具も取り外さなくては・・・・

 

 

 

 

 

kelly bag (5)
変色しているパーツやアンテナ部に深い傷も見られるロック金具ですが、
解体しなければ加工することができません。

 

 

 

 

 

kelly bag (6)
解体だけでも悪戦苦闘の分解完了です。

 

 

 

 

 

kelly bag (7)
金具で隠れていた部分です。
優雅なケリーバッグからは想像できない状態でしょ!

 

 

 

 

kelly bag (8)
持ち手の付け根革を取り外した部分には丸い金具が出てきました。
カブセを解体すればわかりますが鉄芯を固定しているカシメ金具です。

当然、カシメ金具を取り除き鉄芯も取り外さなければ付け根革の縫製はできません。
小さな手管金具を脱着するだけでも多くの加工を必要とします。

 

 

 

 

 

kelly bag (9)
金具を取り外したカブセ裏ですが緑色の汚れが付着しています。

 

 

 

 

 

kelly bag (10)
取り外した金具の裏側は青錆が発生していました。
ある意味、最善のタイミングでの金具加工だったかも?

 

 

 

 

 

kelly bag (11)
つや消し仕上げされた金具は傷が目立たないメリットがありますが、
今回はご依頼通りピカッと鏡面仕上げに加工します。

 

 

 

 

 

kelly bag (12)
取り外したすべての金具をピカピカに仕上げました。
これらの金具を元通りに組み付けて金具のピカピカ加工の完了です。
これからの組立の方が数倍苦労しますが・・・・

画像を見てアンテナ管を解体してることに気がつかれた修理屋さんはいますか?
最近の金具ですのでアンテナの付け根に白い樹脂が埋め込まれていて、
土台金具とアンテナの摩耗を軽減しているHERMESらしい金具構造ですねぇ~。
 

 

kelly bag (13)
つや消しもいいけどピカッとしてる方がHERMESらしいかな?

サビや傷をガードするためにクリヤーコーティングを施していますが、
鏡面仕上げは傷が目立ちやすいので要注意です。

 

 

 

 

kelly bag (14)
付け根革を縫い直したあとカブセの中の鉄心をカシメ金具で固定しています。
カブセの内側に何枚も本革の芯材が見られるのはエルメスの上級モデルならでは。

 

 

 

 

 

kelly bag (15)
付け根革と持ち手を組み立て直しカブセを縫製して小さな金具の加工完了。

 

 

 

 

 

kelly bag (16)
凛とした佇まいは他のバッグでは醸し出せない雰囲気です。
バーキンをカジュアルに使用する方は多いですが、
ケリーバッグを使用するときは、どんな女性も背筋が伸びるのではないでしょうか?

息を止めて加工する場面の連続でしたがピカピカ金具に変身しました。
大切に長くご愛用ください。

 

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エルメス オータクロアのクリーニング加工

hermes haut a courroies (1)
エルメスのオータクロアですが油性マジックの汚れが後面に大きく見られます。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (2)
汚れを取り除こうとしたのでしょうか?
油性マジックの汚れが各部に色移りしています。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (3)
この辺りも同様に。。。。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (4)
持ち手は通常の使い傷みですが塗料が擦れて剥がれた部分に手垢が染み込んでいます。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (5)
底角など擦れ易い部分の損傷は避けようがありません。

マジックインキの汚れが目立ちますが底角や持ち手の状態から、
全体的に汚れや色あせがあることがご理解いただけると思います。

 

 

 

 

 

 

hermes haut a courroies (8)
後面の右半分に大きく書かれたマジックインキの汚れを取り除きましたが、
革の色まで抜け落ちるほど深く染み込んだ汚れでした。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (9)
バーキンと見間違うサイズですが金具の形状からオータクロアだとわかります。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (10)
全体のクリーニング加工の完了です。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (11)
底面などにもインク汚れは点在していましたが、底角補修も含めて綺麗に復活!

 

 

 

 

hermes haut a courroies (12)
長年の使用で手垢や手の脂分が染み込んだ持ち手も綺麗になりました。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (13)
大きな油性マジックインキの汚れがあった後面も復活です。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (14)
マジックインキやボールペン汚れなど革に染み込んだ汚れを取り除かずに、
塗装だけで汚れを隠す修理業者が多いです。

使用しているうちに塗料が剥がれると汚れが出てきますし、
インク汚れだと時間経過で塗料の下から染み出してくることも・・・・

汚れを取り除かずに塗装するだけなら楽ですが・・・・誤魔化し加工です。

 

 

 

 

hermes haut a courroies (15)
バッグや財布の損傷や汚れは使用している本人の責任が大きいです。
ご自身の使い方や取り扱いを棚に上げて、良い状態を保ち続けるのは不可能です。

問題なく使用できる状態に復活していますので大切にご愛用ください。

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エルメス小銭入れのリニューアルリペア加工

hermes coin case (1)
HERMESですが素人修理した形跡のあるボロボロの小銭入れです。

 

 

 

 

hermes coin case (2)
それだけでなく裏側全面に油性マジックインキで書かれた汚れが見られます。

 

 

 

 

hermes coin case (3)
今回はリニューアルリペアを施しますので解体からスタートです。
油性マジックの汚れは革の色が抜けるほどの加工が必要でした。

 

 

 

 

hermes coin case (4)
古い品ですので表皮の傷みも激しくファスナーも色あせています。
素人修理で縫い直されていた部分は正確に縫い直すのが困難です。

 

 

 

 

hermes coin case (5)
負担が掛かる部分は張り合わされた薄い革を破らないように剥がし強化芯を入れます。

 

 

 

 

hermes coin case (6)
本体も同様に内張りを剥がして芯材を入れ強化したあと組み立て直します。

 

 

 

 

 

hermes coin case (7)
各パーツに強化加工やクリーニングや補修補色加工を施して組み立て直しました。

 

 

 

 

 

hermes coin case (8)
こちら側は油性マジックの汚れが全体にあった部分ですが綺麗に復活です。

酷い素人修理が施されマジック汚れも全面に見受けられましたが、
丁寧に使用されてきたとは思えない長年の使い傷みが最大の損傷でした。

各部に強化加工を施し丈夫に仕上げていますが、
古い品ですし一度はボロボロになった小銭入れですので、
今後は大切にご使用になることをお勧めします。

 

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エルメスの首輪(dog-collar)の修理

dog collar (1)
エルメスの首輪(dog-collar)です。

 

 

 

 

 

dog collar (2)
全体的に糸が擦り切れた状態です。

 

 

 

 

dog collar (3)
センターの飾り金具の下まで縫製糸の擦り切れが見られます。
金具の脱着再生加工の技術がなければホツレも直せない特殊な品ですね。

 

 

 

 

dog collar (4)
この辺りはステッチは少し残っていますが革の状態が・・・・

 

 

 

 

dog collar (5)
高価な首輪だから大切にして欲しいと願うのは飼い主だけの願望です。
このままでは長くはもたない状態ですので全体の縫い直しとコバ仕上げのみ施します。

芯材交換する強化加工や美観を整える補修補色加工は施しませんが、
使用する本人は犬ですから丁寧に使用していただけるはずもなく、
今回は最低限の加工をお勧めいたしました。

 

 

 

 

 

dog collar (6)
とは言え・・・

しっかりと縫い直すには金具類の脱着が必要ですので、
縫い直し出来ない修理店の方が多いはずです。

革と芯材の接着も剥がれていますので貼り直し作業も必要です。

 

 

 

 

dog collar (7)
バックル付け根部も芯材と革の接着が剥がれています。
しっかりと貼り直したあと縫製します。

たかがホツレ直しでそこまでするの?・・・と作業してる本人が思っています。

 

 

 

 

dog collar (8)
全体の縫い直しとコバ仕上げの完了です。

 

 

 

 

dog collar (9)
金具類も元通りです。

 

 

 

 

dog collar (10)
金具を取らないと縫い直せない裏側もホツレはなくなりました。

 

 

 

 

dog collar (11)
ステッチとコバ面がスッキリするだけでもエルメスらしさが復活しました。

どんなに頑丈に強化しても出来る限り美観を整えても、
ガブガブされると一瞬でボロボロになってしまいます。

今回はステッチとコバの加工に留めておくのが最良の選択だったと思います。

 

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エルメス ベアン長財布のリニューアルリペア加工

hermes old beant (1)
エルメスのベアンですが有名人のサインが大きく書かれています。

サインした人の事もありますのでサインの全体像は掲載できませんが、
取り除くとなると汚れでしかありません。
油性マジックインキで故意に書かれて数年経過していますので、
インクが革に染み込んで汚れと考えると最悪な状態です。

 

 

 

 

hermes old beant (2)
外面は手垢汚れや色あせや擦れ傷もあり、サインがなくても重症です。

 

 

 

 

hermes old beant (3)
ベロ革は糸がすり切れ付け根のループも切れる寸前です。
本体は元の色がわからないほど汚れていてエルメスとは呼べない状態ですねぇ~

 

 

 

 

hermes old beant (4)
折り曲げ部は素人加工で縫い直しされています。
縫い穴が広がったり増えたりしてサイン汚れ同様、人為的な損傷は修復が困難です。

今回は全体を解体してリニューアルリペアで各部を強化し組み立て直します。

 

 

 

 

 

hermes old beant (5)
いつものように解体からスタート。

 

 

 

 

hermes old beant (6)
革の色が抜けるほどの加工を施してもサイン汚れは完全に取れません。
ボールペンやマジックの汚れの難易度が理解いただけると思います。

 

 

 

 

hermes old beant (7)
ベロ革を縫い付けていた部分が本来の色のようです。
汚れや擦れの状態の酷さがわかります。

 

 

 

 

hermes old beant (8)
内部材と比べても同じ革には見えません。

 

 

 

 

hermes old beant (9)
各ポケットは0.2ミリ程度しかない薄い革の内張りを破らないように剥がします。
この工程が簡単でリスクがなければ、どこの修理屋でも同じ加工が可能なはずです・・・

 

 

 

 

hermes old beant (10)
危険を承知で内張りを剥がすのは強化芯材を入れ強化するためです。

各部を強化しながら美観も整えて組み立て直す、
究極の修理が「リニューアルリペア加工」です。

 

 

 

 

hermes old beant (11)
サイン汚れも消えリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

hermes old beant (12)
小銭入れの中までピカピカ。

 

 

 

 

hermes old beant (13)
ベロ革も芯材交換でスッキリ!
切れかけていたループ革も復元強化加工で安心です。

 

 

 

 

hermes old beant (14)
他人なら触るのも戸惑うほどの状態でエルメスとは呼べない状態でしたが、
見た目も整い各部も強化されて丈夫になって復活しています。

お気に入りの財布は使用頻度が高く、日増しに損傷が増えてしまいます。
しかし、使い慣れた財布は手放せなくてメンテナンスが遅れてしまいがちです。

全体の補修補色加工・コバの仕上げ直し・各部の強化加工・全体の縫い直しなど、
出来る限りの加工を施すリニューアルリペア加工ですが、
状態が悪化してから施すよりも早めの加工が最善で良い状態を保てます。

どんな修理でも早めにメンテナンスすることが大切です。

 

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エルメス小物類のクリーニング加工

hermes cleaning (4)
HERMESの小物たちですが、全ての品に大きくサインが入っていました。
当然、油性のマジックインキで書かれたサインは時間経過もあり、
革の繊維まで染み込んでいますので革色まで抜き取るように取り除いています。

 

 

 

 

hermes cleaning (2)
ペンケースにはボールペン汚れも数箇所に見られます。

 

 

 

 

hermes cleaning (3)
こちらも、同様に。。。。
常識的には僅かなボールペン汚れだけでも革クリーニングは困難です。

 

 

 

 

hermes cleaning (4)
油性マジックのサインを取り除くと革を染めた色まで抜き取る位の加工が必要です。

大きなサインが書かれた状態では使用するのが困難ですが、
色が抜けた状態でも使用はできませんので、
それぞれの素材や色に合わせて染め直します。

 

 

 

 

hermes cleaning (5)
大きなサインと同時に汚れや擦れ傷も綺麗になりました。

当社では汚れなど(今回はサインが主)を取り除き下地を整えて染め直し加工ていますが、
下処理加工は省略して汚れの上から塗料を塗り、汚れを見えなくするだけの修理店が多いです。
一時的には綺麗に見えますが薄い塗膜の下には汚れが全て残っていますので・・・。

 

 

 

 

hermes cleaning (6)
サインだけでなくボールペン汚れが多数あったペンケースですが、
角部の擦れ傷も含めて綺麗に復活しています。

一枚目の画像にあるオータクロアやベアンの加工は、後日紹介する予定ですが、
加工箇所であるサインを撮影できないので掲載は難しいかなぁ~

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