財布の強化


2001年8月にフランスの工房で作成されたルイヴィトンの二つ折り財布です。

 

 

 

 

 


製造から15年以上が経過した財布ですが損傷が酷く重症です。

 

 

 

 

 


折り曲げ部は擦り切れてボロボロで縫い直すことも不可能です。

コバ塗料が剥がれて糸が擦り切れた時点でメンテンスしておくのが最善でしたが、
口が開いても使い続けるとモノグラム地に亀裂が入り欠損してしまいます。

このような状態まで放置して使い続けると元に戻ることはありませんし、
修理不可能と判断されてしまい手遅れになります。

 

 

 

 

 

 


反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 


モノグラム地が劣化して大きく縮んでいますので内部材と寸法が合わず、
内部材クネクネと曲がっています。

 

 

 

 

 


上側の折り曲げ部も同様に。。。。

外面の縮んだモノグラム地よりも内部材の革が大きな状態になり、
革が余ってシワになっています。

 

 

 

 

 


内部材も革の劣化や汚れや擦れなどで重傷です。

 

 

 

 

 

 


全体的に状態が悪く残念な財布ですがリニューアルリペア加工で丈夫にします。

 

 

 

 

 


バラバラに解体して汚れを取り除いたところです。
各部を強化しながら合成皮革素材の内張りは本革で張替交換します。

 

 

 

 

 


内部材の折り曲げ部も擦り切れて破れています。

 

 

 

 

 


マチ部材も本体との縫い合わせ部に亀裂が。。。
強化芯材を挟み込んで組み立て直します。

 

 

 

 


こちらのマチ部材も同様に。。。。

 

 

 

 

 


表皮が擦れて革の繊維が露出して毛羽立った部分は補修してから補色します。

 

 

 

 

 


リニューアルリペア加工の完了です。

小銭入れのカブセ外周や底角なども擦り切れていましたが、
内側に強化芯材を入れ込んで丈夫にしたあと補色しています。

 

 

 

 


マチ部材も強化されて小銭入れの中も綺麗になりました。

 

 

 

 

 


カードポケットもスッキリ。

 

 

 

 

 

 


合成皮革の内張りは本革になり贅沢仕様です。

 

 

 

 

 


内部材の折り曲げ部もモノグラム地も縫製できる状態になり、
コバ面も仕上げ直しています。

 

 

 

 


こちらのコバ面も同様に。。。。

 

 

 

 

 


基本的に修理不可能な状態まで酷使された財布でしたので、
安心して使用いただくために頑丈に強化しながら組み立て直しています。

劣化したモノグラム地や内部材の耐久性を高めるために強化加工を施していますので、   使い込んで馴染んでくるまでは固く感じますが、
使い込みながら少しずつ馴染ませて大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)

本日、届きました。
想像以上の出来に大変満足しています。
また、おまけの〇〇〇〇の〇〇〇〇〇もありがとうございましたm(._.)m
今の財布を、10年、20年と大事に使っていこうと思っているので
メンテナンスが必要になった時には、また、よろしくお願いします。

千葉県 T 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
丈夫に仕上げていますので丁寧に活用すれば長く愛用いただけます。
大切に長くご愛用ください。

ルイヴィトン サンクルーのリニューアルリペア加工

saint cloud (1)
古いルイヴィトンのサンクルーです。

高品質な素材で丁寧に作りこまれた超頑丈なバッグですが、
バッグの天部は一直線ではなく湾曲変形して、ヌメ革パーツも限界です。

 

 

 

 

 

saint cloud (2)
金具やヌメ革の変色だけに見えますがヌメ革は柔軟性がなく硬化しています。

 

 

 

 

 

saint cloud (3)
ショルダーベルトも同様でシミ汚れも各部に見られます。

 

 

 

 

 

saint cloud (4)
本体のモノグラム地の縫い合わせ部はコバの塗料が剥がれて、
芯材や内部材などの接着も剥がれています。

 

 

 

 

 

saint cloud (5)
後面にあるポケットの内側は合成皮革がベタ付き劣化しています。
劣化からの放置期間が長かったようでモノグラム地への色移りも重症です。

 

 

 

 

 

saint cloud (6)
内ポケットの中も同様に。。。。

 

 

 

 

 

saint cloud (7)
マチの天部をカブセの内側に折り込む構造が特徴的です。

折れ曲がるカブセの天部を補強する役割も果たしているのですが、
開閉の度に内側に折りたたむので負担が掛かる部分でもあります。

 

 

 

 

saint cloud (8)
両マチとも表面に亀裂が見られますので悪化しないように強化加工が必要です。

古いサンクルーにはよく見られ避けられない損傷ですので、
最終的に折り込まれるマチ部分をカットして本体正面と高さを合わせることも。

 

 

 

 

 

saint cloud (9)
傷や汚れは見られますが内部材も高品質な革が使用されていたころの品です。

 

 

 

 

 

saint cloud (10)
天部が湾曲変形していたカブセの内側はボコボコと歪が見られます。

高品質時代に作成されたバッグの中でもサンクルーは特に頑丈で良い品です。
今回は全体を解体してリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 

 

saint cloud (11)
まずは、後ポケットを取り外してみました。

二度とベタ付き劣化しないように本革で作成する予定ですが、
モノグラム地への色移りは時間の経過が長くどこまで改善するか不安です。

合成皮革の劣化は自然に改善することはありませんので、
余計な部分に損傷が拡大する前に対策されるのが最善策です。

 

 

 

 

 

saint cloud (12)
革部材も取り外し本体も解体しました。

 

 

 

 

 

saint cloud (13)
サンクルーの内張りを剥がすとモノグラム地全体に芯材が張り合わせてあります。

 

 

 

 

 

saint cloud (14)
折り込まれるマチの天部も解体してみると、
マチ部材も全体的に芯材が張り合わせてありました。

その他にも手間を惜しまない加工が各部に見られる良い品です。
このようなバッグが本来のルイヴィトン製品でブランド品の頂点を極めた所以です。

 

 

 

 

saint cloud (15)
サビサビで変色した金具を半分だけ磨きこんでみました。

 

 

 

 

saint cloud (16)
手間と時間の掛かる作業ですが金具がピカピカになると気持ちいいです。

 

 

 

 

 

saint cloud (17)
カブセ内側のボコボコ変形や汚れも綺麗になりリニューアルリペアの完了です。

 

 

 

 

 

saint cloud (18)
ヌメ革パーツは強化しながら新品作成して本体側の取り付け部も強化しています。

 

 

 

 

 

saint cloud (19)
各部に強化加工を施したことでカブセ天部の湾曲が一直線になりスッキリです。

 

 

 

 

 

saint cloud (20)
合成皮革の内張りは本革で作成しています。
できる限り色移り汚れを取り除きましたので問題なく活用いただけます。

 

 

 

 

 

saint cloud (21)
ヌメ革パーツは新品になり金具も綺麗になりましたが、
一番重要なことは各部の強化加工により耐久性が向上していることです。

各パーツが綺麗になっても変形すれば残念な状態に見えてしまいます。
負担を掛けない保管と丁寧な取り扱いで大切に長くご使用ください。

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ジッピー財布の修理

gucci-zippy-1
グッチのジッピーウォレットです。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-2
外面全体に擦れや汚れが見られます。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-3
外周も同様に。。。。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-4
同様に。。。。

 

 

 

 

gucci-zippy-5
傷みやすい折り曲げ部は革が擦り切れて穴が空いています。

 

 

 

 

 

 

gucci-zippy-7
引手革は芯材が露出して色も剥がれています。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-8
容量があり便利そうな内部材です。

 

 

 

 

gucci-zippy-9
内部材も仕切りの天部が擦り切れてボロボロ。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-10
黒い汚れも広範囲に見られます。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-11
小銭入れの内張りの布地も擦り切れて穴が空いています。
外面も内部材にも損傷が見られますのでリニューアルリペア加工で復活させます。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-13
バラバラ。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-12
擦り切れて穴が空いた折り曲げ部は内側から強化加工を施します。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-14
擦り切れた折り曲げ部や引手革は復元強化加工で復活。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-15
仕切りは新品作成してカードポケットの汚れも改善。
小銭入れの擦り切れた内張りも作成交換しています。

 

 

 

 

 

gucci-zippy-16
キズや汚れが全体に見られた財布ですが、
リニューアルリペア加工で気持ちよくご愛用いただける状態に改善しました。

高品質時代の良い財布ですので大切に長くご愛用ください。

 

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ホワイトハウス財布修理

white-house-cox-1
ホワイトハウスコックスの二つ折り財布です。

変形・擦れ・ヤブレ・劣化・硬化・色落ち・ひび割れ・汚れなどフルコースで、
損傷が見られます。

 

 

 

 

 

white-house-cox-2
劣化した革は柔軟性がなくひび割れが見られます。

素材自体が変質して革としての機能を発揮しない状態ですので、
傷みが激しい部分は作成交換が必要です。

 

 

 

 

 

white-house-cox-3
折り曲げ部は擦り切れて無くなり、大きな穴も空いた部分があります。

 

 

 

 

 

white-house-cox-4
同様に。。。。

 

 

 

 

 

white-house-cox-5
反対側の折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

white-house-cox-6
ここまで悪化すると素材が変質していますので、
見た目を改善させても長くは愛用いただけません。

ここまで残念な状態の財布は多くありませんが、
革製品は早めのメンテナンスを施さなければ良い状態を保つのは困難です。
 

 

white-house-cox-7
内部材も重傷です。

 

 

 

 

 

white-house-cox-8
小銭入れの内張りは革が無くなるほど酷使されています。

 

 

 

 

 

white-house-cox-9
バラバラに解体して素材を見極めて長く愛用いただけるように組み立て直します。

 

 

 

 

 

white-house-cox-10
多くのパーツを諦めるしかありませんでしたが、
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

white-house-cox-11
新しい素材で復活です。

 

 

 

 

 

white-house-cox-12
内部材も復活。

 

 

 

 

 

white-house-cox-13
薄らと残るロゴマーク刻印部は交換せずに仕上げています。

 

 

 

 

 

white-house-cox-14
各部に強化芯材を入れ込みながら内張りも張替交換して組み立て直しています。

天然素材の皮革製品はメンテナンスしながら丁寧に使用することで、
良い状態を保ちやすくなり長く愛用することができます。

大切に長くご愛用ください。

 

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ダミエ財布の修理

damier-n60017-1
ルイヴィトン ダミエ長財布です。

 

 

 

 

 

damier-n60017-2
折り曲げ部が欠損しています。

傷みやすい折り曲げ部ですが、ここまで悪化させると基本的には手遅れで、
直営店でも縫い直す事すらできないと断られてしまいます。

 

 

 

 

damier-n60017-3
反対側も同様に。。。。

購入時に見極めることは難しいのですが、
ダミエの裏地に赤い布を張り合わせたモデルがあります。

外周のコバ塗料が剥がれてくると周囲に赤い色が目立ってしまいますし、
この財布のようにダミエ地が切れて欠損してしまうと残念すぎる状態になります。

 

 

 

 

 

damier-n60017-4
内側の様子から乱雑に使用されていた印象はありません。
丁寧に使用できる方だけに、もっと早い段階でメンテナンスしていればと・・・・

 

 

 

 

damier-n60017-5
小さな擦れが数か所に見られますので補修補色加工します。

 

 

 

 

 

damier-n60017-6
折り曲げ部は内部材の革も欠損していてミシン目がありません。

 

 

 

 

damier-n60017-7
内部材のダブつき変形も見られます。

 

 

 

 

damier-n60017-8
反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

damier-n60017-9
ポケットの中も大きなダブつき変形が見られます。

使い方の問題ではなく外面のダミエ地が縮んでしまったことが原因で、
内部材が余ってしまい大きなシワになっています。
お札の出し入れでも引っかかりますので修正が必要です。

 

 

 

 

 

damier-n60017-10
小銭入れの内張りは合成皮革素材が劣化しています。
2007年5月に製造された品ですので使い方の問題よりも経年劣化と判断できます。

 

 

 

 

 

damier-n60017-11
バラバラに解体。

合成皮革部は本革で作成交換して縫製すらできない折り曲げ部は、
復元強化加工で復活させながら丈夫に組み立て直します。

 

 

 

 

damier-n60017-12
欠損していた折り曲げ部を復元強化加工で縫製できる状態に復活。

 

 

 

 

 

damier-n60017-13
こちら側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

damier-n60017-14
欠損していた内部材も復活してダブつき変形もスッキリさせました。

 

 

 

 

damier-n60017-15
コバ面も仕上げ直して赤い色が見えなくなっています。

 

 

 

 

damier-n60017-16
擦れ傷も目立たなくなっています。

 

 

 

 

 

damier-n60017-17
こちら側のカードポケットも同様に。。。。

 

 

 

 

 

damier-n60017-18
2007年以降の品ですので不安があるダミエ地全体に強化加工を施して、
これ以上縮んでしまわないように頑丈に組み立てています。

しばらくは固さを感じると思いますが合成皮革部は本革仕様になり、
各部の強化で長く愛用いただける状態ですので、
使い込みながら少しづつ馴染ませながら大切に長くご愛用ください。

 

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グッチのキーケース

gucci-key-case-1
損傷が激しいグッチのジッピーキーケースです。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-2
内側はカードポケットもあり便利に使えるキーケースです。

15年使用された品ですので全体に損傷が見られますので、
リニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 

 

 

gucci-key-case-3
革が劣化していて張り付いています。
しかし、剥がさなければ解体できませんので・・・・・

 

 

 

 

gucci-key-case-4
今回は使い込んだ傷など見た目の改善よりも構造的な部分を改善させる方向で、
加工のご依頼をいただいていますが、この辺りは改善させる必要がありです。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-5
ホルダー金具には歪みが見られます。

フック金具が抜け落ちる度にご自身で修正されてたのでしょうか?
摩耗が激しく金具交換が必要です。

 

 

 

 

gucci-key-case-6
対面の金具や取り付けた鍵が擦れてしまうのでカードポケットは穴が空いています。
頂き物で使い続けたい品とのことですのでパーツ交換せず補修加工で穴を塞ぎます。

 

 

 

 

gucci-key-case-7
折り曲げ部は縫い直すことができないほど革が擦り減っています。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-8
折り曲げ部はボロボロ。

 

 

 

 

gucci-key-case-9
反対側も同様に。。。。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-10
ステッチより外周は革が擦り切れて欠損して芯材だけの状態です。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-11
ファスナーも擦り切れて穴が空いていますので交換が必要です。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-12
バラバラ。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-13
カードポケットの内張りも擦り切れて穴が空いていますので張替が必要です。

 

 

 

 

gucci-key-case-14
ボール紙の芯材も劣化しています。

 

 

 

 

gucci-key-case-15
外面革の芯材を取り外すと・・・・

 

 

 

 

gucci-key-case-16
ステッチより外周は擦り切れて欠損していることがわかります。

このままでは縫製できませんので大きく欠損した折り曲げ部だけでなく、
外周全体を部分的に作成して縫製できる状態にして組み立て直します。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-18
リニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-19
カードポケットの擦り切れ穴を修復してマチ部材など各部に強化加工を施しています。

 

 

 

 

gucci-key-case-20
ステッチより外周も復活しました。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-21
縫い直すことも不可能だった折り曲げ部も同様に。。。。

 

 

 

 

 

gucci-key-case-22
使い込んだ傷などを残しながら構造面を整え、
強度的には新品時より丈夫になるように仕上げ直しています。

大切に使い続けたいと思える品に出会う機会は多くありませんので、
限界を超えるまで使い続けるよりも早めのメンテナンスを繰り返しながら、
良い状態を保ち続けるのが最善です。

大切に長くご愛用ください。

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