HERMES Hauta-Courroies のクリーニング


HERMES Hauta-Courroies オータクロア32cmです。

2012年1月9日の記事でゴージャスなカビの様子はお伝えしていますので、
下記にアドレスを貼り付けておきます。
https://brand-repair.com/brandbag-doctor/?p=4006

 

 

 

 


カビが目立つのですが、底角など全面に擦れ傷が多数あるようです。

 

 

 

 


パイピングなどは全体に擦れて白くなっています。

 

 

 

 


カビにカビが重なるような状態です。

 

 

 

 


内側も全体的に・・・・

こーゆーの見るのも苦手な方なので、ずーっと鳥肌状態での作業でした。

 

 

 

 


内ポケットの中も・・・・

 

 

 

 

 


底面も・・・・

大きなシミ汚れも見受けられますねぇ~

 

 

 

 


表皮は擦り切れ革の繊維が毛羽立っています。

とりあえずは、カビを取り除く作業からスタートします。

 

 

 


表面のカビを取り除いた付属のキーケースですが・・・・

 

 

 

 

 


解体して内側を見てみるとカビ菌が残っていました。
見逃すと繁殖して元気を取り戻してしまうので根絶する必要があります。

 

 

 

 

 


バッグをひっくり返した状態です。

カブセや内ポケットも取り外しました。

 

 

 

 


汚れやカビを取り除いた持ち手はスレスレ状態です。
手の脂分や汚れなどが染み込んでカモフラージュされていましたが、これが現状です。

 

 

 

 


パイピングや底角の擦れ具合から想像はついていましたが・・・・
汚れやカビを取り除くとカビに負けないくらいの傷が全面に見られます。

 

 

 

 


センターのロック金具はグラグラして緩くなっていますので新品時の状態に戻します。

 

 

 

 


ファスナーポケットも解体してカビを除去しました。

当然、元通りに縫製するには本体の解体が必要になります。

 

 

 

 


今回、ご依頼のすべての品に、このようなマーキングが・・・???

 

 

 

 


センターロック金具の取り付け部を解体して内側から見たところです。

 

 

 

 


カビだらけだった内ポケットも綺麗になりました。

 

 

 

 


悪戦苦闘の末、てんこ盛りのカビが無くなり内張りもスッキリです。

 

 

 

 


パーツごとに仕上げて組み立て開始です。

 

 

 

 


キーケースの内側も綺麗になり安心です。

 

 

 

 

 


縫製や各部コバ面の仕上げ直し、補修補色加工など長期戦になりましたが、
エルメス 32センチ オータクロアの復活完了です!

 

 

 

 


カビを取り除いた後もスレスレ状態だった持ち手も綺麗に復活です!

 

 

 

 

 


底面も綺麗になりました。

 

 

 

 


革の繊維まで露出して毛羽立っった状態の底角も補修補色加工でスッキリ!

 

 

 

 


ロック金具のグラつきが無くなり、キーケースも縫製完了です。

 

 

 

 


スレスレのパイピングもカビにカビが重なるような状態だったマチも綺麗になり、
カビが発生する前より綺麗になっているのでは?

 

 

 

 

 


HERMESらしさの復活です。
しかし、カビが発生した元の保管場所に、しまい込むことは避ける方が無難です。

一緒に保管していた他のバッグなどもカビが発生している事が考えられますので、
保管場所を変更しても他のバッグなどがカビ菌を連れてこないように注意が必要です。

何より、しまい込むことなく頻繁にご使用されることが賢明です。
大切にご使用ください。

 

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

HERMES Shoulder-Birkin ショルダーバーキンのクリーニング


HERMES Shoulder-Birkin ショルダーバーキンです。

2012年1月9日の記事でゴージャスなカビの様子はお伝えしていますので、
下記にアドレスを貼り付けておきます。
https://brand-repair.com/brandbag-doctor/?p=4006

 

 

 

 


残念!

 

 

 


持ち手ですが、素手では触れません!

 

 

 


南京錠をぶら下げていると本体に擦れて汚れや傷が付いてしまいます。

重傷になると本体に穴が空くこともありますので、
必要なければ外しておくのが賢明です。

 

 

 

 


内張りや付属パーツもカビに覆われています。

 

 

 


カビを除去することからスタートです。

 

 

 

 


バッグの表と裏をひっくり返した様子です。
あれこれ作業を施し、四苦八苦しましたがなんとかなりそうな感じがしてきました。

カビ除去後、ジメジメする梅雨の時期や暑い夏を経過してもカビの発生は無いようです。

 

 

 

 


外面にひっくり返されている内側ですが、
カビはもちろんの事、汚れなども綺麗になりました。

 

 

 

 


底面も綺麗になり縫い合わせ部のコバ面も仕上げ直しています。

 

 

 

 


本体のエルメスオレンジとコバ面の色が違う色な上、金具やベルトなど
付属パーツが多数あるので作業工程はかなり多くなりましたが完成です。

 

 

 

 


底角の擦れ傷や南京錠の擦れ傷も綺麗になりました。

 

 

 

 

 


天部やベルトのコバ面など各部とも仕上げ直しています。

 

 

 

 


付属パーツも綺麗になりました。

 

 

 

 

 


重傷だった持ち手も綺麗に仕上がり素手で触れます。

 

 

 

 

 


保管環境が悪ければカビが発生する可能性は高くなります。
しまい込むことなく頻繁に活用して、空調が整ったリビングなどにポンと置いておく。

使用する時は丁寧に!保管するときは適当に!
箱やビニールなどに入れた上、押入れなどに厳重保管は要注意です。

大切にご使用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

HERMES Whitebus ホワイトバスのカビ


HERMES Whitebus です。

2012年1月9日の記事でゴージャスなカビの様子はお伝えしていますので、
下記にアドレスを貼り付けておきます。
https://brand-repair.com/brandbag-doctor/?p=4006

 

 

 


マチのカビ!

 

 


全面の右にはシミもあります。

 

 


持ち手のカビ!

 

 


カビは有害ですし他のバッグなどにも感染る心配があります。

 


2012年1月9日の記事でも掲載しました様に、内側まで大量のカビです。

 

放置しておけない状態でしたので、
急遽、休日出勤して凍えながら屋外でカビの除去作業をしたのを思い出します。

 

 

 

 


カビを取り除いた後面の状態です。

ジメジメする梅雨の時期や暑い夏を経過してもカビの発生は無いようです。

 

 

 


前面は大きなポケットがあり強度面でも頑丈なんですが、
こちら側は荷物をいれると負担が掛かり大きく膨らんで変形しています。

 

 

 

 


内側にも大量のカビが発生していましたし、迷わず解体します。

 

 

 

 


後面を取り外して内張りを剥がし強化芯材を入れ込みます。

 

 

 


なんと!
内側の芯材には最高級のボークスカーフの本革が使用されていました。

バッグ本体に使用しても高級な革を外面からは見えない芯材として使用するのは、
HERMESだけが出来る贅沢仕様ですねぇ~

 

 

 


カビだらけの内張りも綺麗になりました!

 

 

 


ポケットの中も綺麗です。

 

 

 


後面の内張りも綺麗なりましたので強化芯材を入れ込んで組み立てます。

 

 

 


使用不可能な状態でしたがHERMES Whitebus の復活です!

 

 

 

 


前ポケットの中も綺麗になりました。

 

 

 


変形していた後面の底付近もかなり頑丈に強度アップしています。

 

 

 


カビはもちろん傷も多数あった持ち手やマチや底面も問題なく仕上がっています。

ご本人だけでなく2012年1月9日の記事を閲覧いただいた方々も
楽しみにされていたようで数人から催促のお問い合わせも頂いていました。

ブログの記事にしてしまうと簡単に一瞬で作業が完了するかのように見えますが、
一筋縄では、たどり着けない工程で長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。

気持ちよくご使用いただける状態に復活しましたので大切にご使用ください。

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CHANELマトラッセのクリーニング


シャネルのパンチング革のマトラッセWチェーンショルダーバッグです。

全体的に汚れや擦れ傷があります。
白系のバッグはお洒落ですが綺麗に使用するのが難しいです。

 

 

 


底角は表面が擦り切れて革の繊維が毛羽立っています。

 

 

 


カブセの角です。

 

 

 


カブセの外周もスレスレ状態です。

 

 

 


この辺りの縫い合わせ部分には擦れ以外に黄色く接着剤のシミがあります。

このベロ革部分などは外周に擦れ汚れがあるだけで全体的には綺麗に見えます。

 

 

 


ショルダーチェーンの中の革も・・・・

 

 

 


背面のポケットは全体的に・・・・

 

 

 

 

 


ロック金具やショルダーチェーンなど付属品を取り外して作業します。

 

 

 


シャネルマークを取り外した部分と比較するとベロ革全体の汚れがわかります。

どうしても汚れが酷い所が目立ちますので、
解体しなければ他の部分は綺麗に見えるのですが外面全体に汚れがあります。

 

 

 

 


ショルダーの革はチェーンに通し直すだけで手間が掛かります。
しかし、解体して加工していますので綺麗になりました。

 

 

 


スレスレだったカブセ外周も表面補修してから加工しています。

 

 

 


カブセの角部です。

 

 

 


底角の擦れ傷は重症でしたが・・・・

 

 

 

 


パンチング加工された特殊素材の修正は難しいですが擦れ傷は消えました。

 

 

 


背面ポケットはジーンズ系の染料がしみこんでいたのか予想外の難易度でした。

 

 

 

 

 


汚れが染み込みにくいように表面加工も施しました。

汚れてしまうと残念さが目立つので丁寧に取り扱うしか最善策はありません。
しかし、白いバッグを綺麗に使用できるとカッコイイですしお洒落です。

大切にご使用ください。

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フェラガモ(Ferragamo)財布と名刺入れの修理


フェラガモ(Ferragamo)財布と名刺入れのセットです。
高品質な作り込みでFerragamoの中でもトップクラスの品質です。

 

 

 


色落ちしやすい革ですので多用する財布は深い緑色から黄色に変色しています。

画像ではわかりにくいですが擦れ傷や引っかき傷など各部にあり、
シミ汚れも見られます。

丁寧に使用していても長年愛用されると避けようのない損傷ですね。

 

 

 


特に折り曲げ部は完全に黄色に見えます。

黄色に見える部分は手の脂や汚れが染み込んでカモフラージュされていますが、
汚れを取り除くと、もっと悲惨な現状が浮き彫りになります。(後ほど紹介します・・・)

 

 

 


両サイドのワインカラーの革も擦れ傷が目立ちますねぇ~

 

 

 


傷みやすい折り曲げ部は革が擦り切れて穴が空き変形も見られます。

 

 

 


反対側の折り曲げ部も重症です。

 

 

 


こちらは名刺入れの折り曲げ部です。
擦れ傷は見られますが穴までは空いていないようです。

 

 

 


財布と比べると軽症ですが外周だけでなく全体的に擦れ傷や色落ちが見られます。

 

 

 


内側の様子です。

カードポケットや折り曲げ部など各部に擦れや色落ちが見られます。

 

 

 


小銭入れの内張りは擦り切れて破れていますので張替え交換が必要です。

長年、使用されてきたことがわかる部分ですが避けようのない損傷ですね!

 

 

 


マーク刻印の中は凹んでいるので擦れが無く僅かな色落ちしかないようです。

元の色はかなり濃い緑色であることがわかります。

 

 

 


小銭入れの内張り交換のため解体しました。

当社では本革仕様を希望される方が多いのですが今回は布で張り替えます。

 

 

 


解体した折り曲げ部の穴です。

 

 

 


反対側の折り曲げ部です。
穴が空いていない部分も貫通する寸前でヘロヘロ状態です。

 

 

 


全体の汚れを取り除いてみると・・・・
汚れや手の脂が染み込んでカモフラージュされていた箇所が白く浮き彫りに!

小銭入れの内張りが擦り切れて穴が空くまで長年愛用されてきた財布ですから、
最も傷みやすい外面は汚れを取り除くと現実の状態がハッキリします。

 

 

 

 

 


両サイドのワイン色の革を取り外すと新品時の濃い緑色が出てきました。

 

 

 


元々は、かなり濃い緑色だったようです。
表面を補修したあと補色加工を施し、組み立て直します。

 

 

 

 


名刺入れの補修補色加工の完成です!

 

 

 


ワインカラーの革も色剥がれした部分がなくなりました。

 

 

 


反対側の折り曲げ部です。

 

 

 


財布の内側も補修補色が完了し色落ちした部分がなくなりました。

 

 

 

 


小銭入れの内張りは布だけでは心配があるので芯材を貼り合わせて入れ込んでいます。

表面の布は金属である小銭の硬さには勝てませんが、
布が擦り切れても内側の芯材がガードしますので安心ですし型崩れの防止になります。

 

 

 

 


型崩れ変形した上、穴が空いていた財布の折り曲げ部も復元強化加工の完成です。
当然、芯材を入れ込んで縫製していますので強度もアップしています。

 

 

 

 


色落ちしやすい革ですので表面コーティング加工を施し、
汚れも染み込みにくいように加工しています。

しかし、毎日のように愛用する品ですから、大きな損傷さえ与えなければ、
少しづつ色落ちしていくのを楽しむのも天然皮革の楽しみの一つです。

使い込めば艶が出て、雰囲気や風合いが増しますので、
少しづつ変化を楽しんで大切にご使用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

 

(お手紙紹介です)

昨晩遅くなりましたが、財布と名刺入れ受け取りました。 > 我慢出来ず先にブログで見てしまいましたが・・・。 > > すごく丈夫そうですし見違えるようになっており満足してます。 > 思い入れがあり、これから長い付き合いをしていく予定ですので > また何かありましたらよろしくお願いします。 > 色々とありがとうございました!

千葉県 M 様

イタリーブランドは強度や耐久性よりもデザイン重視の傾向が高いですが、
素材・作り込みとデザインのバランスが良く、強度とデザインが両立されています。
この財布でしたらブランド製品としても合格!
良い品を選択されていますので長く大切にご使用ください。

VUITTON グラフィティ Graffiti Alma Horizontal のクリーニング


VUITTON Graffiti Alma Horizontal m92176です。

マークジェイコブスがデザイナーだった頃にコレクションモデルとして発売したバッグです。
ヴェルニやグラフィティなど彼のデザインはお洒落ですが、
取り扱いが困難な素材が多く、汚れが付着しやすく良い状態を長く保つことはできません。

傷や汚れが付着しても取り除くことが可能であれば安心して使用できるのですが、
直営店ではクリーニングは対応してくれませんし、
素材の特性上、クリーニングは不可能に近いです。

 

 

 

 


丁寧に使用されているようですが、各部に汚れや傷が見られます。

 

 

 

 


特殊なペイントを本革に施した素材ですので、通常はクリーニングは不可能です。
しかし、本体が白いバッグですので画像以上に汚れが目立ち残念な状況です。

 

 

 

 


この部分はSとNの辺りですが、このような汚れや小傷が各部に見られます。

中央付近の汚れと傷が重傷の部分だけ、
なんとか目立たないように改善加工する事を承りましたが、
このまま放置できません。

 

 

 

 

 


なんとか、通常のご使用では目立たないように加工できました。

 

 

 


中央部付近も完了です。

 

 

 

 


汚れや擦れに弱いだけでなくクリーニングも困難なバッグですので、
取り扱いには細心の注意が必要です。

 

 


マークジェイコブスがデザイナーを務める以前とそれ以後では、
ヴィトンの品質や強度に大きな変化を感じるのは気のせいでしょうか?

洗練されたデザインは無骨だったヴィトン製品をカラフルに変貌させファッション性が
格段に向上したことは事実です。

しかし、大切な何かを置き去りにしてしまったような気もします。

 

 

 


綺麗な状態を維持することは困難なバッグですので、
傷や汚れを気にしすぎる事はせず、しまい込まずにドンドン活用されるのもありかな~

決断するには難しい選択ですね!

大切にご使用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索